楽天・小郷が9回に2点差ひっくり返すサヨナラ打！ディグプロ6月11日
終盤での勝負強さを誇る犬鷲のリードオフマンが、杜の都でファンに劇的勝利を届けました。
今回は、6月11日に行われた交流戦6試合を振り返っていきます。
※以下一部敬称略、試合順は開始時刻順、同時刻の場合はスポナビ野球速報の表示順に。
日本ハム対中日戦
ＥＳ ＣＯＮ ＦＩＥＬＤ ＨＯＫＫＩＤＯ
18:00プレイボール
スコア 日本ハム0-4中日
スタメン
日本ハム 中日
１ 右 万波 １ 一 カリステ
２ 中 松本剛 ２ 右 岡林
３ 左 水谷 ３ 三 福永裕
４ 一 Ａ．マルティネス ４ 左 細川成
５ 三 郡司 ５ 指 中田翔
６ 指 清宮幸 ６ 中 ブライト
７ 捕 清水優 ７ 捕 宇佐見
８ 二 上川畑 ８ 二 田中幹
９ 遊 水野 ９ 遊 村松
投 上原 投 髙橋宏
日本ハムは21日ぶりに上原が、中日は中6日で髙橋宏が先発します。
両先発共に序盤3イニングスを安定したピッチングで抑え、0-0の同点で迎えた4回表でした。中日の先頭打者はカリステ。ここまでパーフェクトに抑えられていた上原の3球目を捉えると、引っ張った当たりはレフトスタンドまで届く先制ソロに。中日が1点を先制します。
逆にホームランで1点を失った日本ハム・上原でしたが、4回はその後それ以上の失点を許さず5、7回は三者凡退。6回も二死満塁のピンチを作りながら無失点で切り抜け、7回1失点でマウンドを降ります。
一方の髙橋宏は、1点さえもらえたならばと快投を披露。上原同様3回まで無失点に抑えると、4回は四死球とツーベースから二死満塁のピンチを招きましたが、清水優を三振に斬り失点は防ぎます。
5、6回と3つの三振を奪って三者凡退に抑えた右腕でしたが、7回は二死二塁と同点の窮地。ここが試合の分水嶺となりそうな中で代打・田宮にライトへのヒットを打たれますが、ライト・岡林の強肩がドンピシャでホームに還り、二塁ランナーは本塁上でタッチアウト。最後はバックにも助けられ、7回108球を投げて3安打、7奪三振、3四死球、無失点で降板しました。
「厳しい展開で7回まで来てたんですけど、しっかり粘り強く投げられたと思います」
と振り返った右腕、初めての日本ハム戦を楽しく投げ切ることができたようです。
日本ハムは9回にも加藤匠のタイムリー、田中幹のツーランで3点をだめ押しすると、4点リードで迎えた9回は藤嶋が登板。
最後は中島卓に粘られたものの、11球目でサードゴロに打ち取りゲームセット。中日が完封勝利でカード頭を制しています。
勝利投手：髙橋宏斗（3勝）
敗戦投手：上原健太（3敗）
本塁打
中日：カリステ4号ソロ
田中幹也2号ツーラン
投手リレー
中日：髙橋宏－松山晋－藤嶋
日本ハム：上原－矢澤－生田目
楽天対巨人戦
楽天モバイルパーク宮城
18:00プレイボール
スコア 楽天7×-6巨人
スタメン
楽天 巨人
１ 右 小郷 １ 右 丸
２ 遊 村林 ２ 中 Ｅ．ヘルナンデス
３ 中 辰己 ３ 二 吉川尚
４ 三 鈴木大地 ４ 一 岡本和
５ 一 フランコ ５ 三 坂本勇人
６ 指 浅村 ６ 指 大城卓
７ 左 渡邊佳 ７ 左 立岡
８ 捕 太田光 ８ 捕 岸田
９ 二 小深田大翔 ９ 遊 泉口
投 ポンセ 投 山﨑伊
楽天、巨人共に中6日でポンセ、山﨑伊が先発します。
巨人の下位打線が躍動します。0-0で迎えた2回表、一死から大城卓が相手のエラーで出塁すると二死一塁で岸田。3球目、ポンセの高めに浮いた直球を捉えると、打球はレフトスタンドに飛び込む先制ツーランになりました。巨人ファンの興奮冷めやらぬ中、続く泉口。こちらも7球目を捉えた打球がライトスタンドへのソロとなり、二者連続弾で3点を先制します。
さらに4回には、二死一、二塁から丸の放った打球がライトスタンドに着弾するスリーランに。これで計6点と、楽天・ポンセから点を取り立てます。
