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タバコが吸える飲食店の現在

僕は昭和53年生まれの47歳です。18歳から紙巻きタバコを吸い始め、
喫煙歴約30年になります。禁煙に成功した事はありません。

僕がタバコを吸い始めた頃は、飲食店で当たり前に灰皿が置いてありました。タバコを吸い始めた当時、千葉に住んでいたのですが、JR総武線の船橋駅ホームに灰皿があったのを覚えています。

20年が経った令和の現在、タバコは唾棄のように忌み嫌われ、社会から排除されようとしています。

2003年、路上喫煙禁止条例により、東京23区その他の地域でいわゆる歩きタバコが禁止されていきます。

2018年公布の健康増進法を経て、2020年4月公布の改正健康増進法により、屋内施設は原則禁煙となりました。

2020年4月以降に開業した飲食店は、基本全て全面禁煙か、分煙、喫煙可能室の設置の選択を迫られるようになり、実質、飲食店の席でお酒を飲みながらタバコを吸う事が不可能になりました。

僕は喫煙者なので、酒飲んだらタバコ吸いたいのが当たり前です。
では、2021年4月以降タバコが吸える飲食店にはどのような決まりがあるのでしょうか。
そこを紐解いて解説していきます。

①飯を食いながらタバコが吸える場所とは

現在タバコが吸える飲食店の条件として、
・2021年4月前に開業していて
・資本金が5000万円以下
・客席が30坪以下

以上の条件を満たし、「全面喫煙可」、「20歳未満立入禁止」等を掲示する事で、屋内の喫煙が可能になります。老舗の喫茶店、町の小さな食堂(既存特定飲食提供施設といいます)が現在でも、タバコが吸えるのはこの基準に則ったものと言えます。

この基準をクリアした飲食店は「喫煙可能店」と呼ばれます。

では2021年4月以降に開業した飲食店はどうでしょう。
基本的には、分煙、禁煙のどちらかを選択する事になるのですが、一部例外があります。

それは喫煙を主な目的とするバー、スナック、シガーバー、いわゆる大人の社交場は、2021年4月以降も席でタバコを吸う事が出来ます。
主食以外の食事の提供も許されています。

この基準を「喫煙目的室」と呼びます。

また、経過措置として既存特定飲食提供施設に該当する飲食店は、自治体に申請をしてタバコの煙が外に出ないよう措置をとれば、喫煙可能店と認められる事もあります。

ただ条件の一つに「従業員がいない事」というのがあるので、ほぼ個人経営の小規模店舗に限られるため、条件はかなり厳しいといえるでしょう。

②喫煙可能店が増えている現状

上記の条件を考えると、通常の居酒屋、レストランは席でタバコが吸えない事がわかります。

しかし、夜の繁華街を歩くと「席でタバコ吸えます」と看板に書いてある居酒屋、バルがいくつも見受けられます。
明らかに個人店とは思えない規模のお店で。

喫煙者の僕は有難いのですが、これはどういう事なのでしょうか。

通常の飲食店は、第二種施設、ビルや病院などは第一種施設に分類されます。これ以外に「喫煙目的施設」というカテゴリがあります。公共喫煙所、喫煙エリアを設けたタバコ販売店のほか、シガーバーというのがあります。

シガーバーは、利用者に対面でタバコを販売し、喫煙所を設けることが主な目的であり、同時に軽食を提供するものです。

タバコの対面販売、喫煙が主な目的の為、シガーバーは製造タバコ小売販売業者の資格を持っています。この小売業者販売が、法の抜け穴になります。

というのも、この製造タバコ小売販売業者には、出張所販売の形が認められています。飲食店が、知り合いのタバコ屋に自分のお店を出張販売所としてほしいと申請を出し、許可されればその店は立派な喫煙目的店となるのです。

喫煙可や20歳未満入場禁止のステッカーも公的に交付されるものではなく、自分で作成してもよいとなっています。

③これからの飲食店とタバコの関係

冒頭に書いたように、日本はタバコを規制する強い動きがあります。
その為、タバコが吸える飲食店、特に夜お酒を提供するお店にとって、タバコが吸える事がプラスに働いているのは間違いないです。

既存特定飲食提供施設への措置期間は、いずれ第二種施設も禁煙にするという意味の為ですが、いずれ2020年4月以降に開店した飲食店は、すべて禁煙になる、とは僕は思いません。

需要あれば供給あり、食事しながら、特に酒を飲みながらタバコ吸いたいという人はしばらく減る事はないでしょう。
実際食べログでも「喫煙可」という検索カテゴリがある位です。

また、目的店の出張販売所申請も、そんな都合よくタバコ屋の伝手がある人ばかりではないと思います。
ただでさえ町からタバコ屋が無くなってきている今日この頃です。

嫌煙ブームが加速した結果、路上喫煙禁止を経て厚生労働省は改正健康増進法を出さざるを得なくなった、そういう流れだと思います。

大手の喫茶店やレストランはコンプライアンスもあり、禁煙、分煙をせざるを得なかったと思いますが、小規模店舗はタバコが吸えるかが売上に響きます。

改正健康増進法を出した当初は、様々な申請や動きがあったと思いますが、
時間が経つにつれておざなりになっていくのではないでしょうか。
厚生労働省もいちいち取り締まる時間もないでしょうから。

僕個人としても、タバコを吸いながら酒を飲みたいと思います。
一人の酒飲み、喫煙者として、グダグダの現状が続く事を願います。

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