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9月16日 阪神vs巨人15回戦

7-6、負け。田口4勝目、青柳5敗目。
なんというか「らしい」戦いぶりだったなあ。

スタメン全員ズラリと左を並べてきた巨人打線に対し、青柳は空振りをとれるボールが見つからず四苦八苦。7番田中のソロや8番立岡・6番若林のタイムリーなど下位打線に打たれる厳しい投球で五回途中降板。さらに2番手桑原が立岡にスリーランを浴び7-0と完全に試合を壊してしまった。

らしさを感じたのは
・7-0から6点返したこと
・結果的には裏目の継投
この辺だ。

リードを許しても粘り強く反撃はする。点は返したが結局追いつかずという試合は今日含め何度もあったが、あっさり負けるのと比べたら全然違う。こういう姿勢はチームの雰囲気作りの面からいっても、応援する側からいっても、非常に重要である。巨人の勝ちパターンを引き出せたことには意味があるし、今後に繋がるだろう。正直この2戦で巨人との戦力差はかなりはっきりしてしまったので、負けて悔しいという気持ちよりよく追い上げたなという内容面に目がいってしまう。選手がこれではいけないのだろうが。

裏目の継投と書いたが、実際にはそうともいえないところもある。五回の桑原投入についてだ。先日の広島戦では安心感のある投球だったし、ベテランの経験がある桑原をあの難しい場面で出した選択はかなりベストに思われた。思えば開幕第2戦(あれも東京Dだった)、2点ビハインドで起用したルーキー小川が七回に試合を壊してしまったというゲームもあった。結果今回桑原でいって打たれて、後ろを投げた小川が好投したので裏目っぽく映る。五回に2,3点で止めておいたら勝っていたのにというスコアだからだ。しかし、巨人押せ押せのあのムードの中で、誰がいっても厳しかったのではないかというのが冷静に振り返って思うところだ。小川、あるいは3番手として移籍後初登板だった小林を先に投入していれば抑えられたかと思うと、怪しいところである。

その小林が2イニングをゼロで抑えてくれた。大きな働きである。飯田とトレードでオリックスから来た選手だ。飯田も通常の開幕ならローテ入りもあったろうに気の毒だった。小林はほぼ真っすぐ一本で変化球はフォークだけという面白い投手である。ストレートのキレが良いうちは短いイニングでガンガン使えるタイプだろう。

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初回に先頭の近本がライト前を打って以降七回終了までヒットはその1本のみと、完全に田口の完封ペースだったが、八回に大山が久々のヒットで出塁すると下位打線が集中力を見せた。特に粘って繋いだ陽川中谷あたりは勝負強さをしっかり発揮したと思う。スタメン落ちしていた木浪も代打で2点タイムリー。このあたりの選手がやはり鍵だろう。巨人の下位打線は打ち取るにも神経を使わせる打者が並んでいる。この試合では欠場した坂本岡本の主軸二人があれだけ打てるのは他の打者のサポートあってこそである。サンズ大山に楽に打たせるには他の打者がいかにプレッシャーを与えられるかにかかっている。

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九回には3点差でデラロサが上がり、大山が19号ツーラン。ボールが二つ先行し、カウントを取りにくる場面で思い切って引っ張った。それもあらかじめ高めに目付けをしていたような振りである。勇気のいることだ。一死一塁、強く振ればそれだけゲッツーのリスクも上がる。先日甲子園で同じデラロサ相手に大山のゲッツーで試合終了という光景もあった。当然試合後は散々言われ本人の耳にも入ったろう。「シングルでいいから繋がねば」という気持ちになっても全くおかしくない場面だった。だが、あの振りを見る限りそうした弱気な心は一切なかったようだ。何回三振しても何本ゲッツー打ってもいいからこういう場面では常に自分のスイングをするぞという覚悟が今年の大山には決まっている。リーグ2位のホームラン数はこれの表れだろう。去年長いこと四番の重圧を背負って、メンタル的に本当に成長したのが見ていて伝わってくる。本当にいい選手をドラ1で獲れた。頼もしい限りである。

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