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苦手な人とのつきあい方

ある若者から、表題テーマにてリクエストを頂いていました。簡単なようでとても難しい問いだったので、何度も書いては消し、書いては消し…を繰り返していました。(途中で力尽きて別の記事を書いていたら催促されました笑。よく見てるなあ…!)

自分の中での、この問いに対する答えは漠然とあるのですが、なんとも一般化は難しく、かといって僕の脳の中身をツラツラ書いたとて詰まらない記事になってしまうなあ、と思い、書きあぐねていました。

そんななか、まったく別の経緯で読むことになった本のなかに、思いがけず、この問いを考えるヒントになりそうな内容があったので、それをご紹介しようと思います。

その本とは、ずばり、こちら。

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工藤紀子『職場の人間関係は自己肯定感が9割』(フォレスト出版)


超絶簡略化して要約すると、「職場の人間関係の要因の約9割は、自己肯定感によるものだ」という内容です。(タイトルまんまじゃん!!!)

はい、もう少し真面目に書きます。


※以下、ネタバレというほどではありませんが、本書の内容を具体的に触れていく箇所があるのでご注意ください。面白そうだと思ったら、是非、書店で購入してください!


著者は、アメリカの心理学者ウィル・シュッツの論文を引用して、組織の中の人間関係の問題は、「組織を構成する一人ひとりが、自己肯定感を高めることで解決していくことができ」ると述べています(p.27)。

他者の行動に対して、自己肯定感が低いと、「否定された、攻撃された、ウマが合わない」と感じてしまう。逆に自己肯定感が高ければ、相手の言動も好意的に受け止めることができ、人間関係は良好になっていく、ということのようです。


「自己肯定感」という言葉は、もはや使い古されたありきたりな表現になっていますし、パッと見、あたりまえのことを言ってるな~とも感じられますが、「自己肯定感」と「人間関係」を直接結びつけて論じるのは(ちょっと暴論気味なのに目をつぶれば)、意外と新鮮だな、とも思いました。

※ちなみにKacotamのホームページにも「自己肯定感の低下」の言葉は出てきますが、その文脈は「機会をつかめない」「自己実現への道が断たれる」につながっており、「人間関係」への影響については書いていません。

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注意すべき点として、「自己肯定感が低いから人間関係が悪い」ということではなく、「人間関係の問題を改善するために、自己肯定感に着目すると良いかもよ」ということなのでお気を付けを。


個人的に「良いなあ」と思った理由は、人間関係の問題=苦手な人との付き合い方を考えるうえで、相手の問題ではなく、自分自身の問題として捉えられる点(というと語弊があるけど、要は自身の自己肯定感次第で解決できると捉えること)です。

相手に要因を探してしまうと、解決策は「近寄らない」とか「相手の欠点に目をつぶる」とか「気にしない」とか、消極的なアプローチがメインになってしまい、根本解決は難しいでしょう。

しかし、自分の自己肯定感であれば、コントロールの方法を学んで身に付ければ、積極的に問題を解決できます。さらに、その人以外の別の相手に対しても有効になります。

この点が、すごく良いなあと思いました。

(そして、例のリクエストを思い出し、これでいけるとニヤニヤしました)


さて、それでは肝心の、「どうやって自己肯定感をあげるか」という部分について、さらに本書の内容を読み進めていきます。


ひとつは、「自己保身」の感情に気づくところから始める、とあります。

「誰かに対して、嫌な気持ちや感情的になるときは、なんらかの自己防衛のスイッチが入ったサイン」と著者は述べています(p.59)。そのことに気づく頻度を高めると、自己保身のパターンが分かってきます。そのパターンを認識し、自己肯定感を高めていけると、他者に対しても、自分を過度に守る必要がないと理解できるので、安心して他者と関われるようになる、というのです。


著者はさらに、自己肯定感を「絶対的自己肯定感」と「社会的自己肯定感」の二つに分けて、理解を促します。

前者は、ダメなところや至らない点も含めて、自分の存在を丸ごと肯定すること。後者は、仕事の成果(学校の成績と置き換えても良い)や他社からの相対的な評価をもとに自己肯定すること、と言います。

土台となるのは前者の「絶対的自己肯定感」であり、ここがしっかりしていないと、環境やコミュニティ等の外的要因の変化によって、たやすく自己肯定感が下がってしまう、と述べられています。

絶対的自己肯定感は子どもの時に育まれることが多いようですが、大人になってからでは変えられないかというとそうではありません。きちんと自分と向き合い、ありのままの自分を受け入れる思考を心がければ、大人になってからでも高められるそうです。


本書ではさらに、思考のパターン別、苦手な相手のタイプ別に、自己肯定感を高めてやりすごす方法が細かく書かれていますが、今回の記事では割愛します。(各論を述べるのは目的でないため)


以上、まとめると、「苦手な人との付き合い方」の解決策として、自分の「自己肯定感」に着目してみると、積極的解決方法が見えてくるかも、ということが、本書を読んでわかりました。

その具体的な方法は、是非、まわりにいる自分のよき理解者とも相談しながら、少しずつ、探していくのが良いのかな、と思いました。

唯一にして完璧な解決策、とは言いませんが、ひとつの糸口として、参考になればと思います!


以上!!



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あとがき(言い訳)

・キミに向けて書いた記事ではないからね! でも、リクエストくれたのはありがとう!楽しかったよ! 良くわからない内容があったら、近くにいるオジサンにでも質問してね。

・あと、途中で力尽きかけて後半駆け足になんてなってないよ!

・あと、心理学的なのは専門外なので、いろいろ突っ込みどころあるかもしれないけどご容赦ください!


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