しかし、楽天も反撃を開始。0-3で迎えた3回裏に二連打で一死一、三塁のチャンスを作ると、村林が落ちる球に体勢を崩されながらも、レフトへタイムリーを放ち1点を返します。なおも一死満塁となって鈴木大地は犠牲フライを記録。2点を返します。
さらに2-6で迎えた8回には、先頭のフランコが内野安打で出塁すると浅村。久々のスタメン出場となった大砲は西舘勇のストレートを粉砕すると、レフトスタンドへ叩き込むツーランに。最後に待つ劇的展開の前に布石を敷きます。
そして、楽天の2点ビハインドで迎えた9回裏。4番手のバルドナードから先頭の鈴木大地がヒットを放つと、浅村、渡邊佳が連続四球を選び一死満塁に。ここで代打・阿部寿がコールされると、3ボールから落ち着いて低めの直球を見送って四球を選びます。
これで押し出しとなり1点差に迫ると、続く小深田大翔は三振に倒れましたが、なおもランナーフルベースで小郷。2ボール2ストライクからの5球目でした。低めのストレートを弾き返すと、この打球が前進守備の右中間を越すサヨナラタイムリーツーベースに。
「外野が前にいたんで手応えもあったので、打った瞬間抜けたなと思った」
と、自身初めてのサヨナラタイムリーに鼻息も荒くなっていました。楽天が小郷のサヨナラタイムリーツーベースで、劇的勝利を収めています。
勝利投手：津留﨑大成（1勝）
敗戦投手：バルドナード（1勝2敗6Ｓ）
本塁打
巨人：岸田行倫2号ツーラン
泉口友汰1号ソロ
丸佳浩4号スリーラン
楽天：浅村栄斗5号ツーラン
投手リレー
巨人：山﨑伊－西舘勇－高梨雄－バルドナード
楽天：ポンセ－渡辺翔－ターリー－津留﨑
西武対広島戦
ベルーナドーム
18:00プレイボール
スコア 西武1-2広島
スタメン
西武 広島
１ 右 長谷川信 １ 中 秋山翔
２ 二 山野辺 ２ 指 宇草
３ 左 栗山 ３ 右 野間
４ 指 中村剛 ４ 三 小園海
５ 一 陽川 ５ 左 末包
６ 遊 源田 ６ 捕 坂倉
７ 中 奥村 ７ 一 佐藤啓
８ 捕 古賀悠 ８ 二 菊池
９ 三 元山 ９ 遊 矢野
投 今井 投 床田
西武、広島共に中6日で今井、床田が先発します。
先制したのは広島。初回の二死二、三塁の先制機を無得点で終えた中、2回に二死走者無しとなって打席に入ったのは菊池。その4球目、外に逃げるスライダーを振り抜いた打球は高々と上がりレフトポール際に飛び込む先制ソロに。広島が1点を先取します。
さらに広島は7回、先頭・矢野のフェンス直撃のツーベースから一死三塁のチャンスを作ると、宇草の代打にコールされたのは松山竜。2ボール1ストライクからの4球目、今井のストレートはライト後方へ高く上がります。そのままホームランかと思われた当たりはフェンス際でジャンプ一番捕球した長谷川信に阻まれたものの、犠牲フライで1点を追加。貴重な追加点を挙げます。
援護点を受けた広島・床田は熱投します。序盤3イニングスはランナーを出しながら無失点に抑えて立ち上がると、4回は二死一、二塁のピンチを迎えながら源田を三振に斬り危機を脱します。
5、6、7回は四球1つのみに抑えスコアボードに0を刻みつけ、7回まで零封ピッチだった左腕。8回には一死走者無しから佐藤龍にツーシームを弾き返されソロホームランを許しますが、後続を打ち取り、8回108球を投げ4安打、3奪三振、2四球、1失点で降板しました。
「最初はどうなるかなと思ったんですけど、しっかりバックが守ってくれて良かったです」。
と振り返った左腕、その言葉通り試合中には数字に表れないファインプレーが数多く飛び出した広島ナインでした。
西武は広島・床田に7回まで無失点に抑え込まれていた中、佐藤龍のソロによって1点差に迫ります。
そして1-2で迎えた9回裏は、広島の守護神である栗林相手に二死から陽川がヒットを放ち、代走・髙松が盗塁を決め、二死二塁と一打同点のチャンスを作ります。ここで打順は源田に回りましたが、最後は5球目を捉えるもファーストゴロに。ヘッドスライディングも及ばずゲームセットとなり、広島が1点差で逃げ切りました。
