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ウルトラマン入門のすゝめ。

ウルトラマン。聞いたことのある響きでしょう?ウルトラマン。
1966年の初代ウルトラマン放送から58年。彼らはず〜っと、人間のそばに居ました。その中でも2013年からの11年間の作品群、ニュージェネレーションウルトラマンと呼ばれる彼らと共に歩んでいる現代、実はウルトラシリーズ史上初の快挙「10年以上新作の放送を続ける」を成した、言うなればウルトラマン黄金時代なのです。

この度はそんなニュージェネレーションウルトラマンについて、作品概要、おすすめ度、アピールポイント…etc。解説していきましょう。




ウルトラマンギンガ

ウルトラマンギンガ。

おすすめ度:★★★★☆

あらすじ

1000年以上前、全てのウルトラマンと怪獣は「ダークスパークウォーズ」という大戦争に巻き込まれ、スパークドールズという人形に変えられてしまった。長い年月の中で、今までウルトラマンも、怪獣も居なかった宇宙へもスパークドールズは放逐されてしまう。
主人公で高校生の礼堂ヒカルは、ある日感じた"導き"に身を委ね、生まれ故郷である降星町へと赴く。幼なじみとの再会、母校への再来を経て、ヒカルは不思議な御神体を目にしたところで、続けざまに自らをウルトラマンタロウと名乗る小さな人形と出会う。タロウは困惑するヒカルをよそに、裏山へ御神体を持ってくるように告げるのであった。
ヒカルはなんと、かつての戦争でスパークドールズと化してしまったウルトラマンや怪獣に実体を取り戻させることの出来るアイテム、"ギンガスパーク"に選ばれた人間であることが判明!
その後も、降星町にはギンガスパークの対となるアイテム"ダークスパーク"を用い、様々な人間の悪感情とスパークドールズを一体化させ様々な怪獣を暴れさせる宇宙人の魔の手が迫る。戦え、礼堂ヒカル!ウルトラマンギンガ!!

アピールポイント

ウルトラマンギンガはシリーズの復活作ということもあり、様々な部分が軽やかに味わいやすく調整されています(ノリが軽すぎる、とも言い換えられますが……。)。キャラクターはそれまでのウルトラマンからぐっと年齢を下げた高校生、そしてウルトラマンだけでなく怪獣へも変身する主人公、コミカルな宇宙人描写。シリーズの新しい画作り、設定作り、そして何より復活作としての手に取りやすさを意識した作品だと言えます。全11話。ウルトラマンの入口にどうぞ。

ウルトラマンギンガS

ウルトラマンギンガ(右)とウルトラマンビクトリー(左)

おすすめ度★★☆☆☆

あらすじ

「ウルトラマンギンガ」の物語から2年後、新たな驚異が地球を襲う。恐ろしい闇の巨人の復活を目論むチブル星人エクセラーの策略により、地下にあるエネルギー鉱石 ビクトリウムが吸い上げられていたのだ。それを受け、地底人ビクトリアンの青年 ショウはウルトラマンビクトリーの力を授けられ、地上へと現れた。時を同じくして、偶然に地上へ露出していたビクトリウムを目にしたヒカル。その時、ギンガスパークが呼応、新たな戦いの予感を帯びて新たな舞台、雫が丘へと向かっていた。
雫が丘には新設された防衛隊であるUPG、そしてもう1人のウルトラマンであるショウとの出会いが待っていた。ウルトラマン同士の衝突や、地球人と地底人の摩擦、そしてそれは新たな仲間との物語。ウルトラマンギンガ新章開幕!

