そして、
橋本氏の『わたしが「わたし」を助けに行こう』は、1人ひとりが自分の心の傷と向き合うための、とても優しい、素敵な本で、
人間の自然な姿。
平野啓一郎氏は、誰に対しても同じ態度を取ることが裏表のない美徳のように語られることがあることへ疑問を投げ掛けていますが、
これは非常に納得するところで、
確かに、誰にたいしてもいっかんして同じ態度であるのは、実はかなり不親切で、不自然である場面が社会生活では多いかもしれません。
分人、対する人によって異なる自分に変化する、
その人や場面に合わせて変化する、
そうした自然な気遣い、親切、思いやり、
人間的な成長や、器の広がりは、
そうした分人的な成長にあるのかもしれないですね。
セルフケアというのは、本当に重要ですね。
ファントムペイン(幻肢痛)。これは、文化や心の問題等にも応用して考えられて、
トラウマ、喪失感、失ったものに感じる痛み等のケアにも関連して研究されているようです。
そのドキュメンタリー映像が、
現代アート作品カデール・アティアの『記憶を映して』でした。
橋本氏の『わたしが「わたし」を助けに行こう』でも、
心の防衛機能・ナイト君に名前をつけてあげたり、姿をイメージして、ナイト君と対話して、ナイト君を知っていくケアがありました。