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編集部から見た「AV Watch20年」の歴史 (1)

今回からの対談は、AV Watch創刊20周年を記念して、現編集長の山崎健太郎さんと、前編集長で現Impress Watch編集長の臼田勤哉さんとの鼎談をお届けする。

AV Watchの創刊は2001年2月13日。今年の2月から3月にかけて、我々ライター陣からは20周年記念記事を寄稿させてもらったのだが、そういえば編集部から見た20年というのは話を聞いてなかった。

Impressには様々な「Watch」があるが、AV Watch編集部はなかなか強力なメンバーが揃っていたように思う。初代編集長の古川敦さんは現「ネタとぴ」の担当責任者、2代目編集長の臼田勤哉さんは現「Impress Watch」の編集長。そのほか一緒に海外取材に行った折本幸治さんは現「デジカメWatch」の編集長だし、折本さんのあと海外取材でよくご一緒した中林暁さんも「家電Watch」の編集長になった。のちにはみんな編集長になるという、出世コースの編集部だったのである。

同時にそれだけ修羅場を潜った編集部であったということでもある。そんな20年を、両編集長に振り返ってもらった。(5回連載予定)

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小寺:このあいだAV Watchが20周年ということで、我々も寄稿させてもらったんですけど。そういえば編集部の人たちに20年を聞いてないなと思って。なんかほら、編集部って自分たちのことはあまり語らないじゃないですか。

山崎:そうですね。語り慣れてないですけどね。

小寺:僕も知らないことがけっこう多いと思うので、聞いてみようかなと思うわけですよ。バックナンバーを漁ってみると、創刊が2001年の2月13日なんですけど、その前の1月26日からプレオープンしてるんですよね。

山崎:そうですね。

小寺:そもそもは、最初にPC Watchがあって、そのあとInternet Watchができたんでしたっけ。

臼田:Internet Watchがいちばん最初にメルマガとしてあって、そのあとにPC WatchがWebで始まって、Internet WatchがそのあとWebになった、みたいな、ちょっとわかりづらい流れなんですよね。

小寺:ああ、Watchはメルマガの時代があったんですか。それでAV機器を扱うAV Watchを立ち上げよう、というような話になったきっかけって何かご存知ですか。

臼田:PC Watchをやってる頃から、テレビが全部液晶になるとかそういう話があって、デジタル家電ブームというのが来るのはもうわかりきってた。PC Watchでも昔の記事を漁っていただけると、テレビのハードディスクレコーダーとか結構ウケてたんですよ。で、やってる会社もね、PCと親和性があるので、繋がりもいくばくかあるんじゃないか、みたいなところがあって、やりやすいよね、ということで。

すでに業界紙があるようなジャンルだし、当時Webではオーディオビジュアルは全然先行媒体がないようなものだったので、今やれば確実にいける、ということで始まったような気がします。

山崎:気がします!

小寺:ほう、なるほど。いわゆる立ち上げのメンバーって、当時、古川(敦)さんが編集長で、それから藤原(陽祐)さんがいて、折本(幸治)さんもいて、だと思うんですけど。臼田さんはいつぐらいにAV Watchに参入したんですか?

臼田:僕は2002年とかですね。藤原さんがいろいろあって辞めまして、その後釜で。山崎のほうが先にいました。

山崎:ちょっとだけ、数カ月先に私がまずバイトで入って、という感じですね。

小寺:あ、そうなんですか。へえ。山崎さんはバイトで入ったということは、学生だったんですか? それまで。

山崎:そうですね。就職活動どうしようかな、と思ってて、あんまり興味ある会社がなかったんですけど、秋葉PCホットラインとかをよく見てたので、面白そうだな、と思って。

とりあえずまずバイトでお試しで入ってみようかな、と思って……当時ホームページとかを作ってたんですけど、それをPC Watchの伊達(浩二)さんに送りつつ、「バイトで働いてみたいんですけど」と言ったら「すぐ来い」と言われて。

ハイコンポとか、当時、kenwoodのk’sとか、ちょっと流行ってたじゃないですか。ああいうのに憧れて一個自分で買って、みたいなことをやってて。その話をしたら、珍しいからAV Watchに行け、みたいな感じになった、という感じですね。

小寺:じゃ、もう最初の配属がAV Watchだったと。

山崎:そうですね。で、なんかいつの間にやら正社員になって、みたいな感じですね。

小寺:(笑)。今となっては編集長だからね。

山崎:そうです(笑)。

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