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続・私的「ウマ娘」がおもしろい理由


0:はじめに

こんばんは。2回目の投稿がこんな内容でいいのかって感じですが、、、まーいっか笑

前回投稿したウマ娘の記事(下記リンク)の中で、私が思うもう1つのウマ娘のおもしろい要素(または仕掛け)は、

“私達が結末を知っているという事実”

であると、ほんのちょっと述べさせいただきました。

そして次回の記事でこれについて書かせていただくと宣言しましたので、今回はこの要素というか仕掛けについて私的な考えを書きます。
なんとか読みやすい文章を心掛けますので最後までお付き合いいただければ幸いです。

1:私たちは結果を知っているということ(スターウォーズシリーズの例)

ウマ娘のおもしろさを書くにあたり、突然ですが他の作品を参考にさせていただきます。

皆さま「スターウォーズ」シリーズをご覧になったことはありますか?(おそらく殆どの方が見てるんじゃないでしょうか)

スターウォーズシリーズの第1作目は1977に公開し、それから1983年の間に3作、そして1999年から2005年の間に3作、さらに2015年から2019年までに3作を公開し、シリーズ完結となりました。

しかしこのスターウォーズシリーズ、実は公開順=物語の時系列順では無いんです。
公開順に物語の時系列を並べると4→5→6→1→2→3→7→8→9という順番です。
つまり第1作目は、いきなり4話目からスタートしたことになります。

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(スターウォーズ第1作目の冒頭。“Episode Ⅳ”と書いてある通り、いきなり4話目からスタートしています。これには理由があって、当時の映像技術では1.2.3を映像化する事が出来なかったからだそうです)

そして4→5→6を見ている間に、登場人物達が語る内容で概ね1→2→3で何があったかを何となく知ることが出来ます。
(このあたり、視聴者が置いてけぼりにならないように劇中でちゃんと情報の配慮がなされているので、見てる側も「?」とはなりません。それがまた素晴らしいんですよね)

そして1999年に長らく劇中内での情報でしか語られていなかった1→2→3が公開となりました。
この時の世界の盛り上がり方は尋常では無かったと記憶してます。

しかしなぜあそこまで盛り上がったのか。1→2→3の結末は4→5→6の劇中でなんとなく語られているのに。。。。


いやはや人間の好奇心は不思議なもので、結末を知っているのに、私達はそこで何があったかを知りたくなってしまうんですよね。
例えるなら難しい問題を出されて「答えは〇〇です」とだけ言われて、式や答えに至るまでの理由がなにも説明されないようなものです。
「いや!なんでそうなるの⁈」と、気になってしまいますよね。
(気にならない人は気にならないかもしれませんが)

この時世界が盛り上がったのは「やっと何があったのかが明かされる!」というものだったのでしょうね。

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(1999年公開スターウォーズエピソード1のポスターです。4→5→6を見た人にとっては、これだけでこの先の1→2→3はどんな映画になっていくのか、想像力を掻き立てられる大変エモいポスターだと思います)

話を(やっと)ウマ娘に戻します。
ウマ娘のアニメは実際に行われたレースを元にしつつストーリーが進んでいきます。
しかし、私たちが実際のレースで知っているのは、勝敗や着順、その時の出走馬やコンディションなどです。
実際の競走馬達、競走馬同士が何を考えそのレース、結果に至ったかまでは想像の域を出ません。

この事を上記のスターウォーズの例に当て嵌めて考えれば

■実際のレース結果:
4→5→6の劇中で語られる概ねの内容

■競走馬達、競走馬同士が何を考えていたか:
1→2→3で明かされる内容

に置き換えられるのではないでしょうか。

ウマ娘のストーリーは、その時そのレースで競走馬達は何を考えていたか、ライバル同士で何があったのかを、擬人化することで表現し、実際のレースでの競走馬達の想いを補完しています。
故に「このレースやるの
⁉︎うおおお楽しみ!どういう話にしてくんだろう!」と私たちはワクワクしながら結果を知りつつも経緯を想像してしまう、こういったところにおもしろさがあるのではないでしょうか。

