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ニューブレイカー2024〜梶原昂希〜

 今シーズン新たに殻を破った選手を紹介する企画、「ニューブレイカー2024」。第十一回は、高い身体能力でハマスタの定位置を奪いにかかる"カジータ"です。

名前:梶原昂希(かじわらこうき)

 彼が梶原昂希選手です。梶原選手は右投左打の外野手で、大分県大分市出身、1999年9月19日生まれの25歳です。
 小学四年から野球を始めた梶原選手は県立大分雄城台高校に進学すると、一年からレギュラーを獲得。二年秋からは4番を任されるようになり、チームを県ベスト8に導きました。三年夏には2回戦で猛打賞を記録するなど気を吐きましたが、チームは3回戦で敗退しました。また、高校の同級生には陸上選手の現ミズノトラッククラブ・兒玉芽生選手がいます。
 高校卒業後は神奈川大学へ進学。主に3、5番センターで出場すると一年秋から首位打者に輝くなど自慢の打棒を遺憾なく発揮し、四年春にもベストナインに輝きました。単打だけでなく長打力もあり、首位打者をとった時の長打率は.720とこちらもリーグトップでした。
 そして、遠投110メートルの強肩、50メートル5秒8の俊足、大学通算12本塁打のパワーが評価され、2021年ドラフト6位でDeNAから指名を受け入団します。
 ルーキーイヤーにはチーム内でコロナ感染者が爆増し代替選手として一軍に招集されると、4月12日の巨人戦で戸郷翔征選手からホームランを放つ鮮烈デビュー。デビュー戦で本塁打を含む1試合4安打はNPB新記録でした。翌年も二軍では打率.338、7本塁打を記録するなど、本当に開花寸前というところまで来ていました。
 そして迎えた今季。開幕一軍を掴んだものの、調子が上向かず抹消。しかし5月下旬に再登録されると、二軍でしていた打撃ができるようになり覚醒。10月2日時点で87試合の出場、96安打で打率.29613盗塁とハイアベレージを維持しています。

強み:超積極打撃

 梶原選手最大の強みは超がつくほど積極的なバッティングスタイルだと思います。カウント別打率を見てみると、初球時は49打数17安打と全カウントで3番目に多い打数を誇っており、2球目においても51打数26安打と5割越え
 今シーズンは「1番・センター」でスタメン出場していることが多かった梶原選手ですが、先頭打者でいきなり初球を叩いてヒットにする、というシーンも多く見られたため、本当に振りに行く度胸は凄まじい選手です。
 選球眼の良さを表す指標「IsoD」では、0.07〜0.08で合格点、0.10以上だと優秀と言われている中梶原選手は0.02を記録。これは元阪神・鎌田実氏が記録したNPBワースト記録に匹敵する数字であり、とにかく四球を選ばないのが梶原選手なんです。こう言ったほうが分かりやすいでしょうか。今季の梶原選手は打席数が333、打数が324です。

課題:追い込まれた後のアウトロー対策

 これは今季の梶原選手のコース別打率ですが、ストライクゾーンではなくボールゾーンを見てください。梶原選手は左打者ですので、右下すなわちアウトローのボールゾーンの打数、三振の多さが顕著になっています。映像を見れば一目瞭然なのですが、梶原選手は追い込まれてからくる落ちる球がすこぶる苦手です。
 身長が高く腕も長いため距離感が人とは違うものがありそうですが、どうしてもバットに当たりそうで当たらないんですよね。当たらずに三振を喫するくらいなら見極められるようになったほうが良いはず。アウトローに来る左のスライダーや右のフォークに警戒してほしいです。

得意投手

 今季復活を果たした巨人・菅野智之選手を10打席の対戦で10打数5安打1本塁打とめったうちにしており、ヤクルト・長谷川宙輝選手に対しては4打数4安打4打点と今季全ての対戦でヒットを放ちました。
 球団で見てもヤクルトには61打数26安打で打率.426と完全にお得意様状態でした。

苦手投手

 巨人・高梨雄平選手赤星優志選手には6打数1安打4三振とカモにされてしまい、中日・髙橋宏斗選手にも8打席の対戦で4つの三振を喫するなど苦しめられました。
 他にも巨人・戸郷翔征選手ら先述したような変化球を持っているような投手との対戦打率は軒並み下がっていました。

梶原選手のプレー動画

 叩きつけての内野安打、右中間を破る痛烈な長打、弾丸ライナーでホームランなど打球の種類が多岐にわたる梶原選手。特に内野安打では一塁到達タイムがおよそ3.8秒と周東佑京選手らに匹敵する数字を残しており、俊足ぶりが伺えます。
 外野守備でも、若干のおぼつかなさを残しながら俊足を生かした広いレンジとレーザービームで幾度となくチームのピンチを救ってきており、DeNAの外野争いで間違いなく頭一つ抜けた形になりましたね。

一口情報:カジータ

 そんな梶原選手ですが、入団時には現ソフトバンクの柳田悠岐選手を尊敬しているという話をしており、それに準える形で一部ファンからはギータならぬ「カジータ」の愛称で呼ばれています。高い身体能力とフルスイング、まさに柳田選手のようなプレースタイルをしている梶原選手には、ハマのカジータになってほしいですね。

まとめ

 今回は、DeNA・梶原昂希選手について紹介しました。ホームランこそ今季はまだ少ないですが、筆者は今トリプルスリーに最も近い選手だと思っています。柳田選手のような高い放物線でなく、目の覚めるような弾丸ライナーをライトスタンド前列の方にぶち込む打撃をこれから見せてほしいですね。
 最後までお読みいただきありがとうございました。

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