見出し画像

◆勝手に彰俊的下馬前評判 「N-1 2022決勝 鈴木秀樹VS清宮海斗」

「N-1 2022決勝 鈴木秀樹VS清宮海斗」
『ビル・ロビンソンVS武藤敬』
今回の勝敗のポイントは「変化」にあるとみた。

「N-1決勝展望」この「展望」とは試合の動きや行く末を見通すという意味合いが強く感じるだろうが、もう一つの「展望」の意味である遠くまで見渡す、眺めを見晴らしたいという気持ちもかなり強く入っている。

なぜなら、このN-1決勝はそれほど魅力的で、どの様になるのか「興味津々」だからなのである。
「津々」絶えず湧き出て尽きないさまの意であるが、日々絶えず仮説が湧き出て、考えれば考える程、迷宮に入ると共に希望と興奮が心を躍らせるのだ。

先日皆さんに「計算方法は問わない、優勝者を求めよ」と夏休みの宿題を出しましたが、優勝者という答えは勿論の事、ご自身で採点する際にはそれに辿り着くまでの経緯も得点に加算して頂きたい。

優勝者を当てた100点が満点ではなく、更に点数が伸びるので楽しみも倍増する。

どの様な技を出すのか、どの様に耐えるのか、どの技をどのタイミングで出し何度使うのか、試合の流れを変えたのはどのシーンで、その時の選手の感情は?etc.

勿論、その日を楽しみにそのような事をせず、試合を観て感動を受けるのも最高で、それも純粋なプロレスの楽しみ方で最高な観戦である。

また上記のように色々と考えて、応援している選手に希望を託し、試合を観ながら自身の仮説イメージと照らし合わせ採点していくのもまたひとつの楽しみ方である。

考え出したその時から、あなたの中ですでにN-1の決勝が始まり出しているのだ。

過程と答えが当たった時の嬉しさもあるが、想像を超えた技や選手のメンタル、スピリットを見たり感じたり時は、採点は外れたものの正解した時以上の感動を覚えるのかもしれない。

試合は、いやっNOAHは選手やスタッフだけで作り上げるものではない。
皆さんと共に作るからこそ価値が上がるのだ。

選手の熱い試合も、スタッフの色々な努力も、実況や解説の言葉も、それは観てくださっている皆さんへのプレゼントなのである。

プレゼントというのは受け取って貰えて、喜んで貰えるから、そのプレゼントに価値が増すのだから・・・

喜んで貰える為に最高なものを贈り続ける。
今回の最上で最高な贈り物が「N-1決勝」である。
思う存分に堪能して頂きたい。

さて前置きが長くなってしまいましたが、この鈴木秀樹VS清宮海斗の試合には、戦う者の現実と観る者が感じるロマンというとても大きなオーラのようなものがある。

それは二人共に偉大なレスラーの遺伝子が入っているからなのかもしれない。

ふたりの戦いはビル・ロビンソンVS武藤敬司という今では実現する事が出来ない壮大な戦いのロマンが垣間見られる。

当然、戦う選手が主役であり、その選手同士の戦いである。
選手にとっては相手との「戦い」であり、自分自身との「闘い」になるであろう。

それは、試合をして行く上で、偉大なる遺伝子のオーラという幻想が自身に入り込み、選手そのもののオーラが光を放ち、身体とリングの全てを覆った時、それは本物になった時なのだから。

同じ遺伝子を持つ選手ではあるが、それぞれの立場や環境は違う。
鈴木選手は遺伝子を組み込み、彼自身が出来上がっている強さがある。
清宮選手は、以前選手紹介の文で、武藤さん直伝の技が見たい。そしてその時こそ直伝の技を出しても、それは大きな先輩の存在ではなく、自分自身の技となっている筈だ。と書いた。

そしてN-1で清宮選手はその技を出して勝ち進んだのだ。
直伝の技を出した時こそ新たな清宮選手が完成している時だと思っていたのだが、そこに齋藤の大きな誤算があった。

清宮選手は完成していなかった・・・

でもその誤算は悪い意味ではなく、いい意味で想像を超えていたのである。
清宮選手は、このN-1という化け物の中で成長し続けていたのである。
その成長過程で出した直伝の技で勝ち上がっていたのだ。
皆さんも心の中のどこかで感じていたのではないでしょうか?まだあの技は彼のものになっていないのではないだろうかと。

