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ユングを詠む_(025)『シンボル』-『タイプ論』

『タイプ論』から『シンボル』とは。

1.     イントロ

 ユングの『タイプ論』https://amzn.asia/d/2t5symt [3]から、今回はシンボルについて。
 日常的によく使われる言葉だが、この言葉にもユングは特別な意味を与えている。
 タイプ論以外の著書にも、シンボルについて考察がでてくる。シンボルが元型や集団的無意識が姿を変えたりして夢や啓示など現れると言うので紹介することにした。

2.     シンボルの例

 ここに載せたのはGoogleで“三位一体のシンボル“で検索したもの。

Google.com

 三位一体とはキリスト教の神とキリストと聖霊が一体であるという教えとのことであるが、神父であるユングの父ですら説明できないほど難しい教えと言う。当然私にはわからない。(家紋のように見えなくもない。)

 このような、言葉や数式で合理的に説明しきれない教えとか概念、理念、こころに浮かぶイメージとか啓示を表すための、図形・彫刻のような芸術作品・木や石などの自然物など、をシンボルと呼ぶ(ようだ)。

 会社や国などを表す社章とか国旗はシンボルではなくて“記号”と分類する。
 鉄道会社のロゴであるがこれ等は“記号”であってユング心理学ではシンボルではない。

JRのロゴ

 これだけ知っていれはユング本読んでシンボルの意味がわからないことはないと思う。

3.詳しい説明

シンボルと言う概念は、私(ユング)の理解では単なる記号と言う概念とは全く異なるものである。{3}p508
 
シンボルは生きている限りは、それ以外ではうまく表せない事柄を表現する。(中略)

言葉では言い表せないものに絶妙の表現を与えたもの
[3]p509

[3]

 ここで“生きている限り”とはシンボルを使っている人が、表したい意味を込めている限りといった意味合い。また、生きているシンボルは見る者、その他の感覚に訴えて人の注意をひく力を持ったもののこと(らしい)。
 
 この辺りのことを、こんなふうに説明している。

 シンボルが生きていると言えるのは、それが観察者にとっても漠然とは感じ取られているがまだ知られていないものを可能な限り最善、最高に表現しうるものである場合だけである。こうした状態にあるシンボルは無意識のうちに惹きつける力を持っている。
例えばファウストはこう語っている。「この印はなんて違った感じを私に与えることか・・・・」[460行]

 生きているシンボルは無意識の重要な要素を表しており、この要素が多くの人々に共通であればあるほどこのシンボルの作用力も普遍的になる、と言うのはそれば誰にでも備わっている共通の琴線に触れるからである。

[3]p510

シンボルの意義について『元型論』[5]の中で次に引用したようにこう説明している。

 シンボルは互いに異質で共通点のない諸要因を一つのイメージにまとめ上げることができるという。

[5]p138

 なんとなくわかる気がするが自分なりに説明することはまだできない。

 ようは、対立物を結合すると言うことにつながる。こんな説明がされるが事例が私にはわからないもので今のところ理解が進まない。

 定立と反定立によって加工され〈ヘーゲルの弁証法のこと〉、しかもその形成過程において対立物を結合する素材とは、生きているシンボルのことである。
(中略)
 シンボルが形成される基礎的な過程を示唆するものが、例えばイエスとサタン・仏陀と魔羅・ルターと悪魔・ツヴィングリと過去の世俗的生活・といった宗の創設者のイニシエーション過程に関するわずかな記録の中や、悪魔との契約によって若返ったゲーテのファウストに見出される。
 
 『ツァラストゥストラ』の終幕近くには、反定立の抑圧の好個の例が「最も醜い人間」の姿で見出される。

[3]p516

今後予定している『元型論』を読み解くことでシンボルの理解が深まるのではないかと期待している。
 
今回はここまで。

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参考文献[1] MBTIタイプ入門(第6版)https://amzn.asia/d/gYIF9uL

参考文献[2] MBTIタイプ入門 タイプダイナミクスとタイプ発達編https://amzn.asia/d/70n8tG2

参考文献[3] 『タイプ論』https://amzn.asia/d/2t5symt
・補論3: スイス精神医師会、チューリッヒ、1928年において行われた講演。『現代における心の問題』p101
・補論4: 『南ドイツ月報』1936年2月号に初出。

参考文献[4] ユングのタイプ論に関する研究: 「こころの羅針盤」としての現代的意義 (箱庭療法学モノグラフ第21巻)

参考文献[5] 『元型論』https://amzn.asia/d/eyGjgdX

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こころざし創研 代表
ティール・コーチ 小河節生
E-mail: info@teal-coach.com
URL: 工事中
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