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【あたし・マスト】和泉愛依について

お世話になっております。
のなめです。

本記事では、先日実装された「【あたし・マスト】和泉愛依」を読んでみての感想・考察について書いていきたいと思います。

本コミュは、これまでの愛依の歩みの総まとめともいえる内容であり、同時に彼女をプロデュースするPにとっても大きな転機ともいえる内容だと感じています。

拙文ではありますが、お付き合いください。


<注意事項>

以下の文章には、次のコミュの内容が一部含まれております。
ネタバレがありますので、十分注意のうえ、お読みください。

・【メイ・ビー】和泉愛依
・【何度転んだって】和泉愛依
・【あたし・マスト】和泉愛依
・【ストレイライト】各種イベントコミュ










おさらい:【メイ・ビー】和泉愛依について


あたし・マストについて話す前に、前日譚という立ち位置であるメイ・ビーについて話します。

このコミュでは、プロデューサーが愛依の友人と出くわし、これまでのアイドル活動で演じていたクールでミステリアスなキャラの愛依(以下「あたし」)に対して、強烈な文句を吐かれるという出来事があります。

この愛依の友人はさなぴーといい、愛依と同じ学校に通っている女子です。
彼女は学校でいつも接している普段の愛依をとても気に入っており、それ故に愛依とPが作っている「あたし」への嫌悪、さらには「あたし」の生みの親であるPに対しても嫌悪感を抱いています。

この出来事に対してPと愛依は少し感情的になったこともあり、その場でさなぴーを説得するには至らず、心の中にしこりを持ったまま別れることとなります。

この後愛依は、「大切な人をを守れるようなアイドルになりたい」、という明確な目標をPに伝えます。これまでのアイドル活動の際に見せた一歩引いた姿からは想像できないほど決意に満ちた言葉です。その背景には、さなぴーとPとの会話の中で感じた自分自身に対する不甲斐なさや、このままではいけないという危機感もあります。

【メイ・ビー】より

とはいえ、アイドルとしてはまだまだ駆け出しで、ユニットの中でも実力不足を自覚しているのもまた事実です。最終的にはさなぴーにこれからの「あたし」を見て、どう感じるかを決めてほしいと判断をゆだねるところに落ち着きますが、さなぴーの回答は得られないままにコミュは終わります。

【メイ・ビー】においてさなぴーの言動が与えたインパクトは愛依とプロデューサーにとってはかなりのものと言えるでしょう。しかし、これがきっかけとなって愛依はアイドルをやる原動力を得ることになります。それまであさひや冬優子に引っ張られるがままだった愛依が、自分の足で立つという意志の強さを手に入れた瞬間であり、和泉愛依を語っていくうえで欠かせないコミュと言われる理由でもあります。


そして【メイ・ビー】の実装から実に4年。このコミュの続編ともいえるカードが登場しました。




【あたし・マスト】和泉愛依 の前に

このコミュでは、ソロパフォーマンスでのライブのオファーを受けた愛依が、「誘いたい人がいる」と言い、ある人物の正体をお願いするシーンがあります。その人物こそがさなぴーであり、愛依はこのオファーをさなぴーが「あたし」を認めて受け入れる場にしたいと考えました。

これに対し、さなぴーは愛依の覚悟を受け止めきれる自信がないと誘いを保留します。普段の愛依を好きだからこそ、その愛依自身が演じる「あたし」を好きになることで普段の愛依を愛せなくなってしまう可能性を危惧しての判断です。

果たしてさなぴーは来るのか、愛依の思いは伝わるのか。
その結果は後に回すとして、愛依のこの決断に至るまでの道のりを簡単に振り返りつつ、【メイ・ビー】から成長した部分を掘り下げていきましょう。



・愛依が持っていた才能

【メイ・ビー】実装時点での和泉愛依の人物像としては、ざっくりというと「本来の天真爛漫なキャラがステージ上で出せない事情があり、それを隠すために「あたし」をプロデューサーとともに作り上げた女の子」になります。

これは愛依にとってはもちろんのこと、ステージの外の愛依をスカウトすることになったPにとっても大きな痛手であり、言ってしまえば自身の強みを潰しながら活動をしている状態でした。WINGは「あたし」を何とか本番までに完成させたことで事なきを得たものの、いつかは「うち」としてステージに立ちたい・立たせたいという心は残ったままでした。

そんな事情も相まって、あさひや冬優子の突出した才能を手放しでほめつつ、「2人はすごい、それに比べて自分は足を引っ張っている」という無意識的な自己否定を抱えたまま活動をしている状態にあった中、一つの転機が訪れたのが【WorldEnd,BreakDown】です。

このコミュで開花した愛依の才能、それは「カリスマ性」です。
あさひの持つ圧倒的なセンス、ふゆ/冬優子の持つテクニックは持ち合わせていないものの、2人が意気消沈する中で見せたメンタリティやさりげなく見せる気遣いは間違いなく愛依が突出しているものであり、実際に【WEBD】はベストな結果にはならなかったものの3人の絆をさらに強固にする結果になっています。

ストレイライトは結成初期に空中分解を起こす危険性をはらんでいたユニットであり、それが今日までユニットとして機能しているのは間違いなく愛依によるところが大きく、だからこそ「真ん中」にいるのです。

【WorldEnd,BreakDown】より

カリスマ性とは、技術や身体的特徴ではなく、自身のメンタルによるところが大きいです。お人好しで仲間思いで、大事な人のためなら後先考えず飛び出してしまうような思い切りの良さを持っている愛依は、アイドルとして最大の強みを持っています。