アピールポイント

おすすめ度は星2となっておりますが、その理由は「ギンガ」の続編なため。ウルトラマンギンガとギンガSは合わせて27話なので、まとめて一作品として見るのも良いでしょう。本作のアピールポイントは平成ウルトラマンへの回帰です。街を守る防衛隊の出現とヒカルとショウという2人のウルトラマンをメインキャラとし、2人の衝突、和解、信頼、友情。そういった要素に焦点を当てて描かれたエピソードも多く、より人間ドラマを強調した作風が持ち味。また、特撮撮影のスケールも前作ウルトラマンギンガに比べパワーアップ、アクションや演出がより派手になり、そう言った点では今日のニュージェネレーションウルトラマンの特撮の礎。とも言えるでしょう、ウルトラマンギンガS、ギンガと共にウルトラマンの入口にどうぞ。


ウルトラマンX

ウルトラマンX

おすすめ度★★★★☆

あらすじ

15年前、極大規模の太陽フレア、ウルトラ・フレアが発生。世界中で眠っていた謎のアイテム、スパークドールズが突如として同時多発的に覚醒。未曾有の怪獣被害をもたらした。この事態に対処するため、人類は新たな特捜チームXio(ジオ)を設立した。
主人公の大空大地は、ウルトラ・フレアの際に姿を消してしまった両親を探す為にXioの研究員になり、母の残したスパークドールズや受信機で宇宙の様々な電波を音へ変換した「宇宙の声」を聞く日々を過ごしていた。
ある日、街に熔鉄怪獣デマーガが出現、前線で現場判断へと出ていた大地は、渦中 携帯電話型のデバイス、ジオデバイザーから発せられる不可解な声を耳にする。その声の正体こそ、15年前のウルトラ・フレアから地球を守り、自分はデータ生命体へと姿を変え、大地のジオデバイザーに潜んでいたウルトラマンXだった!
大地とXはひとつに、"ユナイト"して戦う、戦いの中、Xの必殺光線「ザナディウム光線」には怪獣を沈静化、スパークドールズにすることが出来る効力があることを知る。この力で、新しい怪獣との共存という道を模索する大地とXの戦いが幕を開ける!

アピールポイント

ギンガシリーズとはまた違った、ウルトラマンと人間のバディ物とも言える形で展開するウルトラマン。ウルトラマンX(中村悠一)のコミカルな所作を含めた、二人の関係性は分かりやすく説明するならば「綺麗なブレイバーン」(因果が逆だが。)そんな作風でありつつ怪獣との共存というテーマに対するシビアな作中描写や、SF解像度の高いストーリーライン、さらに全編が警察テレビ番組風に進行する第16話「激撮!Xio密着24時」に代表されるような、思い切った映像作りも本作の大きな魅力と言えるでしょう。過去作ヒーローの客演回が多いのも魅力の一つ、前作キャラにあたるギンガとビクトリー、そしてウルトラマンゼロ…それよりも前のマックスとネクサス……。様々なウルトラマンを知るきっかけにもなり得る作品。ウルトラマンX。全22話、ウルトラマンの入口にどうぞ。

ウルトラマンオーブ

ウルトラマンオーブ スペシウムゼペリオン

おすすめ度★★★★★

あらすじ

遥か遠い昔、地球上に魔王獣と呼ばれた火水風土光闇のエレメントを司る恐るべき怪獣がいた。これらは地上を闇に染めたが、いずれもウルトラヒーローによってその力と共に封印されていた。
現代、インターネットで怪奇現象追跡サイトを運営するSSPの3人組は各地で発生していた巨大な竜巻と、その中を飛んでいた謎の怪物について情報を追っていた。「悪魔の風が来る…。」3人はレザーコートにハットを被った謎の風来坊、クレナイ・ガイに出会い、運命が大きく一変する。謎の怪物の正体は風ノ魔王獣マガバッサーだった。
謎の風来坊の正体は復活した魔王獣を再び封印していたウルトラマンオーブであった。本来の姿を失っていたオーブは、ウルトラマン、そしてウルトラマンティガの力を"お借り"して戦う!しかしその影に暗躍するもうひとつの影にして、オーブの旧友にして因縁の宿敵、ジャグラスジャグラーの魔の手が迫っているのであった……。

