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おすすめされて読んだ本 #1 #2 #3

最近は時間が余って仕方ない、というか学生生活今まで慌ただしすぎて読書に時間を割けなかったので、たくさん本を読んでいます。月に20冊くらいを目安に、とりあえず爆読みという感じです。

本というのは、私にとって

・知識面・教養面で自分を豊かにするもの
・エンターテインメント
・自己表現の幅を広げ、感性を豊かにするもの
・より最適な生活ができるようになるヒント
・著者と繋がるパイプとなるもの

といった目的を達成する手段として認識しています。

なので、「読書が好きか?」と訊かれると、「本は日常的に読むけど、その行為に対して好きとか嫌いとかの感情は特にないです…」という非常に退屈な回答をしてしまいます。単なる娯楽としては、映画など別の媒体に互換されやすいものです。反抗的な気分になっている時は、どんな形態の本も読めなくなります。

そんな私ですが、最近は読書の新たな面が見えてきています。それは、コミュニケーションの手段としての読書というもの。なので最近は、会う人会う人におすすめの本を訊いています。そして教えてもらったからには、きちんと感想をお伝えしたいと思い、拙いながらも(何せ感想を述べるのが苦手なので)ブログを更新した次第です。

概要と感想が若干ごちゃついていますが、大目にみてください…。

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#1 賢者の贈りもの / O・ヘンリー

幼稚園の頃からの長き友人によるおすすめ。O・ヘンリーの名前だけは聞いたことあるという人も多いのではないのでしょうか(私もそうでした)。

・概要というか紹介というか

16の短編からなる傑作選の第一作。長くても二十数ページの作品で、非常に読みやすいです。難しい小説という感じは全くなく、簡単な落語を聞いているような、もしくはテレビで「人志松本のすべらない話」を見ているような、そんなテンションで読み切れます。

でも内容はウケる~!ゲラゲラ!って感じではありません。等身大な人間の生活をそっと覗き見て、微笑ましい気分になれる、そんな感じです。(とはいえ、驚くほど洞察力に富んだ作品が多いです、さすがアメリカを代表する短編作家です。)

・感想

第一作目、たった10ページの「賢者の贈りもの」を読み切って、「あ~~~、そういうノリね!素敵!(にやにや)」みたいな気分になった!そして最後までその期待を裏切らない作品で一冊読み切れた感じ。どの作品も、数行先がなんとなく読めちゃう節はあるけど、それでも読んでいて楽しかったです!

好きな作品ベスト3は、「手入れのよいランプ」、「巡査と讃美歌」、「賢者の贈りもの」です。元々この本に限らず、人間の真理や本来の姿を秀逸に表現しているような、洞察力に富んだ作品が好きなのね(本なんて全部そうだと言われてしまいそうだけど)。それ故のチョイス。表現の仕方はいろいろあるけど、日常に溶け込んだ等身大の人間が演じているだけあって、キュートで微笑ましいのが素敵でした。

とはいえ上の三作は、些か著者によって解説過多になっている感じもありました。解釈の余地が小さいというか。若干説教じみているというか。でもまあ、だからこそ多くの人に受け入れられるのかな。

全ての作品で、マジでどの作品も登場人物が魅力的すぎました。推しキャラ選べん!!!!!どのキャラも憎めなくて可愛らしかったです。


#2 赤頭巾ちゃん気をつけて / 庄司薫

あゆからのおすすめ。ブックオフで探したら税込み270円だったのでもう即買いでした。

・概要というか紹介というか

うーん、この本の内容は、簡単には言えないです、だって驚くことに、179ページに及ぶ文章で描かれているのはたった一日の出来事で、それ以外は全部主人公・薫の独り言のようなもんなのです。論理と感情のバランスが良い塩梅で調理されて、オリジナルテイストで出てくるんですよ。ある意味で、この本は不確かな面も含めてとても正確に書かれている。要約してしまったら、「あーあ」、そんな台無しで乱暴なことはできません…。

というような内面描写がこの本の一番の魅力です。しかしそれだけではなく、「知性とはなにか」「民主主義とはなにか」、主人公・薫の内面を通して多くのことが考察されます。民主主義、そして自由主義が揺らぐ今の世界に生きる私たちの一助になる一冊です。(特に、私と同じ高校だった友達とかに読んでほしいな、なんて思ったりします。)

・感想

読了後、「ああ、これちゃんと自分の中で砕いて納得したい、あとがきや解説はそれまで読むのやめよう…」と思った。でもこれはまずい。やばい。何がやばいって、もうやばい。庄司薫風に感想を書くとこんな感じ。↓

例えば、太宰治の人間失格を読むと、一定数、いや本当に多くの人が「これは私のことだ、私のことを書いている!」と口を揃えて言うらしくて、私はそれを聞くと、ちょっと共感しつつも、「よくもまあそんな恥ずかしいことを!」と思って若干顔をそむけて引いてしまう(ごめんなさい、太宰治を読んだのは高校生の時なので、今は少し見方が変わっていると思うんだけど)わけです。でもこの本に関しては、白状すると、「私みたいだ」って、ちょっとどころか強く思う。これが「やばい」の正体。つまり、薫の表現を借りれば、「もうカーッときてしまって、舌噛んじゃいたくなる」んです。(この文章自体、言うまでもなく文体そっくり真似しちゃってるのだけれど!)

ゴマすり型にも、居直り型にも、亡命型にも、なれるようでなれないようで、なりたくないようで、飄々とした優等生に見えて、でも本当はこんなにも怠惰で、逃げもしないけど逃げ道は残して、この世界は重要じゃないと理解していて、そんな中でもひとつふたつの確かなもののために生活をしようと思う。そんな主人公・薫のその先につい自分の人生を重ねてしまう小野なのでした…。

 

#3 楽園のカンヴァス / 原田マハ

陰ながらとっても好きだなと思っている人のおすすめです!

・概要というか紹介というか

美術館のキュレーターと美術史の研究者が、一枚の絵画を巡って7日間の勝負を行う。それは、巨匠ルソーの「夢をみた」を正しく真贋判定した者に、絵画の取り扱い権利を渡すというもの。ただ真贋判定の手がかりは、一冊の本のみ。誰が書いたかわからない、事実か創作かも不明な一冊の古書を、二人は少しずつ読み進めていく。

・感想

なるほど、これが絵画文学エンターテインメントか~!!!普段あまり読まないジャンルの本なので新鮮でした。解説にあるように、ミステリーと美術史の組み合わせというものは本当に相性が良いんだと思います。絵画を手掛かりに謎を解く…というミステリーものは、なんとなく有りがちな気もしますね。

ただこの本において、著者はべつにミステリーを書きたかった訳ではなかったのではないでしょうか。絵というものは常にミステリー性がつき物で、その魅惑を心から愛する著者が、小説という媒体を通してその魅力を伝えようとした。そんな印象を受けました。だからあくまで主役はキュレーターと美術史研究家。彼らの視点から絵画を眺めることによって、絵画の魅惑に憑りつかれる。

「原田さん、まじで絵が好きなんだろうなーーー!」と思わされました。個人的には、絵そのものやルソーよりも、原田マハさんが気になる!そう思い、気が付いたらググっていました。今度はアート以外を対象にした本を読んでみたいな、なんて。

著者インタビュー -原田マハ『楽園のカンヴァス』 - 楽天ブックス

 

小説以外にもどんなジャンルの本でも読むので、おすすめの本あればぜひ教えてくださいー!

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