だから、このN-1決勝のリングに立つ清宮選手を、いや清宮選手が見てみたいとワクワクしてるのではないかと。

そしてもう一点、なぜこの決勝が面白く心躍るのか?
それは二人のタイプが全く違う所にある。

清宮選手は才能があり、色々な選手に合わせる事が出来るが、その類まれなる才能が仇になる可能性まで出てくる。

鈴木選手は唯一無二の選手であり、色々なタイプの選手と戦い、海外も渡り歩いた強者である。

当然相手の戦い方に器用に順応出来るのだが、それがあまりにも自然体で、相手や見ている側に気付かれない微妙なラインで合わせてくるのだ。

通常選手の発するエネルギーを与えられた刺激により対戦相手は固有振動を起こすことが多い、そう共振するのであるが、鈴木選手にはそれが無い。
更に沈着冷静な戦い方と表情から、心の中や狙っているものを読み取る事が出来ない。

ゴングが鳴って向かい合った時、どちらが先に動き仕掛けるのか?

先に動いた方も受けた方も初めの一歩は、相手の状態を読むためのもので、このファーストインパクトで、中盤までの流れを決勝まで進んだ程の選手なので瞬時に読み取る事だろう。

勝利するにはファーストコンタクト、中盤、終盤の時に決めにかかる時に流れが大きく変わる。

弱っていてイケると思った瞬間に決められることも少なくないのである。
それは野球でピッチャーとバッターが初球を始め、ボールとストライク、アウトのカウントと塁の状況を考慮して裏の読みあい戦う時にも似ている。
だから皆さんには、試合全体の流れと共に、選手の繰り出す技、表情、手の先から足の先の動き出す瞬間まで見て頂きたい。

時には点で、時には線で・・・

二人の体格差であるが、

鈴木選手の身長は191㎝ 体重が113㎏ 
清宮選手の身長が180㎝ 体重が98㎏

身長差は11㎝となり、一説によるとカップルでKissしやすい身長差が12㎝と言われているが、残念ながら今回はシチュエーション的にそこには当てはまらない。

格闘技にとって慎重さよりも気になるのが打撃やブロック、タックル等に有効なリーチ差、身長よりもリーチ差は長くなるので、テリトリーの面で鈴木選手に分がある。

体重は15㎏差だが、この15㎏差というのは、コーナーポスト(上がる位置によるが)約130㎝の位置から鈴木選手が落下して攻撃した場合、落下エネルギーは約1.440Jで、清宮選手は1.249Jと衝撃面ではやや不利である。
ちなみに速度は互いに変わらず5.049m/sとなった。

計算間違いが無ければの話しだが、清宮選手は体重が軽い分、より高い位置から落下すれば衝撃度は変化する。

トップやチャンピオンになったという点では両者ともハイレベルだが、経験値と時間という面では差がある。

体格差、経験値その他もあるが、今回の勝敗のポイントは「変化」にあるとみた。

N-1という場で進化し続ける清宮選手が鈴木選手の想像範囲を超える程の変化。

鈴木選手の完成された戦いの中から出る、小さくそして勝敗を左右する程の大きな変化である。
変化と聞くと伸びしろの大きい成長過程の選手のイメージが強いだろうが、完成し、熟成している選手の小さな変化というものは、懐が深く、変わる角度は小さくても、その先にある目標物の辿り着く時には恐ろしい程大きくなっているのだ。

それは精神面でも同じである。
「想像以上の大きな変化」なのか「小さな変化で突然大きくなる針の穴」なのか・・・
鈴木選手、清宮選手共に試合を読む事は難しいだろう。
目まぐるしく現れる障害とトラップを鋭い反射神経でどうクリアし、相手の判断以上の攻撃が出来るのか。

9月3日、どちらかに勝利の女神がほほ笑むまで分からない。
このN-1決勝に鋭く注目せよ!

プロレスリング・ノア
齋藤彰俊

▶️チケットご購入はこちらから
https://l-tike.com/st1/noah/sitetop
▶️プロレスリング・ノア 今後の大会スケジュール

▶️グッズご購入はこちらから