部落差別問題とは 前編
20年前、図書館で勉強をしていた時に、ある本を手に取った事があります。
その本には「部落解放運動」と書かれていました。内容は「部落」に住んでいる人に対する差別が書かれてました。
当時は知識がなかったのと、ネットで検索する環境がなかった為、深く理解する事が出来ませんでした。
今回はその宿題を解いていくつもりで、部落差別問題について一筆書いていきたいと思います。
①そもそも部落差別問題とは
部落差別問題に繋がる身分による差別は、室町時代からあったと言われています。部落差別問題とは、様々な歴史的身分制度に基づく身分差別により、現在も一部の人が社会的に差別を受け続けている人権問題です。
被部落差別出身、被部落差別に住んでいる事を理由に結婚を断られたり、就職などの社会活動で差別を受けている事が問題になっています。
部落差別問題の原因の始まりは、徳川幕府の身分制度である士農工商が始まりであるというのが通説です。、農家、商人、職人に組み込まれなかった身分に穢多、非人がありました。
穢多は動物の屠殺や、その革を使った製品を作る事、罪人の処刑など、いわゆる「穢れ」に関する事を生業という人、ホームレスや犯罪者、障害者を非人と呼び、どちらの身分も居住地も強制的に定められていました。
この穢多、非人が居住していた地域を同和地区(被部落差別)といい、同和地区出身の人や、祖先が同和地区出身者である事を理由に、差別を受ける事が現在まで続いているのです。
②部落差別解決に向けた動き
江戸幕府が終焉し、自由平等思想が高まった明治政権下では江戸幕府化の身分制度を廃止し、明治4年に「太政管布告(いわゆる解放令)」を発布し、
それまで差別されてきた人々を「新平民」と区分し、制度上の身分差別をなくしました。
しかし、人々に対する啓発や、新平民に対する処置を行わなかった事で差別意識は依然として解消されず、またそれまで穢多、非人の身分の人が担っていた屠畜、皮産業が近代産業を有する企業にとって代わられる事で、多くの被差別部落民は職を失ったり、それらの企業の下請けしか職が無くなり、貧富の差は広がるばかりでした。
明治政府が発布した解放令の背景には、国民全員から税収を上げる事がありました。江戸幕府時代に税をかけていなかった被差別部落からも税収を上げる為、制度上平民扱いをする事が先の目的であったと言われています。
また、解放令が出る時、欧米が明治政府に「キリスト教を認め、すべての人々を平等に扱うべきである」と要求しており、解放令が必ずしも美部落差別解消の為に発布されたものではない事が伺えます。
本格的な非部落差別運動が始まるのは、大正デモクラシーからなのですが、後編ではそのあたりからまた調べていこうと思います。