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びわコラム〜その4 経験

数時間が経過し、ようやく空間に慣れ、声を出すことにも慣れ、一度やってみたかった揉み手をすることもできるようになってきた。
威勢良く

「いらっしゃいませ!」

なんていう落語に出てきそうなあきんどの様なイメージだ。あと必要なのは、いかに自分の営業でビワを売ることができるかだ。兄が接客しているお客様の方が購入につながっている。もちろん販売経験の差は歴然である。兄にあって自分にないものばかりだが、明確なそれが何なのかを考えた。
それは、実際にビワの栽培に携わっていない、収穫もしていないという知識と経験の差なのだろうか。美容師としてもどれほどそのデザインに想いがあるか、練習をしてきたか、勉強をしてきたかが提案するときの自信のある言葉、声のトーンにつながると考える。

言ってしまえば、どれほど経験したかが物を売る、デザインを売るというところの結果につながるのだろうか。表情や声色ににじみ出る自信と、人に伝えるための「言葉」の選択が物を購入するという確率を上げていくのかもしれない。

美容師として日々お客様の髪の毛をデザインし、そしてスタイリング剤やヘアケア剤を提案し販売をする。これは世の中様々な仕事はあるが、美容師もまた営業職の一つである。日々、営業なのだ。説得力を持たせるために日々勉強し経験していくその積み重ねの様な気がする。潜在的に能力のない自分の様な人間が営業で結果を出していくためには、多くの積み重ねが必要なのだとこの数時間の試食販売を通し痛感した次第だ。

人に物を売るということが難しいことであり、面白いということを。

つづく


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