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US : James Iha


日常的に使う事のない舌触りのいい言葉が
ふと頭に降りてくることが誰にでもあると思う。どこか頭の片隅にある電線にひっかかっていた
言葉が何かの拍子に風に吹かれて落ちてくる。
それが今日はイハだった。
アハでないし、マハでもない。イハがいい。



ジェイムス・イハ
スマッシングパンプキンズのギタリストであり

日系の両親、そして沖縄産まれの祖父を持つ日系アメリカ人。
プロデューサーやデザイナーなど活動は多岐に渡る。


数年前グアムに訪れた際
初めて踏み入れた土地に興奮し寝つけず、
友人と夜の人気のないビーチを散歩していたら
突然話かけてきたガタイの良い髭面の彼も
祖父が日本人だと言っていた。
言葉はイマイチ分からなかったけど、
何故かお互い分かり合えてる気がして笑いながら夜空の星を海辺で眺めたのを覚えている。



話が逸れたがこれからの季節に
オススメのアルバムを紹介したい。
ジェイムスイハはソロで2枚の素敵なアルバムを
リリースしているが、そのうちの一枚。

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Let It Come Down   (1998)

ジャンルとかなしに文句なしの一枚。

全体的にアコースティックでポップ
そして日本人好みなメロディーライン。
彼の歌声が心地良く耳から全身に滲み入る。
芯からゆっくり心を暖めつつ、全体的に清涼感のあるこの作品はいつか行った山梨のメンソール炭酸泉のように体を癒し、今日を越えて明日への活力になってくれる。
これからの季節、大地に根ざした木々が色づくように生活に些細な色づきをもたらしてくれるであろう事は保証する。もちろんノンクレームで。


そういえば、、、
昔PAをやっていた先輩がこのアルバムは
録音がすごくいいって言っていた気がする。
録音には明るくないがそう言われて聴くとたしかにすごくいいのかもしれない。そんな気がする。



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ポップスの歴史は興味深く、ポップスの定義づけは難しい。国によっても時代によっても。
その時代にあった流行歌がやはりその時代の
ポップスであることは間違いない。
ポップスにはそういった時代性を帯びたポップスと普遍的なポップスがあり、彼のこの作品は後者だろう。

ポップスは他のジャンルに比べていい意味でも悪い意味でも人に寄り添う力がとてつもなく強い。優しくも戯けても見せ心の隙間に入り込んで癒す。その寄り添いについ甘えてしまう時がある。常に時代や人々に寄り添い愛を与え続ける奉仕精神こそがポップスの核なのかもしれない。



最後に彼のもう一枚のアルバムから
入眠にピッタリな曲を

全身を耳にして体の芯から徐々に拡がっていく浮遊感を感じたらそれをイハ体験と呼ぶ。


山賽犬

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