見出し画像

憧れの姫路モノレール

1966年から1974年の運転休止まで約8年間、姫路駅と手柄山駅の約1.5kmを結んだ姫路モノレール。

僅か8年(廃止は1979年)で役目を終えた姫路モノレールでしたが、軌道等の設備は長らくそのままの姿で放置されていました。

中学生の頃、そんな放置された軌道の姿を本で見て、一度訪れてみたいと思っていた姫路モノレール。

あれからn年、ようやく訪問が叶いました。

姫路駅~大将軍駅

かつて起点となる姫路駅があった付近は再開発等で跡形もなく消えてしまっています。

姫路駅から少し西へ向かったところで最初の遺構が現れます。

古い建物の中からまるで煙突のようにモノレールの支柱が伸びています。

山陽電車の高架の手前にはそびえ立つひときわ大きな支柱。
まるで古代遺跡のような異様な存在感を放っています。

支柱の生えた建物は山陽電車の高架を挟んでなお続く。

これらの建物は老朽化が進んでいる様子で、そう遠くない日にモノレール遺構とともに姿を消してしまうかもしれません…。

このあたりの現役時代の写真が姫路市のホームページに掲載されています。

よく見てください、支柱の下に建物はありません。
後付けなんですかこの建物…(驚愕)

橋脚の生えた建物群を過ぎると、不自然な空き地が広がっています。
この空き地こそが唯一の中間駅・大将軍駅の跡地です。

大将軍駅は10階建てのアパート(高尾アパート)の3階に位置しており、モノレール廃止後も長らく高尾アパートと共に姿を留めていましたが、2017年に解体されてしまいました。

アパートの下に駅があると聞くとすごく便利なように思いますが、ラッシュ時間帯には走らないクソダイヤ(後述)に加え、姫路駅からわずか500mしか離れておらず、列車を待つより歩いたほうが早いという有様だったため、利用は少なく、開業から2年足らずで営業休止となっています。

大将軍駅~手柄山駅

大将軍駅を出たモノレールは大きく左へカーブを切り、船場川沿いに終点・手柄山駅へと向かっていました。

船場川沿い、山陽新幹線の手前あたりまでは今も軌道が残されています。

支柱と軌道に絡まったツタが廃止になってからの年月を物語っています。

山陽新幹線と山陽本線を越えて以降の船場川沿いは、軌道の撤去が進んでおり、一部を残すのみとなっています。

残されている部分も撤去の真っ最中で、今年度中には姿を消すようです。

休止から半世紀、廃止から45年が経過し、おそらくかなり老朽化も進んでいることから、そう遠くない日に軌道はすべて姿を消してしまうかもしれませんね…。

開業当日の様子が再現されている。

終点・手柄山駅は廃止後長らく車両共々封印されていましたが、2011年にモノレール展示室として整備され、車両(200形2両)や数々の資料が展示されています。

モノレールの車内にも入ることができる
とても公共交通機関のものとは思えない時刻表
こんなダイヤでは利用が伸びるわけもなかった…

姫路市にとっては忘れ去りたい黒歴史のような存在だとは思うが、こうやって保存・公開してくれているのは嬉しい限り。
貴重な貴重なロッキード式モノレールの生き残りとしても、末永く大切に保存していただきたいところです。

姫路モノレール、興味のある方は軌道がまだ残っている今のうちに是非…!

参考サイト

姫路市ホームページ「姫路モノレール」
麗しの姫路モノレール

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?