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いちごの詩 さくらの死

いちごは赤い方が美味しいそうだ。
子どもの頃はそう思っていた。
いちごは、赤くても酸っぱいものもある。
赤くなくても甘いものもある。
そう気付くまでにそう時間はかからなかった。

同じ頃に、さくらは咲いているのが綺麗だと
勝手に決めつけて、
いつも空を見上げて、青に浮かぶ薄ピンクを眺めていた。

大人になって気付く。
さくらは散った方が綺麗だと。
優しいね。
下を向いているわたしを気にかけてくれているようだった。
ずっと上を向いて、元気を演じなくてもいいんだよと
君が言ってるみたいだった。

君が好きな花。

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