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小寺の論壇:オジサンほど3Dで音楽を聴くべき理由

2019年にローンチしたAmazon Music HDでは、ハイレゾ配信とともに3Dによる音楽配信が始まった。当初は再生できるものがEcho Studioしかなく、3Dなのに広がりに欠けるという(ここ、膝を打つとこですよー)ことになっていた。

だが今年6月にApple Musicでも「空間オーディオ」として3Dの配信を開始した。すでに空間オーディオは、Apple TVのDolby Atmosの動画コンテンツから対応済みだったので、それを音楽まで拡張した格好だ。

個人利用なら、どちらも月額980円。Appleに合わせてAmazonが追加料金を廃止したため、価格が横並びとなった。これまでAmazonの一人旅であったところに仲間が増えたことで、興味を持つ人も増えてきた印象がある。

筆者宅ではEcho Studioが出た時点で1台購入し、3Dオーディオを楽しんできたが、先日2台目のEcho Studioを購入し、現在はステレオペアで3Dという贅沢環境となっている。

1台でも3Dはたしかに実現できるのだが、どうしても点から広がってる感があり、音像が小さいというのが弱点であった。しかしこれがステレオペアになると、面から立体音響が広がる感覚となり、さらにスケールの大きな3Dオーディオが展開できる。

Echoのオーディオ設定の中に「ステレオ空間エンハンスメント」という項目があり、これがONだと若干定位がにじむが広がり感重視、OFFにするとソリッドな立体音響となる。ステレオペアで使っている場合は、片側の設定をいじるともう片側も勝手に連動するので、左右で設定が崩れるということがない。このあたりのこなれ感は、他社にはなかなかないノウハウだ。

■3Dは旧作が面白い

Amazonの3Dオーディオは、気がつくとあらこれも、といった具合に広がりを見せている。特にソニー・ミュージック所属の海外アーティストは、新作が3Dで出るものが多い。つい先日、あのドゥービー・ブラザーズが11年ぶりの新作「Liberte」をリリースしたが、これもAmazonでは3D配信だった。

またライブ音源は最初から3D収録すればいいということもあり、挑戦するアーティストも多い。リアム・ギャラガーの「MTV Unplugged」も3D配信されている。

だが個人的におすすめしたいのは、こうした新作ではなく、むしろ旧作の3D化のほうがオジサン的には面白いはずだ。これはもう間違いない。

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