ICLSの研修に参加。チーム医療の重要性を認識した話。

「院内でICLS研修が受けられるから、受けてみたら?」と師長からの推薦もあり、つい先日ICLSの研修を受けてきました。

医療者ではない方はICLSという言葉自体が聴き慣れないと思います。車の免許を取る時に教習所でBLS 心肺蘇生の講習を受けていると思いますが、それの医療者向けの講習がICLSになります。

Immediate Cardiac Life Supportの頭文字をとってICLSとなります。直訳すると「心停止に即座に対応する処置」となります。要するに心停止している人に対していち早く救命のための処置をする方法がICLSです。

ICLSで学んだ専門的なことは後日まとめるとして、今回はタイトルにもある通り救命蘇生にはチーム医療が欠かせないと思ったので、そのことについての考えを書いていこうと思います。

ICLSのコース自体はみっちり1日かけて行います。目的には1日かけて実践を繰り返すことで蘇生のために必要な技術や蘇生現場でのチーム医療を身につけることと記載されています。記載されている通り座学はほぼなく、朝からずっといろいろなシチュエーションでの実践を繰り返しました。

今思い返しても朝から夕方までずっと胸骨圧迫してたなーという感じです。でも、座学ではなく、実践を繰り返すことが救命とい行為において大切なことだと感じました。

救命処置が必要な状態とは何らかの原因で心停止している状態をさします。心停止をしている人を間近で見たことない人がほとんどだと思いますが、気持ちは焦るし、いざ救命処置をしはじめるとめちゃくちゃバタバタします。

実際につい2週間くらい前の夜勤中の早朝6時過ぎに急変があり、急変時のバタバタ感や、焦りを感じたところでした。ちょうど一緒に働いていた1年目の僕の指導担当の新人はどうすることもできず立ち尽くしていました。

はじめて心停止や急変の現場に出会うとその新人のように動けなくなります。でも、いち早く蘇生が求められる現場では立ち尽くしている時間はありません。だからこそ、そのような状況でも行動ができるように実践を繰り返すことが必要でした。

コースに参加したのは年齢も所属もバラバラの6人の看護師でした。僕はだれも面識がなかったので静かにこそこそ研修を受けていました。

いろいろなシチュエーションでの実践がはじまると静かにこそこそしていることはできなくなりました。6人にさまざまな役割が与えられて、蘇生するために救命を行います。実践はさながら実際に急変した患者目の前にいるくらいのバタバタ感でした。

1回目のローテーションが終了し、講師がその様子を動画で確認するように促しました。実際に蘇生を行っているコース参加者の6人はバタバタしており、気がついていませんでしたが動画で客観的に見ていると、声も出ていないし、それぞれがそれぞれの役割に必死で周りが出ていないことが判明しました。虚しく響き渡る胸骨圧迫のカウント、、、。笑

そん動画を見終わった後に講師の人が一言。「全くコミュニケーション取れてないよね。しっかりキャッチボールしないと絶対にミスが起きるよ。」

1回ごとに6人で何がいけなかったのか、一人一人がどのように行動し、声かけが必要だったのか?声をかける時には何に注意したら良かったのか?振り返りをしながら実践を繰り返しました。

12回目はさらに実戦に近づけるために、胸骨圧迫の時間は2分間しっかりととり、合計したら15分近く救命を行いました。

1回目の時とは比べ物にならないほど、コミュニケーションも活発になり、ミスもなく終了することができました。12回のコースを通してどんなことを意識したことが3つありました。

①自分が何をしているか伝える
②誰に声をかけているかわかるように名前をいう
③声をかけられたことは復唱する

文字にするとめちゃくちゃ当たり前のことですが、切羽詰まった緊張感のあるあの状況でこれがなかなかできないんです。

しかも、なんで急変したのか?ということが実際はわからないまま救命処置を開始することになるので、なにをすればいいの?と動けなくなってしまいます。

だからこそ、誰が何をしているのか?これから何をするのか?などお互いに声かけを行い、情報を共有しておく必要があります。

救命処置をする時は一旦落ち着いて、周りの状況を把握して、これから自分が何をするのかチームのメンバーに共有しましょう。それができるだけ十分だなと思いました。





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