勝利投手：床田寛樹（7勝3敗）
敗戦投手：今井達也（3勝3敗）
セーブ：栗林良吏（1敗18Ｓ）
本塁打
広島：菊池涼介4号ソロ
西武：佐藤龍世2号ソロ
投手リレー
広島：床田－栗林
西武：今井－ヤン－松本航
ロッテ対DeNA戦
ＺＯＺＯマリンスタジアム
18:00プレイボール
スコア ロッテ0-4DeNA
スタメン
ロッテ ＤｅＮＡ
１ 左 石川慎 １ 中 蝦名
２ 遊 友杉 ２ 左 梶原
３ 中 髙部 ３ 一 オースティン
４ 右 岡 ４ 二 牧
５ 捕 佐藤都 ５ 指 筒香
６ 指 ポランコ ６ 捕 伊藤光
７ 一 池田来 ７ 遊 大和
８ 三 中村奨吾 ８ 三 井上絢
９ 二 小川龍 ９ 右 度会
投 小島 投 ジャクソン
ロッテは中6日で小島、DeNAは中5日でジャクソンが先発します。
これぞマシンガン打線でした。DeNAは0-0で迎えた2回表、先頭・伊藤光から連打で無死一、二塁のチャンスを作ると、井上絢の当たりがライトへのタイムリーとなり、1点を先制します。
さらに井上絢が盗塁も決め、無死二、三塁となったところで度会。久しぶりの一軍昇格となったハマの一番星は3球目を捉えると、これが右中間を破る2点タイムリースリーベースとなり、0-3としました。
「（チームに）勢いを付けられたらと思っていた。（ガッツポーズは）ベンチのみんなな盛り上がってくれたので」。
と度会。塁上でガッツポーズも出ました。さらにそれだけにはとどまらず、一死三塁となって梶原にもタイムリーツーベースが生まれ、0-4と大きく点差を離しました。
そして、この日のジャクソンはライトから一塁方向に吹く9メートル級の浜風を生かします。初回から直球とチェンジアップで2つの三振を奪って立ち上がると、2、3回もランナーを1人ずつ出しながら無失点に抑えます。
4回には三者連続奪三振を記録するなど150キロ台中盤の直球とチェンジアップでロッテ打線を牛耳り、結局ランナーを二塁まで進めさせないまま降板。7回101球を投げ2安打、8奪三振、2四球、無失点という好内容でした。
ジャクソンの降板後はウィックが登板。一死から小川龍に内野安打を許してしまいましたが、続く石川慎で5-4-3の併殺を作り無失点。8回のマウンドを守り抜きました。
そして、9回は4点差とセーブシチュエーションではないものの森原が登板。髙部に内野安打を転がされたものの、後続を打ち取り、最後は佐藤都をセカンドゴロに仕留めてゲームセット。DeNAが完封勝利でカード初戦を制しました。
勝利投手：ジャクソン（3勝5敗）
敗戦投手：小島和哉（4勝5敗）
投手リレー
DeNA：ジャクソン－ウィック－森原
ロッテ：小島－横山陸－二保
オリックス対阪神戦
京セラドーム大阪
18:00プレイボール
スコア オリックス4-0阪神
スタメン
オリックス 阪神
１ 中 中川圭 １ 二 中野
２ 右 来田 ２ 左 前川右
３ 二 太田椋 ３ 右 森下翔
４ 指 西川龍 ４ 中 近本
５ 遊 紅林 ５ 一 渡邉諒
６ 三 宗 ６ 三 佐藤輝
７ 左 杉本 ７ 指 ミエセス
８ 一 頓宮 ８ 遊 木浪
９ 捕 若月 ９ 捕 梅野隆
投 曽谷 投 村上頌
オリックスは中8日で曽谷、阪神は中6日で村上頌が先発します。
両チームの先発の粘りがあり序盤4イニングスは無得点で始まったこの試合、5回裏に均衡は破れます。先頭の紅林がヒットを放ち二死三塁のチャンスを作ったオリックスは、8番・頓宮。その初球であるカットボールを弾き返すと、打球は右中間に転がるタイムリーツーベースに。頓宮は守乱の間に三塁まで進みました。
オリックスはさらに6回にも一死一、三塁のチャンスを作ると、西川龍が初球を捉え追加点となるタイムリーを放ちます。
