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フレッツVPNワイド 導入ガイド

NTTのフレッツVPNワイドについて、どんな特徴があるか、実際導入する場合のネットワークの設計や注意点などを解説していこうと思います。


インターネットVPNとフレッツVPNワイドの違い


まず、インターネットVPNとの違いですが、
以下に、ネットワークイメージの図を示します。
図1がインターネットVPN、図2がフレッツVPNワイドを表したものです。

図1
図2

フレッツVPNワイドは、いわゆるIP-VPNサービスといわれるもので、
インターネットを経由せずに、NTTの設備の中で接続しているので、閉じられたネットワーク閉域網でのVPNサービスになります。

そのため、盗聴や改ざんなどのリスクは、インターネットVPNに比べると低いと考えられよりセキュリティの高い拠点間通信をしたい場合に、
インターネットVPNではなく、フレッツVPNワイドが選択されます。

フレッツVPNワイドの特徴

ユーザーID

フレッツVPNワイドを契約して開設すると、開設したタイミングで
接続に利用されるユーザIDが自動的に発行されます。
発行されるユーザID数は、契約プランによって異なりますが、
最小単位のプラン10というものなら、10ユーザ発行されます。
user01からuser10までが発行されます。

払い出しIPアドレスについては、後述しますが、上記の表の内容で、初期値が発行されます。

基本的には、1回線に1ユーザを割り当てて利用しますので、プラン10なら、最大10拠点 VPNワイドで拠点間通信の環境が構築できることになります。
ユーザーIDと回線を紐づけることで、その回線でのVPNワイドが開設されます。

2拠点のみで利用する場合、user01とuser02を割り当てて利用し、フレッツVPNワイドとしては、2契約での月額料金を支払うことになります。

user03からuser10は、未使用ユーザーと呼ばれ、新拠点を追加する場合などに利用していきます。

管理者と参加者

デフォルトでは、user01が管理者、他のユーザーIDは、参加者というものとなり、user01を割り当てた回線が管理者拠点ということになりますが、
管理者と参加者と言っても、ネットワーク構成上の違いは何もありません。

図3

違いは、管理者に割りあった回線からのみ、カスタマコントールというものにアクセスでき、そこでVPNワイドの接続パスワードの変更や払い出しIPアドレスの変更ができるという違いがあります。
また、ユーザーIDの追加なども、カスタマコントロールで行います。
それ以外の違いは特にありません。

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