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地方移住はあり? なし? その成功例に学ぶ (2)

前回からの対談は、宮崎で様々なメディアやPR事業を手掛けている、恒吉浩之さんにお話を伺っている。恒吉さんは、宮崎市内でちょっとイベントやメディア、文化系の話をすると必ず名前が出てくるという、宮崎カルチャーの立役者的な立場の人である。

元々恒吉さんは、宮崎の人ではない。ひょんなきっかけて移住し、数年であっという間に宮崎の文化を回している、そんな立ち位置の人である。今年になって、宮崎県最大の繁華街「ニシタチ」で、自らスナックを立ち上げるなど、奇想天外な活躍を見せている。

「外の人」だからこそ見える宮崎の文化を、仕事に変える。そんな方法論について、お話を伺っていく。


小寺:宮崎っていうと、ニシタチという通りが一番のスナック街で。こないだ調べたんですけど、飲食店が1500軒ぐらいあるらしいんですよ。

恒吉:全体はそうですね。そのうちスナックが700~800軒ぐらいある、という。すごい量ありますね。

小寺:そういう宮崎特有の、スナックをベースにした独自のコミュニケーション文化ってなにか感じられますか? 例えば東京にはこういうのはないな、みたいな。

恒吉:めちゃくちゃありすぎる……というか全然違うかなあ。まず、焼酎が20度、というのが関係してるのかもしれないですけど、みんなダラダラ飲むじゃないですか。それは東京ではあんまりないかな。東京では終電もあるし、というのもあるんでしょうけども。

なので、コミュニケーションが――全然知らない人とも話をするし。なんか……やっぱりユルいですよね。東京だと集まって飲んでる人とだけしか話さないですけども、宮崎だといつの間にか隣の人も巻き込んでみんなワーッとなってて、そのまま次の店に行ったりとか。それがちょっと新鮮。新鮮というか、下手するとお店の人が「一緒に飲みに行こう!」と言って店閉めて行ったりとか、けっこうあったんですよ。

小寺:(笑)。

恒吉:それが衝撃で。あと、店の人が、居酒屋さんなのに、普通に話しかけてきたりとか。東京だとまずないです。

小寺:そうですね。マスターのほうから話に入ってくる、というのは。

恒吉:そうそう。無理やり入ってくるのもあるから! タクシーの運転手もずっと話してるしね(笑)。

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