・「あたし」の成長

愛依が才能にあふれた魅力的な人物であることは前述のとおりですが、それはあくまで「うち」の話であり、「あたし」はまだまだ2人に及ばない実力であることには変わりません。

しかしこれ以降のイベントコミュで「あたし」はその成長を随所に見せていきます。

【Run 4 ???】ではふゆが赤組のメンバーと言い合いになりそうな場面で、自分の考えを伝えてその場を収める場面や、冬優子が自分たちのためを思って考えたアンカーを譲って背中を押す場面がありました。

【メイ・ビー】で芽生えた気持ちをアクションに変えて、周囲にポジティブな気持ちを波及させる。「あたし」でいるときに「うち」の才能を表に出すことができるようになったと感じるシーンです。

【Run 4 ???】より

とくに上の画像のシーンは、冬優子の考えを聞いてなお「だったらこうしたほうがいい」という自分の気持ちをぶつけて冬優子を後押ししています。
自分で考え事をするのは得意ではないと自認しつつも、友達のために行動する愛依の魅力が、自分の言葉で出力できるようになったことはとても大きな成長です。


・「あたし」の挫折

続けて紹介するのは【VS.】です。ストレイライト同士のガチバトル。イベントコミュという名の愛依STEPであるため、まだ読んだことのない方はぜひ鍵を開けてみてください。

ここで愛依は自身のアイドル活動で最大と言ってもいい挫折を味わいます。「あたし」をしてのステージ上のパフォーマンスに一定の自信を持った中で、あさひのパフォーマンスに圧倒され、冬優子と実際にバトルして、そのことに感謝しながらも涙ぐむシーンは印象深いものがあります。


【VS.】より

痛感した2人との差。しかしこれを実感できるほどに、和泉愛依はアイドルとして成長したということでもあります。しかしそれ以上に、「勝ちたい」という強い感情とそれが叶わなかったであろう現実が愛依にとっては重いのです。

結局はステージ上の結果がすべて。それは、ストレイライトとして多くの現場を経験した愛依にとっても同じ事です。この経験は「あたし」としての一つのターニングポイントであり、【VS.】を通じて愛依はアイドルとして大切なものを手に入れることになります。


・Going My Way

【何度転んだって】


※このカードは和泉愛依のマイコレであり、イベントコミュとは時系列的なつながりはありませんが、できれば【VS.】の後に読みたいのでここで紹介します。

このコミュで描かれているのは「あたし」の失敗・挫折、そこからの再起です。ソロ曲のオファーを受けるもののなかなか結果を出せない愛依と、失敗が続いて落ち込むプロデューサーがまた前を向いて走っていくストーリーですが、そこで出てくる言葉を紹介します。

【何度転んだって】より


この言葉は、失敗が多くそのことに悩む愛依に対してPが送った言葉であり、このコミュにおけるキーワードとなっています。【VS.】をはじめとした傷、そして数えきれないほどの失敗。そのすべてが、未来へ続く道となる。決して器用とは言えない愛依、プロデューサーだからこそ響く言葉であり、ストレイライトではない「あたし」そのものとしての勝負に挑む愛依にとって密かな心の支えとなっている言葉です。


多くの失敗と傷を糧にして、成功に少しずつ近づいていくことは簡単ではありません。しかし愛依にはそれをできるだけの気骨、経験が備わっています。「あたし」が高らかに歌い上げるソロ曲【Going My Way】は、何度傷つき倒れても立ち上がって挑み続ける強い意志が歌詞とメロディから伝わってきます。

愛依はもともと持っていたカリスマ性を、ここまでの経験を通じてアイドルとしての魅力に昇華させたといえるでしょう。闘争心を隠さず、失敗を恐れず、何度転んでも立ち上がって、夢に向かって走り続ける愛依の姿を、私は応援せずにはいられません。


【あたし・マスト】

ここまでの文章を読んでいただいて、やっと【あたし・マスト】の話ができます。

愛依の誘いを受けて、さなぴーはライブハウスで愛依の全力を目の当たりにし、考えを改めるに至ります。そしてプロデューサーと和解することとなります。

ライブの後、愛依はこんなことを言っていました。

【あたし・マスト】より

「誰かを守れるようになりたい」と言っていた女の子が、大きく、たくましく成長して、大事な人を守ることができた。挫折と失敗を未来への道に変えて、夢を自分の力で叶えた瞬間です。涙を流した方も多いと思います。自分もそうでした。

このコミュは【メイ・ビー】以降の愛依の紆余曲折を見れば見るほど、大きなカタルシスを感じることができるものとなっています。これまで歩んできた道が決して間違いではなかったということ、なかなか結果が出なかった愛依がつ、努力の末に遂に「勝利」したということ。そして何よりも、勝利して得たものがさなぴーとのより強固な友情という、愛依らしい優しいものだったということ。そのどれもがプロデュース冥利に尽きるのです。


おわりに

今回は【あたし・マスト】というよりもそこにたどり着くまでの過程をメインにお話ししました。

【あたし・マスト】はそれ単体で完結するコミュではありません。それだけに、順序を追って物語を読めば、ものすごく味わい深いコミュとなっています。

これを機にぜひ、愛依の成長の物語を一緒に歩いてみるのはいかがでしょうか。


そして、【あたし・マスト】はゴールであり、新たなスタートです。また一つ強くなったアイドル・和泉愛依の姿を見られることを期待しています。




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