おすすめポイント

ウルトラマン新生!まったく新しい観点で作られるウルトラ・ストーリー。今作はウルトラマン50周年タイトルとして、またウルトラマンの単独タイトルを取り戻した作品(ウルトラマンXまでは「ウルトラマン列伝」という番組内の1コーナーという位置づけ。)として、あらゆる要素を一新。史上初の歴代ウルトラマンの力を借りて戦うウルトラマンになっています。また、分かりやすい"ヴィラン"を確立した作品でもあり、クレナイ・ガイとジャグラスジャグラーの深い深い因縁と、その完成度の非常に高いキャラクターデザインは、それを題材にアマプラ限定配信のドラマが制作されたほど。(ウルトラマンオーブTHE ORIGIN SAGA)全体を通して、今風ウルトラマンの骨頂と言える作品になっています。ウルトラマンオーブ全25話、ウルトラマンの入口にどうぞ。

ウルトラマンジード

ウルトラマンジード

おすすめ度★★★★☆

あらすじ

舞台となる宇宙、サイドスペースはかつて、悪のウルトラマン ウルトラマンベリアルが仕掛けた超時空消滅爆弾によって1度崩壊した。しかし、ウルトラマンキングが身を呈して破壊を食い止め宇宙を修復。宇宙中にはウルトラマンキングの力が散り散りに拡散していた。これらの事実は、今ではクライシス・インパクトという陰謀論程度に騒がれるばかり……。
幼少期に目にした「爆裂戦記ドンシャイン」という番組からヒーローに対して強い憧れを持つ少年、朝倉リク。「ジーッとしててもドーにもならない。」略して"ジード"が座右の銘の彼には、普通の人には見えない宇宙人の友達、ペガッサ星人のペガがいた。2人で暮らしていたある日、街にウルトラマンベリアルの因子を使って生まれたベリアル融合獣スカルゴモラが出現、住む家も街も破壊され、避難を余儀なくされる。行く場所のなかったリクは孤児であった自分が拾われた天文台へと赴く。すると地面が抜け、天文台の地下へと誘われる。その先には秘密の地下基地が広がっていた、地下基地を管理するAIのレムにウルトラマンジードへと変身できるアイテム ジードライザーとウルトラマンの因子の詰まったウルトラカプセルを託される。リクは、自らの変身した姿をウルトラマンジードと名付け、スカルゴモラと対決。しかしその最中、レムから衝撃の事実が告げられる。リクはクライシス・インパクトを引き起こした張本人、ウルトラマンベリアルの遺伝子を持つ"ベリアルの息子"とも言うべき人間だったのだ。自分の運命に向き合い、抗うリクの物語、先輩ウルトラマンであるゼロや自身を作り上げた黒幕のストルム星人とぶつかり合いながら、自らのアイデンティティーを見つける為の戦いに身を投じていく。

アピールポイント

本作は過去作「ウルトラ銀河伝説」や「ベリアル銀河帝国」といった、ウルトラマンゼロとウルトラマンベリアルの戦いの物語を下地にしており、前提知識がややあるものの、主人公朝倉リクと同じ「何も知らない人の目線」でも楽しめる作品となっています。新人ウルトラマンのリクと、リクを人間とウルトラマン、ふたつの目線での先輩として見つめる伊賀栗レイト/ウルトラマンゼロのコンビなど、魅力的な関係性が多く(ちなみに私はレイトさんがニュージェネウルトラマンの変身者で1番好き。)、またシリーズ構成にジョジョのスピンオフシリーズなどで知られる乙一氏を迎えているため、今までの、そしてこれからのどのウルトラマンともまたひとつ違った味わいのある強い作品となっています。一作品を通じた主人公の成長が非常に大きい作品でもあるため、視聴した後に自分も何か一歩踏み出せるような気がする。そんな作品です。ウルトラマンジード全25話、ウルトラマンの入口にどうぞ。

ウルトラマンR/B

ウルトラマンロッソ(右)ウルトラマンブル(左)

