脚下照顧

仕事をしているときに、自分の付加価値は何かと、よく自問する。会社で定められたRoles and Responsibilities(以下「R&R」という)におけるアウトプットの質を非常に高めることだったり、R&Rを超えた組織に必要な業務領域に貢献することだったりするとは思う。いずれいにしても、自身が、組織のために何ができるのかを問い、そこに回答するために、組織がやろうとしていること、自分ができること、周りができないことを認識しておくことが大事だし、自分というこの単位から、チームや部という組織単位で考えることになる。

こうしたことを一社員として行うためには、組織の目標も、ほかの人がやっていることも知らないといけない。その意味で会社が組織目標や各部とそこにいる人の役割やR&Rを知らせることは必須だし、自分自身も各部の何某さんに、何ができて何ができないのかとか、社内がどのような人的ネットワークで動いているのかといった人間関係のダイナミクスを知ることが、スタートアップであれ、大企業であれ必要なことだと思う。そういった観点で、社内コミュニケーションを戦略的に設計し、確実に実施する必要がある。その中で、プロセスについても周知することが重要だろうと思う。結局3人あつまれば政治をする生き物だし。

実際に、「人を動かす」というのは、組織の最小単位に働きかけることであって、動かした人が組織にどんな影響を与えるか知らないと何も変わらないわけだから、動かすべき人を動かすためには、動かすべき人を知ることと、動かす方法を知ることが必要になる。

アメリカの大学院の、広義に組織論の授業中で、転職後にすぐに出世する人は、社内のネットワーク関係、社内プロセスをまず把握するという特徴が共通にみられる、という説明がなされていたが、頷ける。

問題は人の動かし方。恐怖か、欲求か。基本的には、意義・目的に訴求するべきなのだろうし、よくそう言われるけど、訴求していても、意外とかみ合わないことが多いんだよなぁ。なぜなら、意義・目的こそ、会社よりも個人的動機付け(恐怖を避けるであれ、欲求を満たすであれ)に大きな影響を受けているから。

それゆえに、己を知りて敵を知れば、、、ではないけれど、やはり自己理解と他社理解は不可欠。その点で、エニアグラムのようなフレームワークはとても便利だよなー(普及しているようで普及していない、普及していないようで、普及しているフレームワーク)。

話を戻すと、自分の付加価値と自己、他者を理解するからこそ、社内でも会社に貢献できるんだろうと思う。それと同様に、自分の社会における価値を定義するからこそ、社会へ還元したり、貢献したりする方法を具体的にイメージできるようになるし、執行フェーズでも己の付加価値を理解し、人とのやり取りのくせ、人の巻き込み方がわかるから、実現しやすくなる。こういうことを知るためにも、内省をするのは、大事な習慣だなー。結局答えは自分の中にあるわけだし。


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