VR怪文書


**このお話はフィクションです。実在の人物とも非実在のVR存在とも関係がありません**

青い髪のネズミがゆっくりと語りだした。

「VRやって何が一番かわったか…ですか… そうですね… 歌…ですかね…」

「歌…とは」

「VRにはいって、初めて、ラブソングの意味が分かった」

「気持ち悪い。思いつめすぎでは?」

「私もそう思う。歌というとどちらかというと、こう捨てられた女の歌とか、思いつめる女の歌とかを喜んで聞いてた。振られた経験もないぐらいだけどほら、憎しみと悲しみだけは人間わかるじゃん」

「人間は言い過ぎだと思います」

「それがさ、会いたいとか一緒にいたいとかそういうしゃらくさい歌詞の意味がようやくわかるようなったんだよ、すごくない?」

「気持ち悪いです」

「はじめーてしーったーひとーのーあいー!」

「そのやさしさーにーめーざーめたおーとーこー!」

「VRチョップは」

「パンチ力!」

「VRキックは!」

「破壊力!」

「VRアイなら」

「透視力」

「VRカッターは」

「岩くだく!」

「いつも思うんだけど」

「はい」

「チョップはパンチ力はぎりぎり許すとして、カッターなら砕かないで切断してほしいよね」

「ですね」

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