おすすめ度★★★☆☆

あらすじ

父の営む洋服店クワトロM、その経営の支えとして接客を手伝う長男の湊カツミ、マイペースに宇宙考古学の研究に勤しんでいる弟の湊イサミ。ある日、カツミとイサミの2人は彼らの住む綾香市の公園へ来ていた。そこは15年前、「すき焼きのお豆腐を買いに行く。」と言い残したきり失踪してしまった母親との思い出の場所。フィールドワークに夢中になるイサミをカツミが制しながら和気あいあいと過ごしていたところに、突如として綾香市に伝わる伝説の怪獣、火炎骨獣グルジオボーンが現れる。2人は命からがら逃げるものの、グルジオボーンの吐き出す熱線を受けてしまう。炎の中で2人は光のアイテム ルーブジャイロとルーブクリスタルを授けられる。これは、いきなりウルトラマンの力を手に入れてしまった普通の兄弟の物語。地域の大企業、アイゼンテックの謎や消えた母の行方、町を守るための戦いが始まる。

アピールポイント

本作の特徴は、ただの一般人が一般人のまま、町や家族を守る為にウルトラマンの力を使う。というスケールの小ささにあります。ウルトラマンの力を手にした、ごくごく普通の兄弟が自分に出来ること、やるべきことを考えながら、ウルトラマンとしてだけでなく、市民として、町を守る為に戦うのです。故に全体にホームコメディ的な要素が強く、非常に独自性の強い作品となっています。また、関連作を通して人間描写への書き込みが鋭く、「家業のために夢を諦めた長男と、自由に夢を追いかける次男。」「長く会えなかった母親との少しの距離感。」と言った、胸に刺さる描写も本作のみの持つ強みでしょう。しかし今作のウルトラマンは出自がウルトラマンオーブと同じ惑星O-50(オーフィフティー)。過去作要素としてオーブの小ネタが多く含まれるため、オーブの後が良いという噂も。個人とウルトラマンとの間で揺らぐ湊兄弟の日常を覗き見るウルトラマンR/B、全25話。ウルトラマンの入口にどうぞ。

ウルトラマンタイガ

ウルトラマンタイガ(真ん中)ウルトラマンタイタス(左)
ウルトラマンフーマ(右)

おすすめ度★★★★★

あらすじ

M78青雲出身でウルトラマンタロウの息子、光の勇者 ウルトラマンタイガ。O-50で力を授かった風の覇者 ウルトラマンフーマ、U-40という星でウルトラマンとして認められた力の賢者 ウルトラマンタイタス。出身もタイプもバラバラの3人はチーム トライスクワッドを結成し、タイガの父親であるタロウの親友であり、今は闇に身を落とした暗黒のウルトラマン ウルトラマントレギアとの戦いに敗れ、散り散りになってしまった。
別の宇宙へと流れ着いたタイガは怪獣の幼体を必死に宇宙人から守った少年工藤ヒロユキの心に共鳴、一体となって鳴りを潜めていた。それから12年後、民間の警備会社E.G.I.S.(イージス)の警備員となったヒロユキ、依頼によって再び怪獣兵器を売買する宇宙人から怪獣の幼体を守ることとなる。何かを助けたい、という強い思いを改めて問いただし、認めたタイガはヒロユキのバディとして力を貸すことを決める。さらにタイタス、フーマもそこへ合流。最悪な黒幕、ウルトラマントレギアの策略に翻弄されながら、3人のトライスクワッドはヒロユキを含めた4人のクワトロスクワッドへと成長を重ねていく。

アピールポイント

本作は4人のウルトラマンと人間、宇宙人を巡る信頼と共存の物語。個人の正義や価値観に焦点を当てたシビアでシリアスな話も多い中、偉大な父のコンプレックスを乗り越えるタイガの成長譚でもあり、タイタス、フーマ、ヒロユキとの友情の物語でもあり、アツい要素の多い作品になっています。また、豪華声優陣の演技も光る作品でタイガ(寺島拓篤)タイタス(日野聡)フーマ(葉山翔太)トレギア(内田雄馬)と、メインのウルトラマンを演じる役者さんも豪華絢爛、特に内田雄馬ことトレギアは常にネトネト喋っていてかなり良いという話。この作品は本編以外にYouTubeで公開されている「トライスクワッドボイスドラマ」を視聴することで作品解像度がグンと上がることも特徴、トレギア自身も前作ウルトラマンR/B劇場版「セレクト!絆のクリスタル」がデビューのキャラクターであり、こういった多面的な展開が特徴の一つ、他作品への足がかりにもなる作品となっています。ウルトラマンタイガ全25話、ウルトラマンの入口にどうぞ。

