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【MSI2022】グループステージのメタを振り返ろう

こんにちは。普段はTFTの記事をメインに書いているのあ(noa)です。サモナーネームはnoapathyです。趣味はLoLの競技シーンの観戦です。ということでMSIも全試合チェックしています。そこでせっかくなのでMSI2022のメタについて自分なりにまとめてみたいと思います。個人的な感想が多く含まれている記事になりますので、この記事を読んだみなさんが考えるたたき台として活用していただければと思います。



個人的MSI2022評価リスト

こういうときはまず一覧にしようということでつくりました。リストはこちらで作成しました。上から順に解説していきます。このリスト量から考えて長くなると思いますがお付き合いいただければと思います。

MSI2022個人的評価一覧。3つ目までは同じ欄でも左から評価の高い順になっています。

まず、前提としてMSIグループステージは36試合が行われ、ban/pickで出てきたチャンピオンは92体です。そのなかで特定の選手が使うpickは除いたリストとしています。Keriaのランブルが代表ですね。また、ここでのポケットpickという表現は選択理由が限定的である、もしくは優先度がかなり低いという意味として捉えていただければと思います。それでは個別解説にいきましょう。


MSIの絶対的王者、ルシアン

36試合中33回のban、3回のpickで勝率100%なのがルシアンです。うち2回はナミと合わせてレーンを破壊しています。MSIでは、botレーンにおいてルシアン-ナミは最強の組み合わせでありどんな相手にも勝つだけでなく破壊することが可能です。最初は対応できると考えられ開くことがありましたが、もうルシアンが開くことはないでしょう。

ルシアンが最強である理由は、上記のルシアン-ナミの組み合わせによる瞬間的なダメージがどんな状況でも相手のキャリーを溶かすことができるためです。ナミの電撃がルシアンの通常攻撃で簡単に発動してしまうため、プレスアタックに電撃ダメージが加わり基本的にはどんなダメージよりも高いバーストを出せてしまいます。結果としてこれがノーカウンター状態になっています。

ルシアン-ナミがダメだからルシアンをbanするしかない。これが実態です。ナミをbanしたとしてもルシアンをtopやmidで使うことが可能ですしそもそもナミ以外と合わせても強いので関係ありません。ナミを取り上げるとナミが他のマークスマンと合わせたときには弱いので試合にならないと思います。

ですが、これからルシアンに対して勝つことのできる構成が出てくるかもしれません。それでもこのルシアンというチャンピオンにはこのMSIを支配するだけの圧倒的な力があるため特別ポジションとしました。


先出し安定は正義

もう一人の100%、アーリ

ここからはMSIではかなり強く、これからもよく見ることになるチャンピオンです。まずはルシアンと並びban/pick100%のアーリです。現状banがかなり多く、かつ開いたときには優先してpickされる傾向にあります。soloQでもかなり高いpickレートと勝率を誇り、そのまま競技シーンでも高評価となっております。
序盤のレーン戦ではWによる移動速度増加でgankに強く、Eで味方ジャングラーを呼びやすいため常にプレッシャーをかけることができ、ultを覚えてからはさらに機動力が向上し圧が高まります。ウェーブクリアも早く、少数戦でも集団戦でも活躍ができるチャンピオンです。

アーリを評価する上で欠かせないのがルブランの存在です。ルブランもまた高いban/pickレートであり、アーリがbanならルブランもban、というような状況が多く存在します。MSI以前からルブランは評価が高く、地域に関わらずban率が高い状況でした。やはり少数戦の強さや現在では集団戦前にポークができること、アサシンとしてのバーストダメージも兼ね揃えていることから評価が高くなっています。MSIではイグナイトを持ってレーンでの切るプレッシャーを高める使用法もされています。

MSIでは対アーリにはルブラン、対ルブランにはアーリというような認識でどちらかがbanされたら呼応するようにもう片方もbanされるという状況が多いです。ですが、ヴェックスというカウンターが評価されていること、他に評価が高いmidレーナーが存在することからこの位置になります。この位置と言ってもルシアンを除けばトップクラスに高い評価ではありますが…


