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セパ交流戦が開幕!この選手に気をつけて観てみよう

 本日5月30日から、プロ野球はセパ交流戦が開幕します。6月18日までの3週間は、どのチームも別リーグと戦うことになります。
 普段相見えることのないセリーグとパリーグ、そのため連日目白押しの対決が続くのが交流戦の醍醐味ですよね。

 今回はその中でも特に別リーグのチームが気をつけなければならない選手を各チーム投手(主に中継ぎ)、野手共に1人ずつ選出し紹介します。
 この機会に、別リーグではどんな選手が活躍しているのかを知っておきましょう!(紹介順は5月29日現在での順位順に)

パリーグ

千葉ロッテマリーンズ

投手:ペルドモ選手

 ロッテ投手からは新助っ人・ペルドモ選手を選出。ペルドモ選手はドミニカ共和国出身の右腕で、150キロ超えのストレート(ツーシーム)と、縦に消えるような高速シンカーのほぼ2球種で相手を打ち取るパワー系リリーバーです。

 現在ロッテでは勝ちパターンの一角を任されており、5月28日時点で20試合に登板し、17ホールドを挙げ、16奪三振、防御率1.83と日本野球に順応しています。
 またペルドモ選手は熱い心を持っており、5月5日のソフトバンク戦ではピンチをピッチャーゴロで凌ぐと、最後は自分でボールを持ったまんま一塁ベースを駆け抜け、その勢いでベンチまで戻ってしまいました。

 セリーグ球団は、ロッテにリードを許した状況で7、8回に回してしまうと厄介ですね。

野手:池田来翔選手

 野手からは池田来翔選手を選びました。
 2021年ドラフトにてロッテに2位で入団した池田来選手は、ルーキーイヤーには22試合に出場、しかし打率.091と活躍できたとは言えませんでした。
 しかし、今季すでに昨季と同じ22試合の出場を果たすと、打率は昨季を大きく超える.354を記録しています。

28日時点で48打数と規定打席には乗っていないものの、広角に打ち分けるスプレーヒッターは打低のパリーグで首位打者も十分射程圏内です。
 また、1本ヒットが出た試合は大抵マルチヒットを達成しており、打たれてしまったら1本打たれたその次の打席での対応が攻略の鍵となってきそうです。

オリックス・バファローズ

投手:山﨑颯一郎選手

 オリックスの投手では山﨑颯一郎選手に注目すべきでしょう。昨季ブレークし侍ジャパンにも追加招集選手として参加した山﨑颯選手は、真上から投げ下ろすフォームで最速160キロの勢いのあるストレートを武器に、スライダーやカーブ、フォークを交えて敵を制圧するリリーフです。
 シーズン序盤は少し苦しい登板があったものの、直近5試合では失点0。ホールドも2つ挙げるなど、与えられたイニングをきっちりこなしています。

 また、山﨑颯選手は2020年に行われたファンフェスタの料理対決で登場した、「三角巾に裸エプロン」という奇抜すぎる格好が話題に。
 「水田の主婦」という設定での登場に、Twitterではトレンド入りするなど大反響(なお本人は吹田がどこにあるのかも知らない模様)。
 野球以外の面でも話題をかっさらう右腕は要警戒人物です。

野手:頓宮裕真選手

 野手で注目すべきは打撃好調の頓宮裕真選手。強打の捕手として入団した頓宮選手でしたが、若月健矢選手や森友哉選手など層の厚い捕手陣により現在は主に一塁を守っています。
 今季は新加入の森友選手の後を打つ5番打者として活躍しており、5月28日時点で打率.336、1本塁打と巧打者としての片鱗を見せています。

 昨季までは「当たれば飛ぶ怖いバッター」というイメージがあった頓宮選手ですが、今季は軽打を習得し打率も残せるようになってきました。
 頭部死球を受けるなど開幕から少し不安な部分もありましたが、ここまで打率は、規定打席に乗れば2位に大きく差をつけて首位打者になれる数字を残しています。
 また、チーム内では「ゴリラ」と呼ばれるほどパワーもあるので、ヒットだけでなく長打も警戒していかなければなりません。

福岡ソフトバンクホークス

投手:ロベルト・オスナ選手

 ソフトバンク投手からは"絶対的守護神"を。
 ロベルト・オスナ選手はヒューストン・アストロズなどで活躍していたバリバリのメジャーリーガーでしたが、2018年に不祥事を起こし、2021年にはメキシカンリーグへ移籍します。
 しかし2022年の6月にロッテが獲得を発表し、元大リーガーの来日に野球ファンは湧きました。
 22年で圧倒的な成績を残したR.オスナ選手は、なんと翌年ソフトバンクに移籍。現在も鷹の守護神として防御率0.00を継続しています。