ウルトラマンZ

ウルトラマンZ

おすすめ度★★★☆☆

あらすじ

自らをウルトラマンゼロの弟子と名乗るウルトラマンZ。ある日師匠のゼロが光の国の技術、ウルトラメダルを奪った宇宙鮫ゲネガーグを追跡中、ゲネガーグの捕食していた四次元怪獣ブルトンが発生させた四次元空間に巻き込まれてしまう。ゼロは咄嗟の判断で奪い返したウルトラメダル、そして新たな変身アイテム ウルトラゼットライザーをZに託す。師匠に変わってゲネガーグを追跡し地球へ降り立つZ、地球では対怪獣用特殊空挺機甲(通称 特空機)セブンガーを操り、地球防衛軍のロボット部隊「ストレイジ」の隊員ナツカワ・ハルキがゲネガーグと交戦していた。舞い降りたZと共に共闘するハルキだったが、避難所の小学校を守る為に身を投げ出し、命を失ってしまう。Zは命を落としたハルキにぎこちない日本語で協力を申し出る。ご唱和ください!我の名を!ハルキとZはひとつとなり、ウルトラメダルのパワーを借りて戦う!

アピールポイント

ウルトラの超話題作、ウルトラマンZの不器用な日本語(「私もお前の力が必要なのでございます。」等)やそのおとぼけなキャラクターは放送当時、ウルトラファン内外を巻き込み大きな反響を呼びました。また本作には過去作(特にニュージェネ)の設定やキャラクターがかなり根深く絡んでおり、特にZの師匠であるゼロが登場するジードについては履修していた方が、ゼロのキャラクターやZが兄弟子と慕うジードの"先輩感"をより味わい深く見つめることができるでしょう。しかし本作には"特撮の楽しさ"が詰まっているのも事実、力の入ったミニチュア撮影や、毎話色の違う撮影技法。そして何より特空機と怪獣、ウルトラマンの三者入り乱れる戦闘シーンは、原初の特撮らしいチャレンジングな精神と、現代風のド迫力の場面作りが融合し、力のある作品になっています。第52回星雲賞受賞作品ウルトラマンZ。ウルトラマンの入口にどうぞ。

ウルトラマントリガー

ウルトラマントリガー

おすすめ度★★★☆☆

あらすじ

火星開拓時代。「スマイルスマイル!」が口癖で、人々を笑顔にする、という信条を持つ青年マナカ・ケンゴ、彼の中には未知の力が眠っていた。
時を同じくして、火星に隠匿されていた超古代の遺跡を闇の巨人カルミラと、連れ立った超古代闇怪獣ゴルバーが襲っていた。たまたまその現場に言わせたケンゴ、その場に遺されていた光の巨人の石像の前で、自らの持って生まれた力を悟る。火星開発の重要スポンサーであるシズマ財団の代表であるシズマ・ミツクニは、彼の力を解放する鍵となるアイテム、ガッツスパークレンスとガッツハイパーキーを託す。それによりケンゴは覚醒、トリガーとなり戦うこととなる。
人々の笑顔を守りたい。その思いを胸に母に別れを告げ、ケンゴは地球へ向かう。新設の怪獣災害対策部隊GUTS-SELECT(ガッツセレクト)へ入隊を決意したケンゴと仲間たち。そして、地球へ迫る闇の三巨人 妖麗戦士カルミラ剛力闘士ダーゴン俊敏策士ヒュドラムの魔の手。光の力を手に、人々の"笑顔"を咲かせる戦いが始まる。