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(この時、ライスシャワーとマックイーンは何を思っていたのか。擬人化という形で私達の想像を補完し、高い物語性が実現できているのだと思います)

2:私達の持つ知識を刺激されるということ

スターウォーズシリーズもそうでしたが、ウマ娘は私たちが持つ知識を劇中で刺激してくるシーンがよく見受けられます。

例えばアニメ1期でトレーナーがサイレンススズカに、

「秋の天皇賞、出てもらうからな」

と言うシーンがあります。
これは実際の競走馬としてのサイレンススズカを知っている方ならサラッと流すことは出来ない部分ではないでしょうか。

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またアニメ2期では天皇賞(秋)を4日前に控えたメジロマックイーンに対して、トウカイテイオーは、

「今度の有馬記念見てて。そこでボクは誰よりも先にゴールする」

と宣言します。
これも実際の競走馬としてのトウカイテイオーを知っている方なら胸が熱くなるシーンではないでしょうか。
また天皇賞(秋)の4日前に何が起こったのかを知っている方なら余計に物語を想像してしまうんじゃないでしょうか。

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このように、結果や結末を知っているからこそ特別な意味を持つ場面・展開が、ウマ娘にはこれでもかと盛り込まれており、見てる側の感情を大きく揺さぶります。
実際の競馬の結果に沿うことにより、私達が持っている知識を巧みに刺激し、そこから生まれてくる私達の想像力を利用し、物語にグイグイ引き込んでくるのです。これこそウマ娘がおもしろいもう1つの要素であると私は思います。

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例として前回の記事でも引用した「ウマ娘プリティーダービーSeason2」のティザー画像からも様々な情報を読み取る事が出来ます。

■走っているのはトウカイテイオーとメジロマックイーン
■右回りのレース場

ということは・・・

→トウカイテイオーとメジロマックイーンが勝負したのは京都競馬場(右回り)で行われた92年の天皇賞(春)の一度だけ。しかも世紀の対決と言われ日本中が盛り上がったあのレース。

→つまり今回の舞台となるのはトウカイテイオーやメジロマックイーンが現役だった90年代前半

→その頃をやるという事はミホノブルボンやライスシャワー、BNWなどの話もやるのか(ウマ娘化しているのでやらないわけがないのでは!?)

→メインがトウカイテイオーとメジロマックイーンということは、その後の経緯や伝説の有馬までやるのか?…そんなの泣いてしまう!

というように否応無く私達の知識を刺激してきます笑

4:纏めっぽいもの

私はスターウォーズを見たことない人に薦める際は、必ず「公開順に見ろ!」と薦めます。それは元々の上映順だからこそ引き込まれる仕掛けが劇中にあるからです。

同じようにウマ娘は実際の競馬を知っている人ほど、そのストーリー性に引き込まれるんじゃないかと思います。
もちろん競馬を知らなくてもスポ根要素や迫力のレースシーンなどでしっかり楽しませてくれますが、実際の競馬を知っている人のほうが受け取る情報量が桁違いに多く、そういった仕掛けがこれでもかと盛り込まれているのでより一層楽しめると思います。

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(宝塚記念でのゴールドシップ・・・・といえば画像の内容は一目瞭然ではないでしょうか笑)

豊作揃いと言われた2021年冬アニメの中で覇権候補と呼び声が高かった理由には、こういった仕掛けも含め高い物語性に引き込まれた人が多かったからではないでしょうか。

以上、私的「ウマ娘」がおもしろい理由でした。
拙い文章と纏まってるかわからないこんな記事ですが、ここまで読んでいただきありがとうございました!

余談ですが、もしアニメ3期をやってくれるのであれば、最終回は2001年の香港ヴァーズでお願いしますm(_ _)m






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