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小寺の論壇:教員免許更新制廃止に、保護者は納得できるか

教員免許更新制度とは、教員免許に10年の期限を設け、更新の際に講習の受講を義務付けるという制度である。2009年の第一次安倍政権下で導入されたが、今年文部科学省は廃止の方向で調整に入ったようだ。7月10日の毎日新聞がスクープとして報じている。

・教員免許更新制廃止へ 文科省、来年の法改正目指す 安倍政権導入
https://mainichi.jp/articles/20210710/k00/00m/040/287000c?cx_fm=mailsokuho&cx_ml=article

理由としては、更新時における講習の義務付けが重すぎる、講習が役に立っていない、更新を忘れて失効するなどの問題があるためだという。

自動車免許を持つものとしては、免許に期限があり、役に立つのか立たないのかわからない講習を自費で受け、しかもゴールド免許でさえ更新は5年に1度である。教員免許という、自分の職業に直結する免許に対して、10年に一度の講習ぐらいがまんせえよ、という思いはある。

教員免許更新制度は、先生にはメリットがないのは当たり前だ。運転免許だって、1度取ったらずっと有効なのがいいに決まっている。更新制度は、その免許によって利害が発生する「他者の保護」にあるのだ。

定期的な免許更新があることで、学校側は教員免許の確認行為にもつながるだろう。これまで教員免許が失効しているのに採用し、何年にも渡って教鞭をとったあげく、わいせつ行為を起こしてはじめて失効が明らかになった例もある。それなら免許更新は4年ぐらいにして、転勤のたびに確認するぐらいのことでもいいように思う。

■講習は本当に不要なのか

6月30日読売新聞の報道だが、文科省では教職課程でICT教育科目の履修を義務付けるという。

・文科省、教職課程でICT教育科目の履修を義務付けへ
https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20210630-OYT1T50121/

は? 今頃何いってんの?って話である。GIGAスクール構想によって、2020年度から日本中の小中学校でネット端末が導入されているのはとっくにわかっていた、というか文科省が自分たちで決めたことであり、それに合わせ2020年度から教壇に立つ先生は全員履修済みで卒業させるぐらいの計画性も持ち合わせていないのか。そういうのはすべて大学と現場任せだったのだろうか。

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