アピールポイント

本作は実は、本作の25年前に放送された「ウルトラマンティガ」という作品の設定を背景にしつつ、番組タイトルにもあるNEW GENERATION TIGAを目指して作られた作品になります。しかし、ティガを意識しただけの作品では終わらず、前作のZや当時YouTubeで配信されていた番組「ウルトラギャラクシーファイト」で活躍したキャラクター ウルトラマンリブットがゲストとして登場するエピソードなど新世代のウルトラマンらしい展開も特徴です。ただずっと、人々の笑顔を叶えたいケンゴの真っ直ぐさと、GUTS-SELECTのメンバーの明るく和やかなやり取りや、飄々とした謎のトレジャーハンター イグニスの存在は本作の"らしさ"を強調するものになってとり、どこかR/Bにも似た温かな物語とも言えます。ウルトラマントリガー全25話。ウルトラマンの入口にどうぞ。

ウルトラマンデッカー

ウルトラマンデッカー

おすすめ度★★☆☆☆

あらすじ

「ウルトラマントリガー」本編から7年後……。さらなる宇宙進出へ向けて技術が飛躍的に向上したネオフロンティア時代を迎えた地球。煎餅のお店明日見屋の一人息子のアスミ・カナタは謎の飛行物体"スフィア"の襲撃に会う。GUTS SELECTは既に防衛の規模を縮小しており、その場しのぎの突撃銃を受け取り猪突猛進にスフィアに立ち向かうカナタ。スフィアに襲われ、絶体絶命のその時、光の声を聞く。自らをウルトラマンデッカーと名乗るその光を手にした時、カナタの手には変身アイテム ウルトラディーフラッシャーが握られていた。宇宙へ飛び出しスフィアを迎撃するデッカーだったが、あまりの数に敗北を喫してしまう。地球はスフィアバリアによって閉ざされ、火星との交信も途絶えてしまった。
カナタはスフィアから人々を守るという決意を固め訓練校へ入学、新生GUTS-SELECTの隊員となった。人類の、地球の明日を勝ち取るための戦いが始まる。

アピールポイント

本作は「ウルトラマントリガー」直系の続編にして、トリガーと同じく作品モチーフを25年前の「ウルトラマンダイナ」に置いているということで、引き継がれている要素が大変に多い。ですが、本作の持つスポ根的熱血感や、閉塞された地球環境という、コロナ禍にも重なる舞台設定は常に色褪せないポイントです。前作、トリガーの最終回を踏まえた内容や、ネタバレを含むため視聴順はトリガー→デッカーであることが必須かとは思われますが、細かなことを気にしないのであれば星も★★★★☆位まで昇格する程、作品の持つ一貫した熱さ、そして真っ直ぐさの光る作品になっています。また本作には、故郷を失ったバズド星人アガムス、すっかり影を落としてしまった宇宙格闘チャンピオンのグレゴール人グレース、ペットのエレキングの暴走を停められなかったピット星人のユウコ等、彼らに共通する「帰れなくなってしまった。」、そういった人情溢れる宇宙人キャラが多数見られるのも本作の特徴の一つと言えるでしょう。ウルトラマンデッカー全25話、ウルトラマンの入口にどうぞ。

ウルトラマンブレーザー

ウルトラマンブレーザー

おすすめ度★★★★★

あらすじ

1966年以降、怪獣災害が常態化した地球、怪獣への募る危機感から地球防衛隊であるGGFが発足。その凄腕隊員にして部隊長のヒルマ・ゲントは、夜間に出現した宇宙甲殻怪獣バザンガの掃討作戦に参加。ゲントは持ち前の機転を利かすことで、自分たちの任務"特殊弾をバザンガの腹部に直撃させる"を達成。しかしそれは、本来の指示とはズレたものでありバザンガへの効果は認められず、ゲントの部隊は危機に瀕する。別地点の仲間を救うため、自ら身を投げ出して仲間の元へ向かうゲント、そこへバザンガの驚異が迫る……。
その時、眩い光とともに神秘のアイテム ブレーザーブレス ブレーザーストーンが現れる、導かれるままストーンをブレスにセットするゲント。瞬間、光に包まれゲントは未知の巨人、ウルトラマンブレーザーと一体になっていた。
後日、ゲントは特殊怪獣対応分遣隊SKaRD(スカード)の隊長に任命される。選抜された個性溢れるSKaRDのメンバーと合流したゲント、そしてもう1人の仲間ウルトラマンブレーザーとの物語が、今始まる。

