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小寺の論壇:「巣ごもり需要」にテレビは対応できるか

コロナ第5波もなかなか終息の兆しが見えないところだが、ワクチン接種の段取りもなんだか後手後手に回っていて、ワクチンには余裕があると言いつつも実際には予約も取れないという、妙なことになっている。東京では予約不要のワクチン接種会場に長蛇の列ができるなど、若者がワクチン接種を拒んでいるという話でもないように思う。

リモートワークもかなり長期化しており、ほとんど出勤がなくなっているという人もいることだろう。筆者もメーカーさんにリモート取材や打ち合わせなどする機会も多いが、ほとんどの人が自宅からの出席だ。またZoomや電話での打ち合わせでは、開始が18時といったリクエストも来るようになり、働く時間がかなり自由になっている。

そんな生活の中で、テレビ視聴にはどのような変化があるのだろうか。株式会社インテージでは、ネットに繋がるスマートテレビを対象に視聴ログを収集しており、2020年と2021年の比較データが公開されている。

・コロナ禍におけるテレビ視聴行動 おうち時間の増加でテレビの見かたはどう変わった?https://www.intage.co.jp/gallery/tv2021/

調査期間が今年5月までなので、今回の第5波のデータがないのだが、第4波までの相関関係はわかる。これによれば、やはり感染者数が増えれば視聴時間が増えるという関係になるようだ。

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・新型コロナウイルス新規感染者数とテレビ機器の試聴時間の推移
(出典:「インテージ 知る Gallery」2021年8月10日公開記事)

感染者数増加の関心は高く、傾向をいち早く報道で知ろうとするアクションが起きて当然だろう。第1波の時にはテレビもかなりセンセーショナルに報じており、高視聴をキー部している期間が長い。

続いて第2波の際には、だんだん視聴者も慣れてきたのか、多少の増加傾向にとどまっている。それどころか、巣ごもり需要と言われた2020年秋ごろに、テレビ離れが加速している。家にいるからといって、単純にテレビを見るようにはなっていないという事である。

一方第3波の際には、実際に感染者数が増加する前に視聴増加のピークがある。ここはそもそも年末年始ゆえに視聴率が高まる時期なのだが、実際に感染者が増得ている時期の視聴は伸びておらず、感染者増のニュースにあまり食い付かなくなったという傾向が見て取れる。

さらにこの頃から、悪戯に「過去最高」を連発する報道はどうなのか、という疑問が呈されてきた。確かに感染者数は爆増したが、水曜日としては過去最高とか、なんとしても過去最高と言いたいだけみたいな報道が相次いだ。

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