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海外インターン日記 21日目

Magandang gabi po! 
小野です。

フィリピンに来て、もう3週間が経ってしまいました。「21日目」と書いて驚きました。つまり、今が折り返し地点。

二週間とちょっと、更新が遅れてしまいました。

宿泊先の電波が悪すぎるのが一番の理由ですが、日々いろいろな感情がありすぎてまとめられず、自分のノート(OGXメンバーが作ってくれたノート!)につらつらと綴るのが限界でした。

まずはじめに、今までがどんな感じだったのかのまとめから。

 

一週目(2/1-2/7)

いろんなことがありました。環境の変化についていくだけで大変だっていうのに、突然の職場変更があったり、他の日本からの学生と一緒に行動することになったり。それでも最初は何をしても新鮮でアドレナリンがドバドバ出ていたので、全然疲れない最強な状態でした。新たな人との出会いにわくわくしたり、初めて見るものにどきどきしたり、刺激的な日々でした。

突然の職場変更というアクシデントにも、頭使って「これが自分の研修目的で、これを達成するために、これをして…」みたいなことを考えたり、人と話したりして整理していた期間でした。それを考えていないと、「ここで私はいったい何をしてるんだろう…」感に苦しめられそうだったからです。

二週目(2/8-2/14)

新しい職場にも慣れてきたころでした。アドレナリンが尽きてきて、めちゃくちゃ眠い日々でした。仕事から帰って、21時くらいにはノート抱えたまま寝ちゃうような日もありました。

「これを達成するために、これをして…」をたくさん考えようとするも、今の職場特有の難しさで実行が難しいことがたくさんありました。

三週目(2/15-2/21)

職場に行くのが楽しくて仕方ない日々でした。現地のアイセッカーとも遊園地に行ったり、日々連絡をとったりして、仲良くしてもらいました。

今週になってやっと職場の先生たちや、学校の生徒の保護者たちとまで話せるようになってきて、もうずっと職場にいたいとまで思えます。最初は「ここは元々来たかった職場じゃない…」という葛藤がありましたが、今は純粋に、本当に楽しくて、どんなに疲れていても生徒や先生たちが元気をくれます。

職場近くの光景、カオスな街

今考えていること

個人レベルのこと

Slackの日報はわりと個人内省が多めになっているかと思います。内省(逃げない自分になりたいとか、弱さを克服したいとかという元々海外インターンに参加したかった動機に関して)は、かなり何度も行われた気がします。

・研修の不確実性の高さ、自分の投資する6週間の価値(納得度)、そして忘れたくない社会への価値。これらをどうバランスとり最大限のパフォーマンスにしますか?

・「頭動かしながら足も動かす」とは?

・他者という不確実性と、私のとりたいリーダーシップとは?

・社会課題に「向き合う」ってどういうこと?

・人と協働する難しさについて

・ボランティアでなく、インターンシップである意味とは?

主にはこんなことを考えて日報に投稿していました。結局、自分がEB時代にできなかったことや答えを出せなかったことにここでも悩まされています笑

過去との違いは、考えることと動くことから逃げずに6週間という決められた期間を乗り越えようとする意志をもっていること。もうここフィリピンに来てしまって仕事もあって逃げられない状況の中で、逃げずに向き合い続けると決意していること。

毎日眠たい中、こんなことを考えながら日報を投稿しています。内容は日報と重複するので省略。

職場レベルのこと

現在は、障害をもった子供たちの通う学校で働いています。受け持っているクラスの生徒は10人ちょっと。幼稚園児‐小学校低学年くらいの子供たちのクラスです。もう、めっちゃくちゃ可愛いんですわ!!!

元々子供は大好きなので、どんなに疲れてふらふらでも出勤すれば元気復活です!ここの生徒はみんな知的障害をもっていて、その程度やもっている特徴は全然違います。言葉を使ったコミュニケーションをしない子もいれば、文字を書くのが得意な子、たくさん動く子もいれば全然動かない子、ダンスが得意な子がいれば苦手な子、たくさん食べる子に全然食べない子。とても個性豊かです。みんな違います。でもわたしはそんな環境で、それぞれの子供の素敵なところを発見するのが毎日楽しいです!

彼らは長時間記憶を保存するのがあまり得意ではないため、3週間近く毎日会っていても自分の名前を覚えてくれている子はまだいません。毎日一緒に遊んで自分の名前を教えても、次の日には忘れてしまいます。それでも一部の子は、「きよ…」とヒントを出せば「きよな!」と答えられるようにもなってきました。それで十分です。私は生徒たちが大好きです。

元々単純に子供が好きというのもあるんですが、このフィリピンという異国の地において英語もうまくしゃべれず、私にとっては普通にしんどい環境の中で、言葉だけでなく「笑顔や動作」で繋がり合える彼らにとても救われています。彼らは私の名前を覚えてはくれないけど、でもさりげなく抱き着いて来たり、私の顔を見ると嬉しそうに「Airplane!(飛行機ごっこ、高く持ち上げてクルクル回るという遊びをやれという意味)」と叫んで近寄ってきます。高い高いのしすぎで筋肉痛ですが、そんなのも愛おしいです。

