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憎んでました。競馬を。②


一口馬主

学生時代に亡き父から競馬うんちくを聞かされ
叔父に有馬記念の観戦に連れていかれ
きっかけを既に植え付けられた長男が就職してから始めたのは

「一口馬主」

競走馬のオーナーになりたい――。競馬ファンなら、誰もが一度はそんな夢を抱いた事があるのではないでしょうか。しかし、個人で馬主になるには、所得と資産に関する高い要件をクリアする必要があり、一般の競馬ファンにはハードルが高いものとなっています。そこで、一般の競馬ファンが馬主を疑似体験するために生まれたのが「一口馬主」という制度です。一般の競馬ファンでも、クラブ法人が募集する馬の中から、気に入った馬に出資することで、馬主気分を味わうことができます。

募集馬はクラブ法人により40口から1万口の間の小口に分割されて募集されます。例えば、総額2000万円の募集馬の場合、40分の1のクラブなら一口50万円、500分の1なら一口4万円が出資の際に必要となります。出資後は預託代などの維持費(約60万円/月)を口数に応じて負担します。レースに出走した場合は、賞金の8割に加え、出走手当などが支払われます。出資者には、賞金諸手当からクラブ手数料などを引いた金額が、配当として口数に応じて分配されます。

netkeiba.comより

通常に馬券を買って楽しんでいたのですが
さすが今時の情報収集のパワーは侮れず
少額で馬主になれるという夢と
投資のお勉強のひとつとしてトライした長男。

とは言いつつも
絶対儲かる!という保証は絶対ではなく
リスクも当然あるわけで
それでも長男は純粋に
「お馬さんが好き♡」という理由が80%を占めていたので
緩く楽しんでいました。

都内でひとりアパートで生活しながら
自分のご飯は適当なのに
投資したお馬さんへの毎月の餌代の引き落としは忘れず(笑)
「投資した馬がなかなか餌を食べても太らない・・・」とか
自分の身体より馬の体重を気にするという
親としてはなんじゃこりゃ??という様子に苦笑しましたが
そんな世界もあるんだなぁと思っていた次第。
何が楽しいのか?とすら思っていました。

だって儲かんないじゃん⇒欲の塊の親の私。

息子の投資馬が活躍する。

何頭か一口馬主に投資していることは知っていつつも
それがどうした!のまま。
とにかくこの当時は何も分からないので
そういう世界があるんだなぁとだけ理解していたのですが・・・

息子の投資しているお馬さんが
良い感じで成績を残している現実が舞い込んできました。

配当金が入ってきた。と聞けば
欲の塊の親の耳はそっちへ向きます(笑)
関心があるのは「金額」のみでしたが
次第にお馬さんへの興味も出てきたわけで
これがきっと愛着というもの。

大嫌いで憎んでいた競馬の知らなかった世界が見えてきました。

そして更に加速したのは・・・
その活躍しているお馬さんが
「G1レースに出ることになった」という快挙を成し遂げるという
そのあたりから私の気持ちはガラリと変化してくるのです。

桜花賞に出るなんて!!

もうその時は興奮したした!
もちろん上位を狙っていたわけではなく
そのレースに出られることが夢のようで
(投資しているのは長男なのに)
レースは涙出ましたww

その後もそのお馬さんの活躍はしっかり追いかけ
(投資しているのは長男なのに)
出走すると分かれば名前の入った馬券を買い
コレクションしちゃうという新たな楽しみまで作ってしまいました。
(投資しているのは長男なのに)

まだまだ先が長いそのお馬さんの追っかけに
ドハマりする自分が。

え?噓でしょ??(´;ω;`)ウゥゥ

そんな競馬の楽しみ方を知ってしばらく。
まさかの話しが舞い込んでくるのであります。

それは主人からのLINE。
「レッドアステル、死んじゃった・・・」
仕事中に確認したそのメッセージを見て
悲鳴をあげてしまった自分。

これからがとっても楽しみで期待していた
息子のお馬さんが
調教中に急性心不全で
突然お亡くなりになってしまったという現実。
私、主人、息子・・・呆然。
言葉出ず。

こんなことってある??
突然の悲劇とも言える出来事でした。

息子は他にも何頭か投資していたとはいえ
こんな活躍の仕方をするお馬さんには巡り合えてなく
もう一口馬主も辞めようかなと言う始末。

でもアステルには感謝しかない。
こんなにも楽しく興奮した競馬を体験させてくれて。
悲しかったけど夢を見させてくれました。

ちゃんと競馬場に応援に行きたかったな。
そんな思いが駆け抜けました。
競走馬の世界の見えない部分も経験させてもらった出来事。


レッドアステル おんなのこ。可愛い。



嬉しくて馬券はコレクションしてました。

主人の誕生日に仔馬を選ばせる。

亡くなってしまったお馬さんへの思いを抱きつつ
またシーズンになったら投資馬を吟味する長男。
その一口馬主の募集と主人の誕生日は
いい具合に重なります。

父への誕生日プレゼントとして長男が選出したのは
「投資する仔馬を選ぶ」
といったもの。
でも長男の名義。支払いもその後の費用も全部長男持ち。
ただ、選ぶだけ(笑)

それでもカタログが送られてきて
主人も競馬好きなものですから
面白がって何時間も吟味して選んでおりました(笑)

デビューするにはまだまだ先の仔馬さん。
でも主人が厳選した仔馬を長男が申込み
見事に抽選が当選し・・・
また新たに一口馬主の未来が始動したのです。

ただ選ぶだけのプレゼントって意味あるん??
まぁ
楽しんでカタログ見ていただけでもいいかな。
何を基準に選んだのかも特に興味のないまま
またしばらくは静かに競馬との距離を置いていました。

主人の趣味として競馬を受け入れる。

共働きの子育て世代。
休日は一緒でしたがそれぞれに行動をする生活。

私は結婚前から趣味として推し活動、つまりは
分かり易くいえば「追っかけ」するアーティストが存在していて
年に数回はライブに足を運ぶのが
日々の生活の活力として存在させていた趣味。

主人はとにかく真面目な方なので
結婚してから離れていた暇つぶしであったギャンブル類のことを
再開しないまま
私の趣味に理解を示さない煩わしさを抱きつつ

そして年老いていく父親を心配した息子が
何か趣味を与えることが大事という提案。

そんなタイミングで当時仕事をしていた同僚が
これまたギャンブル好き(笑)
息子が一口馬主という話から枝が伸び
気づいたら競馬の話しで盛り上がる。
その延長でサボり中に地方競馬のレース馬券を買い
レースでエキサイティングした流れで
同僚がネットで馬券を買う行動に閃いた。

主人にこのネット馬券購入をおススメしよう!

我ながら名案!!

そして最初は戸惑っていたその提案。
使えるようになるまでの手続き等はもちろん自分が買って出て
いざ自宅に居ながらも競馬が出来る。
その環境をお膳立てしたら・・・・

しっかり「趣味」になっている現実。

もう憎めない領域まで到達。
もちろん自爆。





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