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【七峰】エリータ-1、おまえは美しい

【日報】2024/09/28付

 近所の家電量販店でトランスフォーマーを買った。

 この「エリータ-1」は正確には『トランスフォーマー アーススパーク ESD-14 DX エリータ-1』と言い、アニメ『トランスフォーマー アーススパーク』内のキャラクターなのだが、映画『トランスフォーマー/ONE』の同名キャラクターが変形アクショントイとしては商品ラインナップに乏しい感じだったので「これでいいや」と思って選んだ。

 おれの本命は「ブレイブコマンダー」こと『トランスフォーマー/ONE ブレイブコマンダー オプティマスプライム』なのだが、当然のように緻密な造形=高額という次第で、今のところAmazonで15%値引きされていると言ってもすぐには買えないな……と(わりと何にでも財布の紐を緩めるおれではあるが)買い渋る感じだった。

 もっとも、これがガチで大人向けに焦点を絞った商品だと1万5千は飛び越えてくるので買う買わないで考えるのを途中からやめたくなってくる。

 大いなる散財には大いなる責任が伴うものだ。そのうえ大概のオモチャはよっぽどのUSED品以外はそうそう値下がりしないものと相場が決まっているからやりきれない。

 それはそれとして、エリータ-1はなかなか良い。

 まず、買った時のデフォルト(ビークルモード)が手乗りサイズのSUVというのが実に子ども心のくすぐられるオモチャだ。見かけほど車輪は接地しても回らないが、手で机の上を走らせてみたくなる。そういうデザインだ。

こう、二丁拳銃が車体についていると「車輌というより兵器なんだな」って感じがする

 これをロボットモードへ変形するには、一度取り扱い説明書を読む必要がある。どこのジョイントを外すかさえわかれば後は慣れだ。

 おれの掌上でたちまちのうちにオートボットの女性戦士が現れる時、「Coolだ……」と思わずにはいられなかった。

 後で調べると、首を左右に動かして表情をつけることもできた。

遮蔽物に隠れながら敵の様子を伺うには向いてないな、とこれを見てわかった

 そして、またビークルモードへ戻す……その際に、足のパーツを言わば逆関節のようにグッと可動させるので少し関節部分の摩耗や過負荷が心配になった。大人の手だと力の加減が難しいが、そこはむしろ子どものほうが容赦ない可能性もあるなと思った。

 映画のエリータ-1は、最初出てきた時「最近の作品には必ず一人は出てくるタイプの女性か」とも思ったのだが、吹き替え初挑戦である吉岡里帆の熱演もあり、鉱山労働者としてのプライドと表裏一体の芯の強さや頭の良さでリーダーシップを発揮するキャラクターとして好感が持てた。
 なまじオライオンパックス、D-16、B−127が何もすることがなかったら延々と駄弁ってる三馬鹿男子グループっぽい部分もあるので、彼女が話を進める役回りになることも多かったがゆえに「なくてはならない存在」という印象が強まった。

 とはいえおれが彼女のことを好きになった第一の理由は、その女性的なラインにあることは疑いの余地もない。

 おれはメカ娘に関しては「ヴァルシオーネは好き」という感じだったが、機界戦隊ゼンカイジャーのゼンカイマジーヌを「いいな」と思う気持ちを大切にし、もっとメカ寄りのメカ娘も好きになれるよう頭の土地を肥やしてきた。それが芽吹いたわけだ。

 いわゆる女性型のトランスフォーマーに対してはトランスフォーマーというジャンルについて無知であることもあり今までそんなに思い入れがなかったのだが、やはり『トランスフォーマー/ONE』を見て印象は変わった。

 パンフレットなどでは地球人のドラマを抜きにしたトランスフォーマー作品は初めての試みとされているが、彼らは十分にドラマを作れるキャラクター性を秘めていることは日本の二次創作やらネットミームやらで完全に証明されており、そこには驚かない。

 相手を知り「自分ごと」にして初めてその魅力がわかった。だからこそ、ONE版のエリータを変形アクショントイとして自分が納得のいく形で手に入れたかったのだが……まあ、そこは仕方ない。

 ビークルモードで手遊びし、ロボットモードを愛でる……この時間がおれに新たな刺激を与えてくれる。

(了)

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