第一章 夜の世界へようこそ③
営業が始まり、本当にすぐに美島さんはやってきた。
あたしは、早速浜っち(はまっち)に呼ばれる。
浜っちとは、着け回しをしている人だ。
女の子をどの卓に着けるのかは、全て浜っちの判断だ。
「梨紗、七番テーブル指名美島様ね」
「はあい」
美島さんの卓へ、ゆっくりと歩いていく。
「美島さんっ♪」
「梨紗、オレ一番乗りじゃん笑」
「良かったよお、ヘルプ周り絶対嫌だし。ビール、飲んでいい?」
「おう」
「ビールお願いしまあす!」
美島さんに、お酒を作ってあげる。
美島さんは、この店に来て結構長い常連さん。
テーブルには、色々な種類の飾りボトルが所狭しと並べられている。
いつも一杯目に飲むのは、ウイスキー水割りだ。
「はい、どうぞ」
「サンキュ。梨紗のビールはまだ?」
「来た来た!乾杯しよ、乾杯♪」
プハーッ!
ビール美味いっ!
あたしは、お酒大好きっ子なんだ。
美島さんは、あたしが店で仲良くしている女の子をいつも場内指名してくれる。
席に着かせて、飲ませてくれる。
本当に優しい人だ。
「愛梨が、美島さんと話したいって」
「愛梨?呼んで呼んで。愛梨が来ると、うるさいけどなあ笑」
愛梨がいる卓は、必ず盛り上がって笑いが絶えない。
愛梨が、素で皆を笑わせてくれるから。
「美島さん!久しぶりじゃないですかあ!」
早速、愛梨がやってきた。
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