 体重の乗った重い豪速球に加えてカットボールやツーシーム、チェンジアップを操るR.オスナ選手は、パリーグからすれば絶望の象徴。セーブシチュエーションでの9回になれば、セリーグの敗戦は必至でしょう。

野手:柳田悠岐選手

 野手は子供の憧れの的、柳田悠岐選手。ミート、パワー、走力、肩力、守備力全てにおいて高水準で揃っており、2015年にはヤクルト・山田哲人選手と共に「打率3割、30本塁打、30盗塁」のトリプルスリーを達成。「トリプルスリー」という言葉は新語・流行語大賞にも選ばれていました。
 昨季は規定打席到達年で見るとワーストの打率.275。少し衰えが始まったかのように見えましたが、今年は息を吹き返し、5月28日時点では打率.318で首位打者の座に座っています。

 フルスイングが持ち味の「ギータ」は、普通では考えられない変な態勢からホームランを打つのが得意なある意味「変態」であり、ボールゾーンであってもスタンドまで運んでいきます。
 バットに当たるし、当たればどこまでも飛んでいくのでかなりの警戒が必要です。

北海道日本ハムファイターズ

投手:宮西尚生選手

 日本ハムの投手では宮西尚生選手が要警戒人物です。6月2日には38歳を迎える大ベテランですが、寄る年の波にも負けることなく、ここまで19試合に登板、接戦の場面を多く任され防御率0.59と、新庄監督の期待に応えています。
 左の横手から放たれるスライダーは手元でクイっと曲がるようなキレがあり、変則的なフォームも相まって打ち崩すことは困難です。

 5月28日時点で宮西選手は通算390ホールドを記録。ホールドというのは3点差以内でリードしている状況で登板したリリーフに付く記録であり、それだけ数多くの接戦の場面を抑えてきたという証になります。
 通算400ホールドまであと10、セリーグのチームは終盤に注意が必要です。

野手:万波中正選手

 野手では"ロマン砲"万波選手を選出。
 ルーキーイヤーからホームランを放てるアーチストとして期待されていましたが、新庄監督の元でついに才能の花が開きます。確実性こそムラがありますが、28日時点でリーグトップタイの9本塁打。昨年が14本塁打だったため、すでに昨年を超える勢いでここまできています。

 28日時点での成績は打率.250、9本塁打、29打点。打率が物足りなく感じるような方がいるとは思いますが、万波選手はこれでいいんです。低打率ながらもホームランをぶちかます万波選手だからこそいいんです。
 ツボに入ると数試合連続でのホームランを記録することもあるので、セリーグのチームは火を付けさせないことが肝要です。

埼玉西武ライオンズ

投手:ボー・タカハシ選手

 投手ではボー・タカハシ選手を選びました。
 ボー選手は2022年に来日したピッチャーで、日本からの移民の祖父母を持つ日系3世のブラジル人です。
 右腕から放たれるストレートは最速150キロを超えており、それに加えてスライダーやカーブなどを操ります。今季はここまで10試合に登板し、防御率1.59と安定しています。抑えのような派手さはないものの、登板すると1イニングをほぼ確実に無失点で抑えるので、攻撃のチャンスが減ってしまいます。

 またボー選手は英語やポルトガル語、スペイン語を話すことができるマルチリンガルで、日本語も理解することができるそう。ここまで語学に堪能なプロ野球選手はかなり珍しい気がしますね。
 内角も恐れず投げ込むのはラテンの血が入っている証拠。また性格も陽気で、チームの中ではムードメーカーを担っています。ボー選手が出てきたら、まず3人で終わらないことを心掛けなければなりません。

野手:渡部健人選手

 野手では新たな4番、渡部健人選手が怖いですね。山川穂高選手の不祥事に加え中村剛也選手の怪我でパワーヒッターを失った西武。いわば獅子の牙が抜け落ちた状態と言っても過言ではありませんでしたが、代わりに昇格したのは"おかわり君3世"こと渡部健選手。
 176センチ115キロの巨体から放たれる打球は強烈で、ファームでは今季すでに5本のホームランを放っていました。28日時点では打率.167ですが、28日のオリックス戦で今季初打点を挙げるなど徐々に調子を上げてきています。

 また、渡部健選手は大きな体と愛嬌のある笑顔がチャームポイント。チームを自ら盛り上げる積極性もあり、渡部健選手の昇格によってチームの雰囲気も良くなり、順位も自ずと上がってくるのではないでしょうか。

東北楽天ゴールデンイーグルス

投手:内星龍選手

 投手では今季ブレークを果たした内星龍選手に注目。昨季二軍で中継ぎの役割がハマると、今季は開幕一軍の切符を掴み取ります。
 190センチの長身から150キロ越えのストレートとスプリットを投げ下ろすピッチングが特徴で、4月23日に7番手として登板すると、1回2奪三振無失点の好投がサヨナラ勝利を呼び、自身プロ初の白星を手にしました。