アピールポイント

この作品はあらゆる面で1966年の初代「ウルトラマン」へと回帰した作品となっています。そして、ウルトラマンとしてだけでなく、人外ものとしての完成度も間違いなくピカイチなのです。ゲントとブレーザーの言語を超えたコミュニケーション、信頼。それは主題歌「僕らのスペクトラ」や劇場版主題歌「星と獣」で歌われているように本作のメインテーマであり、ウルトラマンと人間の新しい距離感を確立した作品とも言えます。特撮面でも非常に優れていて、ブレーザーの槍状の必殺技"スパイラルバレード"は様々なバリエーションで場面を彩り、彼の神秘の狩人感を印象づけるものになっています。今作はウルトラマンの王道と、チャレンジ精神の溢れる新鮮な展開を両立した、ニュージェネレーションウルトラマン最高傑作と言っても差支えのない完成度なのです。最終回では涙必至、ウルトラマンブレーザー全25話。ウルトラマンの入口にどうぞ。


おわり………?

さて、ニュージェネレーションウルトラマンの紹介が終わりました。残すは7月から放送されるウルトラマンアークをよろしく……、ではなく。解説はまだまだ終わりません。この時点で9930文字、そろそろ「こいついちいちい長ったらしくてうっとーしーんだよな〜」とか思っているころかもしれませんが、まだもう少しお付き合い下さい。ではここからは、アマプラ・YouTubeで見られるウルトラマンの紹介です。




シン・ウルトラマン

ウルトラマン(シン・ウルウルトラマン)

おすすめ度★★★★★

あらすじ

近年になって巨大不明生物こと禍威獣(かいじゅう)が出現するようになった日本。日本政府は新設の防災庁主導で、禍威獣対策のエキスパートを集めた禍威獣特設対策室、通称禍特対(かとくたい)を設立。
禍威獣第7号ネロンガの出現ともに禍特対は現地へと向かい対策を決めあぐねていた。集落に残された子供を発見した禍特対の神永真司は救出を申し出、保護する。そこへ突如として大気圏外より球状の物体が付近へ墜落。辺りに凄まじい衝撃をもたらす。神永はその衝撃から子供をかばい、爆風で飛ばされた岩にぶつかり命を落としてしまう。土埃の中からその姿を覗かせる、歪な顔をした"銀色の巨人"と称されるそれは、たちまちに必殺光線でネロンガを撃退してしまう。ちらと神永の方を一瞥した後に、レーダーでの追跡が不能なスピードで飛行、巨人はどこかへと姿を消してしまう。
巨人は、死んだ神永の身体を借り、禍特対の中で振る舞う。新たな禍威獣の出現、そして度重なる外星人の出現。人類から"ウルトラマン"と名付けられた彼は、人類の為にあらゆる陰謀と立ち向かう。

アピールポイント

今作は2時間規模の映画作品。あっさりとした見やすさと、その確かな見応え。2時間の中に"ウルトラマンとは"をこれでもかと詰め込んだこの作品はさすが脚本 庵野秀明と唸らされる。初代ウルトラマンに焦点を当てた作品ながら、現代風にリブートされた作品であり、新規の方にも飲み込みやすい作品になっているのも素晴らしい。此方も人外ものとしてのウルトラマンの解像度が大変に高い作品で、2時間の中にウルトラマンと人間の絆の物語がぎゅぎゅっと濃縮されている。デビューにこれほどまでにうってつけの作品は今まで無かったと言えるだろう、今作からファンが増え、実際の興行収入も歴代ウルトラシリーズ最高額を記録したことからも、作品の持つ力が伺える。空想特撮映画シン・ウルトラマン。ウルトラマンの入口にどうぞ。

