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小寺の論壇:KINESIS Advantage2の進化がすごかった

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前々回のご挨拶で、10年間愛用したエルゴノミクスキーボード、KINESIS Advantageが壊れた話をした。過去のメールを調べてみると、これを買ったのは2012年5月8日、Amazonから27,980円で購入したものだった。「ご挨拶」では4万円ぐらいと書いたのだが、実際はもっと安かった。お詫びして訂正する。

さて筆者は文章を構成する際に、SHIFT+矢印キーの押しっぱなしリピート入力にて、文章ブロックを範囲選択することが多いのだが、リピートしている最中に数字の「6」が入力されてしまい、選択した文章がただの「6」になるという、わりかし致命的な故障である。

それも毎回確実に起こるわけではなく、5回に1回ぐらいなので始末が悪い。KINESIS Advantageは通常のキーボードと違い、キーボード本体だけでキーのリマップやマクロが組めるマイコンが搭載されている。このマイコンがエラーしているのかもしれないので、ハードウェアリセットも試みたが、改善しなかった。

この際、普通のキーボードに戻すかと思い、しばらく使ってみたのだが、やはりどうも楽しくない。日本の公式代理店サイトで税込44,748円と、前作からだいぶ値上がりしているのだが、確定申告の還付金も出たことだし、新しいものと買い換えることにした。

新しく購入したのは、基本的には同じものではあるのだが、世代が変わって「Advantage2」になっていた。初代は内部のマイコンがPS/2仕様で、内部回路でUSBに変換していたため、一部のPCで接続に問題があったという。一方「2」ではマイコンもUSB専用のものとなり、内部メモリーも増強されている。

■微妙に変わったハードウェアの仕様

新旧のKINESISを比較してみる機会はあまりないと思うので、デフォルト状態のキーボードをご覧いただこう。(旧KINESISはキートップを入れ替えている)

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・10年使った旧Advantage(初代)

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・新規に購入したAdvantage2

一見してわかるのは、一部のカラーキーの色が青色から水色に変更されているところである。ただこれは実用上大きな違いではない。

キースイッチは、初代も「2」も基本は茶軸なのだが、今回は静音スイッチの赤軸モデルを購入している。確かにキーの音は「カサカサ」といった格好で静かになっているが、このキーボードはボディ内にかなり空洞が大きいので、ボディ内で「カイーン」といった反響音が結構出る。内部に吸音材とか仕込めば、もう少し静かになりそうだ。

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・今回は静音タイプの赤軸モデルを購入

最上段のファンクションキーも、初代はゴムスイッチだったのが、「2」ではキートップと同じ樹脂製になっている。もっとも最上段のキーはそれほど使用頻度は高くないので、使い勝手はそれほど変わらない。

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・最上段の小型キーの材質が変更されている

底面の構造はそれほど変わらないが、初代はケーブルの根元にノイズフィルターがついていた。実はキーボードの場所を変えるたびにこのフィルターがボディの下に入ってガタガタするので、毎回ケーブルを捌いてからキーボードを置く必要があった。ちょっとどかして作業するときなど、割とストレスだったのだ。「2」はこのノイズフィルターがなくなり、ケーブルもスッキリした。この辺りはUSB専用マイコンに変わった恩恵でもあるだろう。

一緒に生えている短いLANケーブルみたいなのは、専用フットスイッチを接続するためのケーブルだ。

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・初代にはUSBハブが付いていた

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・新モデルにハブはなし

初代が良かったのは、背面にUSBハブがついていたところだ。大電力なものは動かないが、ちょっとしたアクセサリならここに繋げられて便利だった。しかし「2」ではこの機構がなくなっている。

■強力なリマップ機能

キー配列を見ると、文字列部分は一般的なQWERTYと変わりないが、記号やコマンドキー関係の配列がかなり変態であることがわかる。

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・デフォルトのキー配列。微妙に日本語入力には使いづらい

例えばCtrlやAltキーは親指で押すようになっているが、これは普通の人には使いづらいだろう。ショートカットで頻繁に使うZXCVは、Ctrlキーの近くだから便利なわけで、離れてると押しづらいものだ。

また日本語入力の場合、スペースキーで変換してEnterキーで確定するので、右手の親指ばかり使うことになる。一方日本語と英語の切り替えのCtrl+スペースは両方が左の親指にあるので、これをどうやって押せと、ということになる。矢印キーも上下と左右が分かれてるのはどうなのとか、マイナスとプラスのキーが離れてるのも変だ。

つまりデフォルトの配列は、日本語入力には向いてないのである。そこで筆者はいつもキーをリマップし、キートップも差し替えて使っている。

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