 今季はここまで14試合に登板し、2勝1敗1ホールドという成績。ストレートに押されて三振を奪われるバッターが多く、内選手と対戦する際はストレートに上手くタイミングを合わせていかなければなりません。

野手:浅村栄斗選手

 野手では犬鷲の主砲・浅村栄斗選手に警戒が必要。今季の楽天打線は貧打に喘いでおり、特に主軸の選手の打率が悲惨です。多くの試合で4番を務めている浅村選手もご多分に漏れない状況となっており、28日時点での打率は.210。しかし、ホームランは8本出ているなど相変わらず一発の怖さはあります。

 しかし、なんと言っても浅村選手の怖さはその勝負強さ。今季通算1000打点を達成するなど、打率は低くともチャンスでことごとく打ってきます。それを象徴するのが5月26日の日本ハム戦です。
 相手のエラーによって同点のランナーを出した楽天は、一発出れば逆転の場面で浅村選手。すると見事その場面で逆転ツーランを放ち、チームを勝利に導きました。浅村選手の前でランナーを出せば、最大限の警戒が必要になります。

阪神タイガース

投手:岩崎優選手

 阪神は、セットアッパー、クローザーと様々な場面で起用される岩崎優選手を選出。

 シーズン序盤で守護神・湯浅京己選手の離脱により復帰まで抑えの座を任された岩崎選手は、首脳陣の期待に応えるピッチングを見せます。左腕から140キロ台前半のストレートとチェンジアップで緩急を取り、正確なコントロールで外角を突いてきます。

 また、ピンチでも平常時でも表情や口調を崩さず、淡々としている様子は「鉄仮面」などと評されることがあります。ヒーローインタビューでも寡黙な印象が強い左腕は、パリーグの打撃陣でも攻略は難しそうです。

野手:木浪聖也選手

 野手では安定して好成績を残し続けている木浪聖也選手が要警戒。

 2019年のルーキーイヤーには113試合に出場したものの、そこからは次第に出場機会が減少。俊足巧打が売りの木浪選手でしたが、それ以上に守備の粗さと低打率がネックとなっていました。
 2023年はキャンプでの勝負に負け開幕スタメンこそ小幡竜平選手に譲った木浪選手でしたが、小幡選手の低迷と共にスタメン入り。ショートとして42試合に出場し、打率.310、失策はここまで2と打撃面でも守備面でも安定しています。

 また5月3日の中日戦では、両親が観戦している中自身初のサヨナラタイムリーで試合を決める活躍も。勝負強さを兼ね備えた「恐怖の8番打者」を、パリーグ投手陣はどう抑えるのでしょうか。

横浜DeNAベイスターズ

投手:上茶谷大河選手

 DeNAの投手では、今季数々のピンチを抑えてきた上茶谷大河選手に特筆すべきものがあります。

 2018年ドラフト1位で入団した上茶谷選手は昨年まで先発を務めていたものの、フォーム変更を機に今季は中継ぎスタート。しかし中継ぎといっても、ロングリリーフに加えビハインド、さらにはピンチ時の火消しなどとにかくオールラウンダーに活躍しています。
 そこまで多岐にわたる起用をされながら、防御率は驚異の0.92。13試合に登板しながらの成績で、"困ったら上茶谷"という三浦監督からの信頼感がすでにあるように思われます。

 また、チーム内では「誇張しすぎた○○」をするムードメーカーとしても有名。自軍がリードしている中上茶谷選手に流れをつくられ、逆転されることがないようパリーグのチームは気をつけなければなりませんね。

野手:関根大気選手

 野手では今季覚醒した関根大気選手にフォーカスを当てます。

 両足を大きく開き、ほぼ投手と正対するような打撃フォームになった今年は、28日時点で対左投手にも打率.340を記録するなど、左右関係なくヒットを量産しています。また十三試合連続ヒットを継続中で、完璧なヒットメーカーとして昇華しました。

 また関根選手は脚もあるので、出塁後には盗塁の可能性も視野に入れなければなりません。セリーグのどの球団も恐れるアベレージヒッターは、DeNAの打者でも特に注意しなければなりません。

広島東洋カープ

投手:矢崎拓也選手

 広島の投手は矢崎拓也選手に刮目。今季不調の栗林良吏選手に代わり抑えに抜擢されると、28日時点で13試合に登板し、3勝4セーブ2ホールドの大活躍。
 150キロ越えのストレートとフォークが投球の大半を占めており、その剛腕で空振りを奪い続けます。