ウルトラギャラクシーファイト
ニュージェネレーションヒーローズ

集結するニュージェネレーション

おすすめ度★★★★☆

あらすじ

ウルトラマンR/Bの戦いからしばらく経ったあと……。宇宙では、かつてウルトラ兄弟によって倒されたはずのウルトラダークキラーが復活し、全てのウルトラ戦士の抹殺を企んでいた。ウルトラダークキラーはXとジードの身体からそれぞれのダークネスを作り出し、私兵にしていた。重ねて、ウルトラマンゼロとロッソブルの妹であるウルトラウーマングリージョを誘拐。ダークキラーゾーンという封印空間へと幽閉してしまう。
自体を察知したウルトラマンタロウはニュージェネレーションヒーローズを結集させ、恐るべき闇の巨人との戦いを決意することとなる。

アピールポイント

本作は最終回がウルトラマンタイガ1話冒頭に繋がる作りとなっており、ギンガ〜R/Bまでの新世代ウルトラマンをおさらいできる内容になっているのだ!それまでの全てのウルトラマンが結集し、巨悪と戦う。という大雑把なストーリーラインで話が進むものの、それまでのウルトラシリーズ6作品のキャラクターに一挙に触れることが出来、長期的にウルトラシリーズ視聴を考えた際に"気になるキャラクターカタログ"として視聴することの出来る唯一無二の作品になっているのだ。YouTube上で50分のFULL verが公式で配信されており、ながら見にちょうど良い規模感(かもしれない)。今回の私のプレゼンテーションで「なんかどれもぱっとしないけどどれか見たいな〜」みたいな感想に陥ってしまった場合、この作品を視聴し、己の嗅覚を頼ることを進める。ウルトラギャラクシーファイトニュージェネレーションヒーローズ、ウルトラマンの入口にどうぞ。

ウルトラギャラクシーファイト
大いなる陰謀
ウルトラギャラクシーファイト
運命の衝突

番宣ポスター

おすすめ度★★★★☆

あらすじ

(ふたつまとめての紹介なので超ざっくり)
各地で、ウルトラヒーローや関連人物が謎の襲撃を受ける事件が多発。その裏で糸を引いていたのは謎の勢力究極生命体アブソリューティアンだった。アブソリューティアンは無限の再生が可能なアブソリュート・ハートや時間遡行能力を使用して生み出した並行同位体の作成など、並外れた力を持ってウルトラヒーローの抹殺を宣言した。両者の関係は大戦争の様相を呈し、激しくぶつかり合う。勝つのはウルトラマンか、アブソリューティアンか……!

アピールポイント

今作は前述の「ウルトラギャラクシーファイトニュージェネレーションヒーローズ」の好評を受けて作られたオリジナルシリーズで、前作と同様YouTubeでの配信。作品規模は「ニュージェネレーションヒーローズ」に比較して更にパワーアップし、昭和、平成、令和の垣根を越えたウルトラマンのお祭り作品へと昇華。当然登場人物の数は凄まじく、一挙にウルトラマンを覚えたり、自分の気になるウルトラマンを見つける"ウルトラマン索引"として非常に便利な作品となっています。そんなウルトラギャラクシーファイトシリーズ、次作にして最終作にあたるウルトラギャラクシーファイト最終戦争(仮タイトル)のアナウンスがまだなされていません。未完結の作品、ということになってしまいますが、作品ごとの区切りはしっかりとしており、現状でも十二分に楽しめる作品となっています。アブソリューティアンとの戦いが苛烈になるウルトラギャラクシーファイト、ウルトラマンの入口にどうぞ。





終わり!

今度こそ終わりです。400字詰原稿31枚分の旅は如何でしたか?疲れた?長い?まあ良いでしょう。
以上、魅力溢れるウルトラマン作品のご紹介でした、何か一つでも気になるな〜触れたいな〜みたいに思える作品が見つかると、私はとっても嬉しいです。また、なにかの機会で私がnoteを描きましたらその時に。

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