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塚本晋也監督が撮る!「街の小さな映画館」

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2015年の『野火』初公開時に全国劇場行脚を行い個性あふれるミニシアターの魅力に触れた塚本晋也監督が、お世話になっている映画館を1館ずつ訪れ動画を撮影し、ミニシアターの魅力を伝え… もっと読む
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「街の小さな映画館」第12回 鹿児島 ガーデンズシネマ

塚本晋也監督が撮る!ミニシアターの魅力を伝える動画「街の小さな映画館」第12回は鹿児島市のミニシアター、ガーデンズシネマさんです! 鹿児島市内の商業施設マルヤガーデンズの屋上庭園を抜けた先にある39席の小さな隠れ家的映画館。2007年より仲間とともに自主上映活動をしていた黒岩美智子氏が支配人をつとめ、2010年に開館しました。 公開された動画では、地元の名産品や手作りの装飾品が並べられた受付、小さな扉の先の映写室、緑豊かな屋上庭園などを辿ります。インタビューでは支配人の黒岩

「街の小さな映画館」第11回 熊本 Denkikan

塚本晋也監督が撮る!ミニシアターの魅力を伝える動画「街の小さな映画館」第11回は熊本市のミニシアター、Denkikanさんです! 活動弁士として活躍していた窪寺喜之助氏により1911年(明治44年)に創業した歴史ある映画館。戦時中には地下が避難所となったといいます。代々家族で受け継ぎ現在の代表は4代目の窪寺洋一氏。2003年には映画館として初めて日本映画批評家大賞特別賞を受賞しました。 公開された動画では、アート作品が飾られたスタイリッシュなロビー、こだわりのドリップコーヒ

「街の小さな映画館」第10回 別府ブルーバード劇場

塚本晋也監督が撮る!ミニシアターの魅力を伝える動画「街の小さな映画館」第10回は別府市唯一のミニシアター、別府ブルーバード劇場さんです! 1949年(昭和24年)創業の老舗の映画館。館長の岡村照氏は1931年生まれ。高校3年生のときからチケット売り場に座り、90代となった現在も現役で切符売りから映写までを切り盛りしています。照氏の人柄に魅了され、多くの映画人が愛してやまない劇場です。『野火』の初公開時には1918年生まれの映画看板絵師、松尾常巳氏(2020年逝去)が絵看板を手

「街の小さな映画館」第9回 大分 シネマ5

塚本晋也が撮る!ミニシアターの魅力を伝える動画「街の小さな映画館」第9回は、大分市内唯一のミニシアター、シネマ5さんです!閉館する映画館を館名もそのままに継承するかたちで昭和最後の日である1989年1月7日に開館した映画館。代表の田井肇氏は地域の映画・映像文化を担う組織が中心となって構成されるコミュニティシネマセンターの代表もつとめています。初公開時、『野火』を自主配給することにした塚本監督が同団体主催の「全国コミュニティシネマ会議」(全国各地で映画上映を行っている人たちの情

「街の小さな映画館」第8回 豊岡劇場&エール動画

塚本晋也が撮る!ミニシアターの魅力を伝える動画「街の小さな映画館」第8回は、兵庫県北部・但馬地域唯一の映画館、豊岡劇場さんです!日本で最後の野生コウノトリの生息地で名湯・城崎温泉を有する豊岡市。その中心市街地に位置する豊岡劇場は、昭和2年(1927年)に芝居小屋として開館。2012年に一度閉館しましたが、現在の運営チームが2014年に再開させました。映画監督としては塚本監督が最多で訪れています。 「街のインフラ」且つ「文化的施設」としての〈「場」をつくること〉を目的に運営を

「街の小さな映画館」第7回 横浜シネマ・ジャック&ベティ

塚本晋也が撮る!ミニシアターの魅力を伝える動画「街の小さな映画館」第7回は、は昨年 2021 年に開館 30 年を迎え、現在 30 周年企画映画『誰かの 花』が全国順次公開中の横浜シネマ・ジャック&ベティです! 横浜・黄金町に 1991 年 12 月 21 日に前身の「横浜名画座」(1952 年 12 月 25 日開館)を引き継ぐかたちでオープン。もともとは終戦後に米軍の飛行場として使用されていた土地でした。2005 年までは向かいに姉妹館の「横浜日劇」も営業しており、『私