(私はここにいる子供たちひとりひとりがどんな障害を抱えているかについて、知りません。他のEP仲間は先生や保護者にヒアリングしたりしていますが、個人的にはあまり興味がありません。もちろん、障害や教育について本格的に学ぼうとするならばそれらの知識が必要になってくると思いますが、そうではない私にとっては意味を感じないからです。)

生徒が可愛くてしょうがない一方、職場の先生たちもまた素敵な先生たちでとても楽しいです!小野は英語が本当にダメダメなのですが、辛抱強く(これは職業柄なのかな?笑)話しかけてきてくれます。私が大人しくしているとGoogle翻訳片手に迫ってきます笑 そんな先生たちに囲まれて毎日楽しく一緒に働いています。

そんな中で、子供たち、そしてこの仕事にどうやって向き合いたいですか?というのが今考えなくてはならないことです。

何か意味のある、子供たちや職場のためになることをしたい。「障害と教育(そして貧困)」という大きな問題にまで視野を考えて広げることは実現可能性から難しいと思います。なので今この海外インターン残り3週間の価値を最大化させるためには、せめて今目の前にいる子供たちや先生たち、そして保護者に何かを残すことが最重要課題になります。

さて、何を残すのか。

それが今のところ、まだイマイチ考えきれていません。職場の性質上、「教師の伝えたいことを伝える教育」ではなく「子供の特別なニーズに合わせた教育」が重視される中で、日本から来たただの学生が何かを残すのって、すごく難しく感じます。職場の先生たちは、「ただ子供たちと一緒に楽しめばいいよ」と言いますが、果たしてそれでいいのか疑問です。

3週目が終わり4週目にさしかかり、まだこの思考が詰められていないことに焦りを感じています。自分のご都合主義的な「自分の設定した目標を達成するためには、これをすべき」は見えているものの、今の「やりたい」と絶妙に食い違っているような、食い違っていないような…。絶賛もやもや中です。「子供たちに向き合うって一体なんなんだろうね」と四六時中考えています。

ほんとに可愛い

社会レベルのこと

ここフィリピンは、本当に日本とは違います。主には経済状況。これに関しては日報でもちょいちょい触れているので省略。ただ、本当に、目の前の格差、不正義に対して強い悲しみややるせなさを感じています。

たとえば、「フィリピン政府は予算がないから、障害をもった子供に対する教育や療法が行き届いていない。日本はしっかり制度が整っているからいいね!」という話を先生から聞かされた時のやるせなさときたら…!

ただでさえ、障害の有無なんて誰も選べないのに、それをどう生きるかの環境さえ自分で選べない。「人々の可能性が最大限発揮された社会」も何もあったもんじゃない。

それだけでなく、ここフィリピンでは経済格差の問題について考えさせられる状況がすごく多いです。「お金がない」って、こういうことなのかと衝撃を受けます。

大学でのゼミで経済を勉強していた時は、「なんだこの机上の空論は」と嫌気がさしていました。でも実際に貧困の現場を見てみると、その問題は大きすぎることがわかります。根本的に解決しようとして考えれば考えるほど、教科書的な理論になっていくんだろうなあ。

現状を目にして、いまの私はやるせなさを感じ、ただただ自分に何ができるのかわからず打ちひしがれています。

私は決して、「日本に生まれてよかったね」なんて思ったりしません。違いそのものではなく、生まれた場所や経済力によって格差が生まれてしまう不正義が目の前にあることがただただつらいです。(日本よりも豊かな国があることや日本の今後の展望を踏まえてもそのように思います。)

一緒に楽しく働いたり遊んだりしているフィリピンの人たちと、格差によって分断されているこの感覚が嫌で嫌で仕方ありません。「こんなクソみたいな世界」って思います。

じゃあ、そんなクソみたいな世界で私はどう生きますか?

というのが考えるべきことなんでしょう。これはたぶん、この6週間の中でというより、6週間終わってその後どうしていきたいですか?という話になってきます。
自己内省や職場レベルでの話は喫緊性が高いですが、今後将来的に、人生の原体験として記憶に残っていくのはこういうところなんだろうなあと思います。じっくり考えていきたいし、もっと考える材料を集めていきたいなという感じです。

トンド地区のスラム街

総合的に振り返って

めちゃくちゃ楽しいフィリピン生活を送っています。職場が急に変更になったことも含め、全部運命だったと愛せるレベルで今の生活を気に入っています。ただ、今後が正念場なんだろうなと思います。「いろいろ考えて6週間終わっちゃいました、楽しかったです、勉強になりました」で終わりたくないから、頭だけでなく足を動かし続けることだけはやめないでいたいなと思います。

折り返し地点になって、既に3週間後に訪れる別れを考えて泣きそうになったりします(情緒不安定)。職場で授業をしている時間も、生徒が見せてくれる笑顔も、先生たちとお昼休みに話す時間も、現地のアイセッカーと遊びに行く時間も、すべての一瞬一瞬が愛おしいです。こんな経験は一生ないだろうと思いながら、すべてを大事にしたいと思っています。

もちろん、すべてがプラスな感情ではないけど、悲しさややるせなさや悔しさも含めて、全部が愛おしいです。フィリピンに来てからずっと、この研修に関わっているすべてのアイセッカーや現地の人々、行かせてくれた家族に感謝しています。来てよかった。

ここからが正念場。頑張りたいと思います。

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