ウーコンはやはり強いらしい

次にMSI2022ではジャングラーとしてウーコン、ヴィエゴ、グレイブスの3体が評価が高いです。ウーコンに関しては罠pickなのではないかという話もありましたが終わってみたらban/pick92%で勝率は6割超えという安定した強さを見せつけました。Eの攻撃速度上昇によるジャングルクリアスピード、Wの変更による壁抜けで視界外からのgank性能の高さ、集団戦でのタンク性能とバックラインへのプレッシャーと今のジャングラーに求められる性能がすべて詰まっています。また、T1はセナ-ウーコンのbotレーンを見せジャングル以外でのフレックスピックとしての性能も見せたことでこれからも評価は高いままでしょう。
ヴィエゴは以前から大きな変更はありませんでしたが、シン・ジャオやリーシンといったシーズン中に強かったジャングラーがナーフされた結果として相対的に評価があがり多く見るようになった印象です。序盤のgank性能も高く、デスダンスとの相性が最高に良いため集団戦を一人で破壊することのできるポテンシャルは唯一無二です。
グレイブスは以前から脅威ビルドで評価されていただけでなく、MSIパッチではバフされたアンブラルグレイブとの相性の良さで評価がかなり上がっています。早期からの視界のコントロールを一人で行うことができ、中盤以降のダメージを一人で担えることがさらに評価を押し上げている要因になります。

ジャングルマッチアップよりもレーンの主導権が優先されるため、先出しが可能で対面を選ばずに仕事のできるこの3体の評価が突出しているでしょう。


グウェンOP時代の再来か

そしてtopはライズによるフィンブルウィンターのナーフによりタンクが弱くなった結果、以前大きなナーフを受けたグウェンが環境に戻ってきました。変更について触れておくと、Eの増加射程が短くなった補填としてEのCD解消時間が増え、ultのCDが短くなりました。この補填がとても強く、MSIではtopを支配する状況になりました。17回というMSIで一番多い回数pickされてうち13勝、勝率76%というデータとしても圧倒的な数値を出しています。負けた4試合も対面がT1が2回G2が2回という形なので今後はもう少し勝率が伸びてもおかしくありません。
ナーフされた今でも現環境では十分なレーンでの強さ、Wの集団戦の強さ、そして後半のスケールの良さが現状でも圧倒的であるという評価になっており、またbanから漏れることが多いことがpick率及び勝率をあげている要因になります。midでも選択されることもあり、間違いなく今後も注目チャンピオンでしょう。

また、ガングプランク(以下GP)も評価が高いtopチャンピオンの1体です。14回のban回数は5番目に高い数値となっており、一方でpick数は6回と少なめであることから強いには違いないが実際はまだ不透明なチャンピオンであるといえるでしょう。トリニティフォースを持つビルドと脅威アイテムを持つビルドの柔軟性、ultによるグローバルプレッシャー、終盤の樽によるゾーニングとできることも多く多少の不利も返すパワーが魅力的です。期待もこめてこのポジションとさせていただきました。


忘れてはいけない安定チャンピオン

個別に触れていくと文字数が1万字を超えそうなのでここからはレーンや構成ごとに紹介していきます。
前提として、上記までで紹介したチャンピオンとの違いはチャンピオンパワーが足りない、対策が可能、構成が限定されるという点です。それを踏まえて読んでもらえるとイメージしやすいと思います。

