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小寺の論壇:ナチュラルに起こる高齢者の自動車事故、どう解決する?


高齢者による車の事故が、後を絶たない。多くの人の記憶に残るのは、2019年の東池袋暴走母子死亡事故だろう。これは昨年9月に、90歳の被告に対して禁固5年の実刑判決が出ているが、90歳の老人が実際に刑期満了できるのか、そもそも交通刑務所に収監できるのか、不明である。

・池袋暴走母子死亡事故 90歳被告に禁錮5年の実刑判決 東京地裁(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210902/k10013238711000.html)

当初被告は、アクセルとブレーキの踏み間違えではないと主張していた。しかし、車に異常がないことが証明され、逆に「踏み間違えたことにも気づけない」ほどの高齢にも関わらず、車を運転していた事になる。

宮崎でも2015年に、大事故が発生している。鹿児島から軽自動車で乗り付けた高齢者が、歩道を700mも暴走した。この通りは全長900mの直線なのだが、そのおよそ80%を歩道上で走りきり、横転するまで止まらなかったことになる。

・車が歩道暴走6人はねる 宮崎駅前を700メートル、2人死亡
(https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG28H9F_Y5A021C1CC1000/)

高齢者の免許自主返納制度はすでに1998年より実施されているが、池袋の事故以来、返納者は増加傾向にある。ただ、都市部は交通に代替手段があるが、田舎になるとそういうわけにはいかなくなる。徒歩で行ける範囲にスーパーが1つもないということは、普通にあり得るのだ。

こうした結果、高齢者の運転事故も、田舎にとってはだんだん身近なものになりつつある。5月19日に起こった、高齢者男性のブレーキ・アクセル踏み間違い事故は、筆者宅最寄りのコンビニで起こった。

・宮崎 コンビニに高齢者運転の軽乗用車が突っ込む けが人なし(https://web.archive.org/web/20220519115638/https://www3.nhk.or.jp/lnews/miyazaki/20220519/5060012498.html)

幸いにしてけが人はなかったが、突っ込まれて破壊された入り口ドアは未だ修理が完了しておらず、木枠とフィルムで応急処置されたままだ。

高齢者事故によって破壊され、応急処置されたままのドア

そして先日5月25日、今度は筆者が車で走行中に、逆走した車に対面した。

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