援護を得たオリックス・曽谷は抜群の球威で空振りの山を築きます。初回は森下翔、近本から連続三振を奪うと、2、3回も三振を記録。4回にはアウト全てを三振で奪うと、5回は三者連続奪三振を達成するなど、左腕から放たれるストレートと変化球で阪神打線を翻弄しました。
6回こそヒット3本から二死満塁のピンチを招きましたが、最後はミエセスをカーブで見逃し三振に仕留めました。6回100球を投げ7安打、12奪三振、無失点の好投を見せたサウスポーは、
「ゾーンの中でしっかり腕振って勝負できたかなと思います」
とコメント。現在戦列を離れている宮城大や山下舜の穴を埋めるような投球をしています。
曽谷のピッチングからリズムを作ることができた打線は、2点リードで迎えた8回にも一死二塁から太田椋、西川龍に連続タイムリーが飛び出し2点を追加。
4-0で迎えた9回は本田仁が登板するとしっかり三者凡退で抑えて試合終了。オリックスが完封勝利で六連勝です。
勝利投手：曽谷龍平（4勝2敗）
敗戦投手：村上頌樹（2勝5敗）
投手リレー
阪神：村上頌
オリックス：曽谷－山田修－古田島－本田仁
ソフトバンク対ヤクルト戦
明治神宮野球場
18:00プレイボール
スコア ソフトバンク4-2ヤクルト
スタメン
ソフトバンク ヤクルト
１ 中 周東 １ 中 西川遥
２ 遊 今宮 ２ 右 丸山和
３ 三 栗原 ３ 指 村上宗
４ 指 山川 ４ 左 サンタナ
５ 左 近藤健 ５ 二 山田哲
６ 右 柳町 ６ 一 Ｊ．オスナ
７ 一 中村晃 ７ 遊 長岡
８ 捕 甲斐 ８ 捕 松本直
９ 二 廣瀨 ９ 三 武岡
投 有原 投 吉村貢
ソフトバンク、ヤクルト共に中6日で有原、吉村貢が先発します。
試合が動いたのは4回表でした。ヤクルトは先頭・西川遥のスリーベースから丸山和の内野安打サンタナの四球で二死満塁のチャンスを作ると6番・Ｊ．オスナ。高めに浮いたストレートを逃さず捉えると、これがセンター前に落ちる先制の2点タイムリーに。ヤクルトが主導権を握ります。
援護をもらったヤクルト・吉村貢は、4、5、6回と三イニング連続で併殺を記録するなど打たせて取る投球の真骨頂な内容を見せ、6回まで無失点に抑えるピッチングを続けました。
勝負の天秤が傾いたのは7回裏。吉村貢から今宮、栗原が連打でチャンスを作り拡大させると、山川、近藤健の連続タイムリーで一気に2点取り同点に追いつきました。
なおも一死二、三塁とチャンスは続き、打席にはこの日スタメンの中村晃。ヤクルト2番手の山本大貴と相対すると、5級目をヒッティング。真ん中近いストレートを弾き返した打球はセンターへ抜ける2点タイムリーとなり、ソフトバンクが逆転に成功。
「つないで、つないで大チャンスで回ってきた。いい結果が出て本当に良かった。ベンチに帰ってみんなが笑顔で迎えてくれたのがうれしかった」。
と、明るい顔で振り返った鷹のベテランでした。
2点ビハインドから一転、2点リードに変わったソフトバンクは、4-2で迎えた9回に守護神のＲ．オスナを投入。Ｊ．オスナとの「オスナ対決」を制するなど、二死二塁のピンチを招きながらも失点は防ぎゲームセット。
ソフトバンクがラッキー7に1イニング4得点を記録し、逆転勝利しました。
勝利投手：有原航平（6勝3敗）
敗戦投手：吉村貢司郎（4勝4敗）
セーブ：Ｒ．オスナ（2敗16Ｓ）
投手リレー
ヤクルト：吉村貢－山本大貴－小澤
ソフトバンク：有原－松本裕－Ｒ．オスナ
まとめ
小郷選手、さすがの勝負強さですね。楽天は交流戦異常とも言える執念深さと諦めの悪さで勝ち続けてきており、その渦中にいるのがこの小郷選手です。昨季中盤から一軍で覚醒し、今や外野のレギュラーを張るようになった小郷選手、楽天のレジェンド野手として、その名を刻む日は近いのかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。
出典・画像引用元
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？