わたしも若い頃嘘つきでした。「も」というのは、それほどエホバの証人2世間では自分以外にも見てきましたし、聞いてきました。嘘をつくというのはそれをやめても、わたしには今でもアッパーのように、あるいはボディーブローのように効いています。嘘をつかないと生きていけない世界だったのです。そういう世界が今もどこかで広がっています。

嘘をついていた自分も責めますが、そうさせてきた周りが居なければつかなかった嘘もあるので、周りも責めています。許しません。それで良いと自分には思います。

あれは20歳くらいでした。恋人が2人いました。2人目と付き合おうという話になっていた時は酔っていました。しかし酔いが冷めてメールに書いてあった「これからよろしくね」という言葉にわたしは遅かれ早かれうまくいかなくなると陰鬱な気持ちになり、その日のうちにじつは恋人がいることを言いました。1人目の恋人にも他に恋人ができたと早々に言いました。2人目の方が本命でしたが、遠距離の1人目にも情はあったため、どちらかが、あるいは両方が愛想を尽かしてフってくれればと考えたのです。

だから1人目にする連絡を2人目に間違ってしてしまっても「連絡する相手、間違っているよ」とだけ返ってきて、正直さってなんて生きやすいんだろうと晴ればれした気持ちになりました。正直であるにしても、言わない方がいい場合も、いつまで黙っているかもその頃学んでいきました。自分が生きやすい代わりに、お二人にはご迷惑をおかけしました。1人目のかたは一時的におかしくなってしまいました。

1人目とはそのうち別れ、2人目の人には本当に正直にお付き合いできたと思います。正直な自分を正しく大事に思うことができました。根気よく、わたしの話を聞いてくれたことに感謝しています。結局2人目の方ともお別れしたのですが、わたしのこの人生に巻き込まなくて良かったとは思っています。最後の恋人の思い出が、穏やかで優しく輝いていた記憶しかないので未だに大好きです。幸せになって居てほしいです。

その人とお付き合いさせていただいてから嘘が嫌いになりました。そして本物になりたいと願ってきました。何かになるにしても、どこにいても気持ちから本物でいるのが本当に幸せだと思うようになりました。誰かのためというのもやめました。自分のためと思うならすり替えないで、堂々と自分のためにこう生きるんだと自分に正直になる努力をしています。嫌な部分に鞭打つのではなく、直視して、無かったことにせず、そういう自分も一緒に未来に進みたいと思います。そういう自分が居て、全部の自分ですから。

だからエホバの証人が偽物だとわかった時、今までは何だったんだと思いました。組織の巧妙な嘘に騙された自分が心底嫌になり、「生きている価値もないじゃないか」「あの解釈もこの解釈も間違いだったんだ。終わりの日ではないなら生き方も変えなくてはいけない」「組織からどう出ればいいんだ」と思い、わたしには孤独死しか将来待ち受けていないような気持ちになりました。

実際組織からの離脱がキツすぎて自死された方も出ています。

しかし聖書を全て否定するには早すぎる気持ちもしました。信仰を全て無くしそうだとお祈りして、本物の信仰をわたしには見出せないと思うよ、ごめんねとキリストに謝りました。

割とすぐ『beroean pickets』というサイトに辿り着き、エホバの証人の解釈がどう間違っているかを言葉で学びました。ちょっと分かりにくいですけど。ご自分でもわからないことはわからないとおっしゃっています。YouTubeでも動画を出しておられます。他にも元長老で離脱された方や、児童性的虐待を受けものみの塔と裁判し正義のため戦い続けておられるニュースの動画を見て、記事も読みました。

エホバの証人をやめてもクリスチャンとして誠実に生きている人々が大勢おられることを知りました。どこかに属さなくても良い、beroean picketsの兄弟も「わたしに頼るな、聖書を読め」というスタンスです。記念式も、エホバの証人の式典に行ったり自分たちで執り行ったり、参加もしなかったり、パンを食べ葡萄酒を飲んだ人もおられます。でも誰一人、他人を批判せず自分で決めたことをして満足しておられます。実質児童虐待を容認している人より、どんな形であってもなくても、神様の取り決めからはちょっとと思えるような行動でも、誠実に生きているほうが聖書の神は喜ばれると思います。

わたしは2024年参加しませんでした。今年はこれで良いと思いました。ただ「焦って」「すぐに」行動しないのが大事だと学んでいます。汚れた宗教に、1秒でも名前を置いておきたくないので、排斥や断絶処分されるため、やってもいないことを噂で広められるような脱退の仕方でももう良いかなという思いがふと寄せては返します。何と言っても時間が無駄になっていきます。しかしやはり離脱してこられた先輩達が、スローフェードアウトと何人もおっしゃっている理由を考え、今は闇に紛れています。