『失敗の科学』 - マシュー・サイド

 極めて平明で読みやすく、難しい・重要な話を子供でも分かるくらいに簡単に説明している。つまり最高ってことだ。素晴らしい。“複雑な話を簡単に説明する”——これが物書きが到達すべき最終到達点である。
 下手に難解で勿体付けて、衒学を弄して煙に巻き、その実、大したこと言ってないのが最悪で、そういう奴は実際には文才がない。一見すると素人が書いたような単純な言葉で、重要なテーマを短く確実に読者に伝えている、こんな本を書く人の方が、透徹した洞察を持ち、それを間違いなく他人に伝える文才にも恵まれているのだ。
 この感じ『ヤバい経済学』にそっくりだと思った。作者は同じ人なんじゃないかと思ったくらいだ。(違った。)

 Twitterなんかで度々バズっていた戦闘機の話の元ネタがあったりした。多分この本が元ネタなんだと思う。知ってる話ばかり出てくる、というレベルの本だった。

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