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小寺の論壇:テレビマンはオリンピックをどう見たか
毎週小寺信良が、知財、IT産業、ネット、放送、買ったもの、ライフハックなど、コデラの気になるところを語ります。
7月23日のオリンピック開会式は、皆さんご覧になっただろうか。競技には興味なくても、毎回趣向を凝らした開会式だけは見るという方もいらっしゃるのではないだろうか。
過去のオリンピックで色々思い出すものも多いが、テレビの仕事をしてきた筆者からすると、普通の人が体験していない別格の思い出もある。今日はつらつらとそんな話をしてみたい。
仕事がらみのオリンピックとして最初の記憶は、1984年のロサンゼルスオリンピックである。テレビ関連のポストプロダクションに就職して2年目で、そこそこ番組も任され始めた時期だった。だがこの夏はオリンピック放送の特別編成のため、レギュラー番組がなくなり、オリンピック関連のニュースに駆り出された。
開会式で登場したロケットマンも、リアルタイムではなくニュース用の素材で見た。自宅でリアルタイムでは一度も観戦していないのに、素材としてはひと通り見たという、変わったオリンピックとなった。
このときのオリンピックのテーマ曲はジョン・ウィリアムズ作曲で、今でも記憶に残る楽曲である。実はこのとき、LAオリンピック公式アルバムというタイトルのレコードがリリースされている。各スポーツごとにテーマ曲が作られており、アメリカを代表する著名ミュージシャン、ラヴァーボーイ、ジョルジオ・モローダー、ボブ・ジェームス、クリストファー・クロス、TOTOらが楽曲を提供しており、「80年代のアメリカ」が詰まった、なかなか聴きごたえのあるアルバムだった。
確か秋葉原の石丸電気でLPレコードを購入したと思ったのだが、探してみると手元にない。たぶん売ってしまったのだろうが、惜しいことをした。
■初めてのハイビジョンオリンピック
1988年のソウルオリンピックは、NHKへ移籍して2年目の年である。その頃は首都圏向けの朝のニュースを担当していたが、オリンピックで放送枠がなくなるということで、当時編集を担当していた4人のメンバーのうち2人が外に出された。
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