botの選択肢を考えよう

ルシアン-ナミが支配するbotレーンが許されない環境では、エズリアルとカルマのbotが最有力です。レーンを常にプッシュしつつポークにより体力有利も取りやすい、序盤のゲーム展開を支配しやすい組み合わせになります。一方で、カイ=サはエズのカウンターとして機能します。ウェーブクリア速度が早く、レーン戦ではQのミサイルを集中させることができればダメージ量も上回ることができ、Qの進化後は一対一でも集団戦でもエズを上回ることができます。そのため、先出しでカイ=サを出してエズを制限するpick戦略が存在します。
MSIが始まってからはサミーラの評価が高かったものの、結果が残せずに評価が落ちてしまったチャンピオンになります。アフェリオスは採用が難しいものの、ユーティリティ性能を活かしたゲームプランでは際立って活躍できるチャンピオンです。それよりトリスターナジンが評価を徐々にあげている印象です。トリスターナはアリスターラカンといったチャンピオンのオールインに合わせたレーンでの高いキルプレッシャーからオブジェクトの速さを活かしたスノーボール性能が魅力的です。ジンは脅威もクリティカルもどちらも採用され、メタにいるジャングラーとの相性が評価されている印象です。

サポートはレオナが安定先出しサポートとして一定の成績を残している一方でノーチラスが勝てない状況が続いています。どちらもサポートでは人気のpickですが、差があるとしたら飛び込んだ際のタンク性能はレオナに軍配が上がる状況です。そして何よりノーチラスに対してレナータが機能しているという実態があります。ノーチラスのフックに対してレナータがスキル1つで止めて通常攻撃のスネアを入れさせないこと、ultを返すことでバーストを合わせさせない、ずらすことが可能であることがとてもつらい状況になっている要因かと思われます。

その他にはセナの採用が増えていることが注目ポイントでしょう。タム・ケンチと合わせるだけでなく、ウーコンやノーチラスと合わせての採用も試されるなど、妥協した組み合わせでも出せる評価がされており今後ももっとみることが増えるでしょう。
パイクに関してはキルプレッシャーとスノーボール性能を高めて試合を畳む目的でのpickだと思うので今後はリスクを嫌う場合は採用が低くなると考えこの位置です。

フェイトは本当に強いのか

次にmidを見てみましょう。ツイステッド・フェイト(以下TF)がかなり優先される傾向がありましたが、勝率はあまり高くありません。これまでのナーフがやはりきついこととサイラスガリオといったカウンターが機能していることが大きいでしょう。TFのultはサイラスが使ったほうが強い、後から飛んできたサイラスがどうしようもないなんて声が聴こえてくるかも知れません。ガリオはジャングラーにジャーヴァンⅣ(以下J4)ボリベアリーシンなどと組み合わせたりカミールと合わせたコンボpickでの採用により評価が高くなっています。MSIではTFは罠pickなのか、これからの成績に注目です。

それ以外にはヴェックスゾーイの評価が高い状況でしょう。採用理由はそれぞれ異なるものの、どちらも序盤から少数戦が強く主導権を握ったときの支配力は高いものがあるため、ゲームプランと合わせて注目です。

ジャングラーの選択肢は狭い

これまでにジャングラーが何度か登場していましたが、実はここまでに登場しなかったジャングラーは厳しいというのが現状でしょう。先出し安定の3体に比べるとどうしてもパワーが落ちてしまい、ゲームを作れないと不利を覆せずに負けるリスクが伴うpickが多い印象です。ガリオと組み合わせるとして出てきたJ4ボリベアリーシンは序盤にゲームが作れないときには中盤以降のオブジェクトコントロールが難しくなってしまうため、リスクを背負って戦う難しいpickといえるでしょう。

しかし、ダイアナヤスオとのコンボpickとしてはまだまだ現役です。ウーコンに対してAPジャングラーを当てることでマッチアップの有利を取る戦略が何度か試されており、これが結果を残せるとメタとして急浮上するでしょう。また、キンドレッドというチャンピオンがbotにジンやセナを置いたときのキャリー枠としての活躍が期待される可能性がありますが、リスクも大きいためどうしても難しいと言わざるをえないでしょう。

対グウェン、どうするか問題

最後にtopですが、あまりにもこのグウェンというチャンピオンが強い状況で各チーム明確な回答が求められます。一つの回答としてLPL地域で多く見られたジャックスが存在します。しかし、ジャックスを出すためには一定の練度が必要という評価であり現状T1とRNG、G2以外のチームが出せるかは不透明です。逆に言うとこの3チームにはグウェンに対して明確なカウンターとして機能するpickがあるため、topの他の選択肢が重要になる可能性があります。

