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小寺の論壇:耳を塞がないイヤホンは、トレンドになるか

知財、IT産業、ネット、放送、買ったもの、ライフハックなど、コデラの気になるところを語ります。


先週のAV Watchのコラムでも取り上げたところだが、今年は耳をふさがない系のイヤホン・スピーカーの当たり年になりそうだ。

・“耳を塞がない”ブーム爆発! ビクター「HA-NP35T」とOladanceをテスト
https://av.watch.impress.co.jp/docs/series/zooma/1419027.html

「耳を塞がない」はトレンドに乗せるにはちょっとキャッチーさに欠ける。かといってオープン型と言ってしまうと、ヘッドホンにおけるエンクロージャ方式と混同される恐れがあるため、詳しい人ほどしっくりこない。何か専用の呼び方が必要になるだろう。

火付け役として覚えておきたいのは、2020年12月に販売が開始されたShokzの「OpenComm」である。ちょうどコロナ禍でリモート会議が流行り始めた時に登場した、通話向けの骨伝導イヤホンだ。

・Shokz 「OpenComm」
https://jp.shokz.com/products/bone-conduction-headphone-opencomm

それまで骨伝導は、フィットネス文脈で語られるものであったため、フィットネスに関心がない人たちには響かなかった。だが機能を通話専用機として振り切ることで、爆発的にウケた。

家庭内では、周囲の音が聞こえる事は重要である。なぜなら、子供が泣いている、お湯が沸いた、宅急便が来たなど家庭内で起きることは、大抵は自分が処理しなければならないわけで、ノイズキャンセリングしていたら大事故に繋がる可能性もあるからだ。

だがオーディオ品質の骨伝導用アクチュエータは開発が難しく、部材が市販されているわけではない。そこで入手しやすい従来型のスピーカードライバを使って、これを耳の近くで鳴らせばなんとかやれるんじゃないか、という動きになったのが今年に入ってから、という流れである。

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