「街の小さな映画館」第6回 深谷シネマ

塚本晋也が撮る!ミニシアターの魅力を伝える動画「街の小さな映画館」第6回は、故・大林宣彦監督が名誉館長をつとめた埼玉県の深谷シネマです!深谷シネマは元禄7年より平成16年まで300年の歴史を誇った七ツ梅酒造の跡地で酒蔵を改装した映画館。また、渋沢栄一の故郷としても知られる深谷市は深谷フィルムコミッションの協力により多くの映画やTVドラマのロケを行っており、『野火』でも野戦病院爆発の大掛かりな仕掛けを必要とするシーンなど、さまざまな重要なシーンが深谷で撮影されました。 公開さ

「街の小さな映画館」第5回 名古屋・シネマスコーレ

塚本晋也が撮る!ミニシアターの魅力を伝える動画「街の小さな映画館」第5回は、1983年に故・若松孝二監督がオーナーとなり立ち上げた映画館。名古屋・シネマスコーレです!主ににアジアと日本の新しい才能をいち早く発掘し紹介する場として、積極的にインディーズ映画を上映しており、塚本監督とは89年の商業デビュー作『鉄男』からのおつきあい。上映のみならず同作のアジアへの紹介にも尽力いただきました。 (ちなみに『野火』公開時の“塚本晋也、皆さんに会いに行きます” キャンペーンと題した全国

「街の小さな映画館」第4回 川越スカラ座

塚本晋也が撮る!ミニシアターの魅力を伝える動画「街の小さな映画館」第4回は、明治38年に寄席として創業した埼玉県で現在営業している映画館のうち最も古い映画館。シアター内は山田洋次監督最新作『キネマの神様』に登場する映画館”テアトル銀幕”のロケ地にもなっている川越スカラ座です! 支配人の舟橋一浩氏と番組編成担当の飯島千鶴氏のインタビューに加え、人力車の走る街並みから、劇場を支える大勢の賛助会員の名を記した壁一面の木札、昔の面影そのままの秘密基地のような映写室と情緒あふれるレト

「街の小さな映画館」第2回 シネマテークたかさき & 第3回 高崎電気館

塚本晋也が撮る!ミニシアターの魅力を伝える動画「街の小さな映画館」第二弾は、高崎映画祭が母体となって立ち上げたNPO法人たかさきコミュニティシネマが運営を担うシネマテークたかさきと高崎電気館の2館です! 高崎映画祭の創設者である故・茂木正男さんの意志を継いだ現・高崎映画祭のプロデューサーでシネマテークたかさき総支配人かつ高崎電気館館長でもある志尾睦子さんのインタビューに加え、ベテランから新進気鋭の作家まで多くの映画人のサインで壁中埋め尽くされたシネマテークたかさき、昭和にタ

「街の小さな映画館」第1回 渋谷・ユーロスペース

塚本晋也が撮る!ミニシアターの魅力を伝える動画「街の小さな映画館」第一弾は、『野火』のメイン館であり、毎年終戦記念日に『野火』を上映してくださっている東京の渋谷・ユーロスペースです! 北條誠人支配人のインタビューに加え、映画館の外観からゆっくりとシアター内をたどり、普段は覗くことのできない映写室の内部まで、ユーロスペースの魅力を存分に楽しむことができます! 第1回 渋谷・ユーロスペース 【塚本監督からユーロスペースへ】 20代のころ、『ヴィデオドローム』や『エレメント・

ミニシアターの魅力を伝える動画by塚本晋也「街の小さな映画館」

2015年に公開した『野火』で全国80館以上の劇場を行脚し、個性あふれるミニシアターの魅力に触れた塚本監督が、お世話になっている映画館に1館ずつ足を運び、その横顔を撮影した動画をYouTubeに順次アップしていきます! 多くのボランティアスタッフとともに完全自主製作により完成した塚本晋也監督の『野火』は、毎年終戦記念日を中心にアンコール上映を行い今夏7年目を迎えますが、初公開の2015年、塚本監督自身が代表をつとめる海獣シアターの自主配給により全国のスクリーンにかかることと