現状の評価だと、困ったときのカミールエイトロックスという印象です。リストには掲載していませんが、オーンナーもまだ現実的なpickになります。グウェンがban漏れすることが多いため、出てこれるかはわかりません。


MSIでは出てこなくなったチャンピオン達

触れないわけにはいかないチャンピオン達をリストには掲載しています。厳しい感じと無理っぽいチャンピオン達です。MSI以前ではかなり強かったチャンピオンや出てくる可能性が高いという評価がされていたチャンピオン達をメインに掲載しています。

ここに掲載されているチャンピオンで今後評価が上がる可能性があるとしたら、ミス・フォーチュン(以下MF)ブラッドミアケネンでしょう。MFはウーコンがあまりにもキツすぎて集団戦で機能しないという大きな問題が解消されるとレーンでの主導権を取れるpickとして急浮上してくるでしょう。ブラッドミアはG2がグウェンに対して勝っている一方でレーンで潰されてしまうと再浮上がとても難しいため、厳しいという評価です。ケネンは集団戦構成には必ず出てくるpickですが、レオナやノーチラスに止められやすい、相手のオールイン性能のほうが高く先に潰されてしまう構成には弱いため正直無理って感じがします。

ですが、ここのチャンピオン達は評価が外れてほしいと思っています。このチャンピオン達が出てくるとMSIのメタが大きく動く可能性を秘めているため、期待も込めて掲載しているチャンピオン達でもあります。


今後の注目チャンピオン

それでは最後に注目pickの紹介です。botではカリスタ、ゼリ、ケイトリンをあげました。カリスタはバフが入りレーン強者としてもっと優先されると思っていましたが、後半までなかなか出てきませんでした。おそらくサミーラのほうが評価が高かったのかと思います。これからはレーンで強く戦っていくプランを選択した際には多く出てくる可能性があります。ゼリは一部で声が上がっていたクリティカルビルドが強いという評価が合っているかもしれない、という評価です。イモータルシールドボウができた段階でシールドとサステインによる一定の硬さで立ち回りやすいこと、ジール派生アイテムによるMSの速さは健在でこれからさらに出てくる可能性が高いです。ケイトリンはbanがされていたものの、本当に強いのか?ということでリスト入りです。
ジャングラーとしてはポッピーとノクターンをあげました。ポッピーは評価の高いチャンピオンの多くに刺さる可能性があります。もう少し評価されてもいいんじゃないかという個人的意見でこの位置です。でももしかすると厳しいのかも知れません。ノクターンも同様です。ポーク構成を破壊する性能を持ち、相手のオールイン構成を拒否できる性能もあるため採用が増える可能性があります。ですがどうしてもジャングラーは上3体が強すぎるためわかりません。
ジェイスに関してですが、かなり大きなナーフを受けているなかでも一定のbanがされている(特にT1に対して)ため、本当に強いのかどうかという意味も含めてこの位置にしました。おそらく出せる人が出せるポケットpickのポジションでしょう。ユーミに関してですが、エズやジン、ヴィエゴと相性が良い点、苦手なノーチラスが評価を落とす可能性を考えると十分に浮上の可能性が考えられます。


最後に:リストは考えて外れるから面白い

ここまで個人的な評価をもとにいろいろなことを書いてきましたが、この評価が外れるからこそLoLの競技シーンというものは面白いものになります。強いチームがきれいに試合を畳んだり美しい集団戦を行うのもLoLの競技シーンの面白さではありますが、このチャンピオンが活躍するの!?とかなんでそいつなの?というチャンピオンを考えるのも一つの楽しみ方です。ランブルステージが終わったときに果たしてこのリストがどう変わっているか、今から楽しみで仕方ありません。

MSI2022、そしてこの記事を通してLoLの競技シーンを更に楽しめるようになってもらえればと思います。7000文字超えの長文になってしまいましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。よければ記事のスキや共有などしていただけると喜びますしサポートは泣きます。

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