 また、ピンチになってもマウンドで独り言を呟くなど、ポーカーフェイスな一面も持ち合わせる矢崎選手。9回のマウンドに降りた彼を観ない訳にはいきません。

野手:上本崇司選手

 野手では小技の効く上本崇司選手が気に掛かります。

 昨年レギュラーに定着した上本選手は、今季もショートやセンターとしてここまで30試合に出場、打率は.253と繋ぎのバッティングをしてきます。また、ここまで3盗塁を記録するなど足にも定評があり、出塁されるとかなり厄介です。

 また、守備では俊足を生かした華麗な守備を披露するため、走攻守全てにおいて厄介な存在。パリーグのチームは上本選手を最も警戒しなければならないのではないかと思います。

読売ジャイアンツ

投手:鈴木康平選手

 巨人はオリックスから新たに移籍してきた鈴木康平選手に目を向けるべきでしょう。

 現オリックス・廣岡大志選手とのトレードで巨人にやってきた鈴木康選手は中継ぎとして28日時点で4試合に中継ぎ登板すると、防御率は4.91ながらここまで2つのホールドを挙げています。
 阪神戦での失点が痛手となりましたが、それでも155キロを毎度のように計測するストレートとスライダーは中継ぎとして素質十分のもの。

 また、鈴木康選手はオリックスから移籍してきたということで、パリーグの打者の情報を他の巨人の選手よりも持っています。そういうデータを活用したピッチングをされると、パリーグの球団としては少し不利になってしまいますよね。交流戦で登板の機会が果たして増えるのでしょうか。

野手:秋広優人選手

 野手での警戒人物はやはり秋広優人選手。今季一軍初ヒットをマークすると、そのまま大ブレーク。5月28日時点で打率.347、4本塁打と新たな時代を切り拓きつつあります。
 打数も102とそこそこあり、規定打席に乗る日もそう遠くありません。

 身長201センチと超長身の体に巻き付いて出てくるバットは遠心力が強くかかっており、打球も低い弾道でぐんぐん伸びていきます。
 交流戦でクリーンナップで出ることは濃厚なので、岡本和真選手の前にランナーを溜めないようにも注意が必要です。

東京ヤクルトスワローズ

投手:清水昇選手

 現在十連敗中のヤクルトからは清水昇選手を選出。150キロ台のストレートと、ツーシームと言われる実質フォークの変化球の合わせ技で相手を苦しめる右腕です。
 ここまで20試合に登板し、18ホールド、防御率1.80と勝ちパターンの一角をしっかり担っています。

 現在泥沼にハマっているヤクルトですが、打線と投手陣が噛み合えば去年のような勝ち方はもちろんできるチームです。リードされた状態で清水昇選手が登板してしまうと、実質残りは9回だけなので清水昇選手を登板させないことが鍵になってきます。

野手:村上宗隆選手

 野手で注目すべきはやはり今季不振の三冠王。48試合に全て4番で出場し、9本のホームランを放っている村上宗隆選手ですが、170打数で三振は66。一時期は日本記録を作るペースとまでいわれたほど三振を量産していました。

 それでも、WBC準決勝のように、自軍が欲しいところで打ってくるのが村上宗選手。5月に入ってきてから徐々に成績を上げてきており、交流戦で爆発するというのが1番あり得る可能性です。パリーグ球団はいかにこの眠れる三冠王を起こさずにいられるかが勝敗の焦点となりそうです。

中日ドラゴンズ

投手:勝野昌慶選手

 中日の投手は勝野昌慶選手を選びました。昨季までは先発を主に役割としていましたが、上茶谷選手と同様今季から中継ぎに配置転換。するとこれがうまくハマり、28日時点で21試合に登板、20の三振を奪うなど防御率は0.87と圧巻の数字。
 広い本拠地と自分の力強いストレートを駆使し、敵に点を与えません。

 今季の中日の中継ぎ陣は祖父江大輔選手や福敬登選手、ライデル・マルティネス選手など好投手が群雄割拠。どの投手が出てきてもパリーグチームからすれば嫌ですが、勝野選手が出てくれば打線も打ち崩す勢いで行かなければ勝てないでしょう。

野手:細川成也選手

 野手は、今季チームを大いに引っ張っている細川成也選手。
 現役ドラフトでの加入となりましたが、和田一浩コーチの元覚醒。本人曰くタイミングの掴み方を覚えたらしく、28日時点で打率.340、5本塁打と打ちに打ちまくっています。打点も23でチームトップと、3番打者としてチームの顔になっています。

 細川成選手は5月に入ってホームランのペースを上げてきており、これが気温と関係しているのなら6月になる交流戦ではさらに爆発するでしょう。ヒットも長打も打てるので、パリーグ投手陣は警戒しないわけにはいきません。

まとめ

 非常に熱く語ってしまいました。ただ、年に一度のこのイベント、楽しまないわけにはいかないんですよ。普段は見られないさまざまな対決がここにあります。交流戦、どこのチームが優勝するでしょうか。
 最後までお読みいただきありがとうございました。

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