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スマートフォンにAIが進出。「ZeppFlow」が行きつく先は

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先月、スマートウォッチの大手Amazfitが、世界初となるGPT-4oを搭載して音声操作を可能にするサービス、Zepp Flowの提供を開始した。新モデルリリースではなく、一部上位モデルに対するアップデートという格好だ。

直接対応するのは、Amazfit Balance、Amazfit Active、Amazfit Cheetah Proの3モデル。なお以下の3モデル、Amazfit T-Rex Ultra、Amazfit Cheetah、Amazfit Falconも対応するが、ウォッチ側にマイクがないので、別途ワイヤレスマイクをBluetoothで接続する必要がある。

筆者はたまたまAmazfit Cheetah Proを持っていたので、8月上旬にアップデートして実際に使ってみた。スマートウォッチにAIが載ることで、使い勝手はどうなるだろうか。

■何ができるのか

今回のアップデートでは、スマートウォッチ側のOSのアップデートと、スマホアプリ「Zepp」側のアップデートが必要だ。かなり大きなアップデートで、特にスマートウォッチ側は時間がかかるので、フル充電するか電源に繋いでアップデートする。加えてウォッチ側に、ZeppFlowアプリをインストールする必要がある。

スマホアプリ側でウォッチにアプリをインストール

全体像としては、スマートウォッチ上に音声インターフェースとしてZeppFlowが提供され、実際の処理はBluetoothで接続したスマートフォン側で行なわれる。つまりウォッチ単体で持ち出している時、例えばランニング時にウォッチだけ身につけて走るようなケースではAI機能は使えないというわけである。

AIの起動は、スマートウォッチ側でタップしてアプリを起動するか、リューズを長押しして起動するかの2パターンとなる。音声の認識力は非常に高く、聞き取り間違いはほぼないレベルだ。このあたりの精度の高さは、GPT-4oによるものだろう。

スマートウォッチにアプリが追加される

現時点でZeppFlowにできることは、かなり限られる。実はこれまでも、Alexaとの連携は可能だったので、音声コマンドを使用して別の機器を動かすといったことはできた。ただスマートウォッチ本体の機能を音声で操作できなかった。今回のAI対応は、前者を諦めて後者を選択するという格好になる。

できることとしては、ワークアウトやスポーツモードの起動、明るさ、音量といったウォッチの設定変更がある。例えば「シアターモードに変更して」は可能だ。だが、「シアターモードをOFFにして」と言うと、「すでにシアターモードはOFFになっています」と返答する。実際にはまだシアターモードのままだ。どうもONにすることはできても、OFFにすることは苦手のようだ。

画面下に球体のマークが出ている時が聞き取り状態

同様にアラームのセットも音声で可能だが、セットしたアラームを音声で削除することができない。ウォッチには10個のアラームしか設定できないので、こまごま設定していると、あっという間にいっぱいになってしまう。

アラームの設定はできるが…
アラームの削除はできない

ただ、ウォッチをいじらずにアラームを設定できるのは地味に便利だ。運転中でも、前方から目を離さずに今日のスケジュールに対応するアラームをセットできる。現時点では一番多用している機能だ。

次に便利なのが、タイマーのセットだ。タイマー機能には、1分、3分、5分、10分、30分、60分のプリセットがあるが、それ以外の時間をセットするには画面の操作が必要になる。例えば調理中に8分のタイマーをセットしたくても、濡れた手では上手く動かないこともある。こうした中途半端な時間が、音声だけで一気にセットできるのは便利である。

■現時点での限界

そのほかにもAIらしい機能としては、天気予報を呼び出したり、スケジュールを表示させたりと、元々ウォッチにあるデータを音声で表示させることができる。

ただ、手で操作してもたいした手間ではないことを、音声でやることの意義はどこにあるのか、という答えが見つからない。

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