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【家族移住・留学】海外生活1年での語学力の変化

メルボルンに来て10ヶ月、1周年も見えてきたところで、どれぐらい英語が身についたのかちょっと振り返ってみました。

海外に住んでいると自動的に外国語が身に付く、なんてことは勿論ありません。海外で大学院に通ったら、授業に出ているだけでそれこそネイティブ並みのレベルに向上しそう、なイメージがありますが、実際には言語的には理解や表現が不完全だとしても、学問の中身の理解や議論を優先することが多いと感じます。中身にお金を払っているのだから当然です。昨今は DeepL のような翻訳ツールも充実しているし、母国語で同様の書籍や記事もインターネット上に豊富にあるので、それらを活用すれば一定程度の語学力があれば、語学面は乗り切れてしまいます。外国語であってもしっかり学びを得られているという点では良いことなんですが、副産物としての語学力向上は、意識しないと限定的になります(人によると思いますが)。

そんなわけで、今回は子供達と私自身の変化を振り返ってみます。(ちなみに妻はもともと帰国子女なので振り返りは不要笑)

自分自身

まずは自分自身から。何かテストで検証したわけではないので、あくまで私の肌感ですが、この1年弱の変化としては、RWLSの4つの技能がそれぞれ確実にワンレベル向上した実感はあるものの、自分の表現したいことを自由に表現できるレベルには全く達していない、というところでしょうか。

こちらに来る前は主要な海外大学院で求められる最低限レベルである IELTS 7.0 ジャストで、時折仕事で英語を使っていたものの、英語で込み入った議論やしっかりしたプレゼンテーションをするには全く物足りない、という状況でした。

1年生活し、大学院で学び、仕事をしてみた結果、read, write については普段触れている分野であれば問題なく文献調査、レポート作成等こなせるレベルにはなりましたが、問題は、スピードです。大学院だと短時間で大量の情報をインプットしたり表現する必要がありますが、どうしても母国語での作業とスピードと比べて物足りないので、自動翻訳に頼りがちになります。

listening, speaking については非英語ネイティブの英語はおよそ問題なく理解し、対話できるレベルになりましたが、英語が母国語の人の英語はまだまだ理解できない部分が多い。またプレゼンテーションなど一定時間話し続けた上、Q&Aに答えるような状況では、全くもってスムーズに行きません。通常の会話であっても表現したいことを余すことなく表現できるレベルにも全く物足りなく、ストレスフル。

そんなわけで、最近は2つのことを意識し始めています。1つは、当然なんですが日本語の文献参照を控えて、自動翻訳を使わないこと。これは短期間でアウトプット求められる状況だとこれが結構苦痛なんですが、これを変えないといけない。加えて、イギリス・オーストラリア訛りのネイティブの英語の音源に意識的に触れること(e.g. ABC news podcast)。独特のリズムに慣れることで理解が増してきます。

子供達(13歳、10歳)

子供達は4月に来て、9ヶ月。英語でのインプットについては驚くほどスムーズになりました。授業や、バンド仲間の発言を驚くほど理解しているし、all 英語の教科書であっても、躊躇なく読み下しています(躊躇はないが、わからない単語はまだまだ沢山ありますが)。以前書いた通り、語学学校に最初数ヶ月通った成果も大きいとは思います。writing & speaking はまだそこまでの向上はありませんが、そもそもに恥ずかしがらずに発言できるようになった、という点が大きな進展です。こちらに来た当初は、単語を並べるレベルの発言でさえ躊躇していたので、その頃と比べれば雲泥の差です。

インプットと比べると、アウトプットの機会が足りないのが課題かなというのが最近の実感ですが、第二言語習得に関する理論をベースとした最近の言説から言えば、インプット8割ぐらいが良いらしいので、ちょうど良いのかもしれませんが。ホームステイではなく自分の家族と住んでいるので、家族との会話は当然ですが日本語です。つまり、朝晩土日はほぼ日本語での生活であり、ざっくり1週間の中で60%ぐらいは日本語の生活なんですね。これがホームステイで100%英語の生活であったとしたら、変化のスピードはまた違っただろうなあと思います。

なかなか発信の機会を意図して増やすのは難しいのですが、学年の変わり目(1月から新しい学年になります)を利用して、日本人のクラスメイトがゼロになるように学校にお願いをしてみました。これまでは慣れない海外生活、日本人のクラスメイトがいることが心の支えだったと思いますが、生活自体には慣れた今、日本人ゼロの環境に入ることでまた1つ伸びが変わってくるのでは・・・と思っています。

総合すると、海外で暮らし学ぶということをやっているからこその伸びは確実にあるし、言葉以上のものが得られていますが、とはいえ1年程度では、まだまだ物足りないレベルだなというのが実感です。ここから先はさらに意識して言語そのものも、学びに行かないと伸びていかないので、我が家は最近そのあたりを意識しています。

海外生活で語学力も伸ばそうという方の参考になれば幸いです。

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