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落ち込んだ時に元気をくれるのは、いつだって映画とゆるキャラ。そしてお洒落さん。

 水曜日。仕事が休みだったので、大好きなちりめんじゃこを食パンに敷き詰め、チーズを乗せてカリカリに焼く。今日は以前から観たかった映画に行こうと思っていた。気がつけば年明けから一つも映画を観ていない。今まで私、何をしていたんだろうか?

 上映開始時間に間に合うにはギリギリの時間だったので、急いで部屋を飛び出した。
 中野から、総武線に乗り換える為エスカレーターを歩行出来る右側に移動した。その際、後方に居た人の身体に掠ってしまい、「すみません」と言い頭を下げた。エスカレーターを降りた場所から歩き始めると、私の後ろに走って誰かが来た気配がした。その後に、思い切り後ろから足を踏まれた。私はつんのめり、転びかけた。咄嗟に周囲を見回すと、これ以上無いほどの憎々しい表情を浮かべ、私を睨みつける若い女性がいた。暫く時間が止まったかのように互いが見つめ合い静寂を帯び、私が呆然としていると、向こうは諦めたかのように、しかし憎しみだけはそこに置いてその場から瞬く間に居なくなった。

 私は、なんだかショックを受けてしまい、家に帰ろうかとも思ったが、こんな時はとにかく歩こう!と思い立ち中央線に乗り換え新宿へ。徒歩で渋谷まで向かう事にした。

 原宿界隈を歩いている人のなんとお洒落な事。赤いキャップに真っ青なだぼだぼのダウンジャケット。デニムに白いボリュームのあるスニーカーを履いて成城石井に入って行ったお兄さんの格好良さ。

 全身ベージュトーンで統一し、全体的に落ち感のあるダランとしたスタイル。身長が高い事でバランスが取れ、遠目からも人目を引く、自分をよく知っている着こなしの男性。横断歩道待ちをしながらフランスパンを齧るお洒落具合など、私の住んでいる多摩地区には存在しないお洒落レベルの人々が居て歩いているうちに、いつの間にか心が癒されていくのを感じた。

 そして、よくわからないゆるキャラにも遭遇して、まるでぐちゃぐちゃした傷が癒えていくかのようにワクワクした気持ちが湧き上がってくるのを感じた。やはり泣き寝入りは良くない。身体を動かさなくちゃ。


可愛いゆるキャラ。癒されたよ、ありがとう!

 途中、宮下パーク付近でベンチに座り自宅から入れてきた水筒の生姜入り紅茶を啜る。はあ。だいぶん元気が出てきたぞ!

 そのあと暫く歩いて、イメージフォーラムに着く。リム・カーワイ監督「すべて至るところにある」鑑賞。いつの間にかスクリーンの中に誘ってもらいながら、私も映画の中を旅した。川で出会う場面が印象的だった。川は命や元々の根源、源流みたいな意味合いもあるのかしら?と思いながら観ていた。感想はちゃんと書きたい。

 近くにある喫茶店「サテラ」が独特な雰囲気で忘れられない。「お手洗いはありますか?」と聞くと鍵を渡され「左手に階段が3段あるので、そこを上がって下さい」と言われて(定員さん丁寧で感じが良かった)鍵を持って1人歩いた。

 都心は新しい事が沢山でわくわくするが疲れた。やっぱり大根を川で洗っている近所の様子が落ち着くな。

 

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