墓じまい

2年ほど前に最近はやりの墓じまいをしました。祖母の代に使用権を購入した墓地は、墓地埋葬等に関する法律が施行される以前から地域で墓地として利用されていました。地域の方の管理なので、随分昔の話ですが墓地を拡張しようとして近隣住民とトラブルになったり、年2回の草刈りや清掃に参加しなかったときに高額な清掃代を支払わされたり、私としては管理方法に問題を感じていました。さらに外壁が壊れたので修理代を支払うように要求されそうになったため墓じまいを決心しました。

以下の手順で墓じまいを行いましたので参考になればと思います。

1 お寺の納骨堂の購入申し込み

2 工事業者の選定

3 工事業者との打ち合わせ

4 墓地管理者との打ち合わせ・承諾書に押印

5 工事業者と墓地管理者の打ち合わせ

6 納骨堂購入(正確には使用権の購入)

7 福岡市に改葬許可申請・許可

8 解体前の供養

9 墓所解体工事

10 遺骨の引渡し

11 納骨(許可書提出)

 お寺は祖母の代からお世話になっている某院にお願いしました。購入前に納骨堂の見学をしました。

 工事業者は以前にお取引いただいた会社を選択しました。適正な価格で施工していただいたと思っています。墓地管理者とのやりとりもスムーズなようでした。聞いた話によれば、砕いた墓石を供養する必要があるからなどと理由をつけて通常の工事費より高額とも思える代金を請求する業者もいるようなので、相見積もりを取るなどした方がよいかも知れません。

 墓地、埋葬等に関する法律には改葬(この場合はお墓に納めた焼骨を納骨堂に移すこと)に関して市町村長の許可が必要である旨規定されています(法5条)。参考に福岡市の改葬許可申請について貼っておきます。

https://www.city.fukuoka.lg.jp/hofuku/seikatsueisei/life/kurashinoeisei/kaisou.html

 許可は必要書類を提出して30分ほどでいただきました。他の許認可と比べると早いと思います。

 なお、許可申請に当たっては、現管理者に「埋(収)蔵証明」をいただく必要があります。この点はトラブルにならないように気をつかいました。

 許可に関しては工事業者はあまり関心がなかったし、お寺に許可書をを提出しても反応が薄かったので、この法律を知らない関係者は多いのかもしれません。但し、無許可で改葬すると罰則があるので墓じまいに当たっては法令遵守の観点から許可を受けるべきです。

 当家の墓じまいは比較的スムーズに完了しましたが、平成30年12月から手続きを進めて終了したときには令和元年5月になっていました。ケースによってはもっと時間がかかるかもしれません。

 墓じまいが注目を集めています。手続きがよくわからない、トラブルに巻き込まれるのが心配などという方は最寄りの行政書士事務所にお問い合わせください。 

 

 



 

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