折本完成

なんでデジカメ忘れたんすか芭蕉さん!!製作ノート

図形を俳句で伝えて、聞いた人にも図形を描いてもらうという突飛なゲーム。このゲームは、思いついたときから完成型は見えていたんですが、途中いろいろな成り行きが加わってこのような形になった。という不思議なゲームです。


<きっかけ>

自分はコミュニケーションが上手ではないので、何とか短い言葉で的確に意図を伝えられないものか、ということに四苦八苦してしまうんですね。
そこでふと、「その辺俳句はすごいよなあ」という思いが突然降って湧いてきました。例えば「五月雨を 集めて早し 最上川」という句を見ればなんとなく雨で増量した川が勢いよく流れる風景が浮かぶわけです。とはいえ、まったく断定的でもないんですね。そんなあやふやさが残ってる案配が良いので俳句の仕組みを使って何か作れないか、と考え始めました。
全国の学校ではどうだか分かりませんが、自分が通っていた中学校で俳句を聞いて絵を描いてみよう。的な授業があったのを思い出し、最初は風景を描写するゲームとして考え始めました。しかし絵を描くのに時間がかかりすぎてしまう上、絵心が勝敗を分けてしまう恐れがあったことから「こりゃダメだ、何より俺が遊べないぞ。」ということで絵の上手い下手に関係ない図形や記号を描写するゲームにしました。


<原理も手段も、ありふれたもの>


つまりこのゲームは図形→俳句→図形といういわばファクシミリ送信みたいな作業を俳句を使って行うんですね。タイトルを含め突飛な印象を抱かれたと思いますが、すでに日常にあるものを組み替えて作ってるので新しく斬新なアイデアなんてどこにもありません。ありきたりな図形だとわざわざ俳句にせずとも、「チューリップ」とか単語で言い切れてしまいますので、この世にない図形を考える必要がありました。このあたりは峰崎まめこさんを始め様々な方に大変助けていただきました。


<なんで折本なんですか>


当初いろいろ考えていましたがいろいろ有ってコンポーネントは使えないぞ、ということになりました。大変な事態です。まともに考えたらぽんこつペイントのようなボード・ペンなどは必須、さらに俳句を書くシートも用意しないといけませんから自分はすっかり困窮してしまい弱っていたのですが、峰崎まめこさんから「折本というのはどうですか」とふと言われたのをきっかけに、事態はこれまでがウソのようにはスルスルと進んでいきました。確かに折本ならルールブックから俳句用紙、お絵かきシートまで紙一枚でまかなえるわけです。箱も要らないし、もともとそんなに大きいゲームでは有りませんから。


<100円である理由>


ゲームマーケットでよく言われたのが「100円!?ホントですか?」でした。正気ですかとも言われたのですが正気です。そもそも、折本という仕組みを使った時点でこのゲームはPnP(プリントアンドプレイ。紙に印刷して遊ぶ形式のゲーム。以下PnP)という形式で無料で世に出すつもりでした。ここまできて


「あ、ゲムマに出すんやった」

と思い出し、さてゲムマどうしようと考えるようになりました。こういう内容のゲームなのでゲムマとPnPで遊ぶ人の間に差異を設けてはいけない、という思いが強くありましたので、出来上がったものを実際にコンビニで印刷したら四人分で大体100円だったので、合わせてゲムマは100円にしようということです。実際箱もコマも無い紙だけのゲームなので、やってみると費用はあんまりかからないんですね。というわけで「なんで100円なのか?」に対する答えは「100円くらい/個で作ったから」です。

<こういう形>

ゲームマーケットに出すにあたり、どうしてもコンポーネントが豪華でないと受け入れてもらえないのではないか、とか100円で頒布したことで逆にいぶかしむ人が出るんじゃないかとかを当日までずっと悩み続けていました。結果的にはこういう形のものも受け入れてもらえたのかな、と思います。今回ゲムマを巡り、様々な思いが交錯したと思いますが、PnPという選択肢も、決して悪いものじゃないのではないでしょうか。

こういう感じの思いが入ったゲームです。遊んでみてください。100円の割には面白いですから。

スマホの人はここからダウンロードしてくださいませ。↓

https://nobirobeisan.booth.pm/items/1716492


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