『入門ClojureScript』

 日本語訳が割とひどかった。「特別な書式」は多分 lisp の “スペシャルフォーム” をそのまま訳したんだろう。これくらいならまだ分かるからいい。「関数はそれを呼び出せないかぎり、有用だとはいえない。」等かなり奇妙な文が出てくる。話の流れ的に、関数を定義できただけでは意味無いから呼び出さないと使えないよねってことなんだろうけど、この訳は無いと思う。

 他にも閉包の例でこんな訳が出てくる。

(defn make-adder [n]
 (fn [x] (+ x n)))

(def add4 (make-adder 4))
(def add7 (make-adder 7))

(add4 10)
;;=> 14

(add7 10)
;;=> 17
上記では、make-adder関数は、スコープ内でnの値を「超える」別の関数を返す。

 「超える」っていうのは何だろうか。意味が通じないし強調してるところがおかしい。英語で原文読んだ方がマシかも知れない。多分 lisp(というかプログラミングそれ自体)の知識が無い人が訳したんだろう。まだ序盤なんだけどこの調子だと厳しい。これだったら DeepL でいいじゃんという気持ちになってしまう。原著 + DeepL全文翻訳権の購入。アリだと思う。

 2013年出版。Ebookのみの販売で書籍版は無いらしい。O'Reilly がこの品質のものを出してくるとは思ってなかったので少しショックだった。しかし思い出してみれば20年前に初めて買った近藤嘉雪訳の『プログラミングPerl第二版』も内容はともかく誤字脱字がとんでもなく酷かったので昔からこんなもんだったかも知れない。


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