九州でるよ

今は福岡。明日の朝には大阪。

今回の九州滞在は行き当たりばったりで、とっても長く感じた。でもたったの2週間だった。

佐賀、長崎、福岡と。その県内でも移動していたので移動がたくさんあった。星空を見ながら寝た日もあれば、友達の家のフローリングで寝たり、良いホテルのベッドで寝た日もあった。

今日の朝まで福岡市内から車で1時間ほど行ったところにある廃校リノベ施設にいた。ほぼこもって仕事をしていたけど、一度代表の知り合いがきた。

海外でホームレスに炊き出しをしたり、居場所づくりをしたりしているらしかった。

私の倍以上長く生きているその男の人は、20代の頃ヤクザだったらしい。それを聞いただけで、最近「ザ・ファブル」というヤクザ漫画を読んでいる私は興味を持った。

30代からはNPO団体を立ち上げたらしい。

「20代までは悪いことが正義だったけど、30代からは良いことが正義だと思った。」と。

「死にたい」と言う人、本当に死んでしまった人、「死」に近い人をたくさん見てきたようなお話を聞かせてくれた。

「人はいつか死ぬ。自分なら救えるかもなんておこがましい。」と。

理解し難かった。

でもその人は「人はいつか死ぬんだ。」と何度も言った。

何度言われようと理解できなかった。したくなかった。

実際にどうしようもなくなってから言いたい。まだ目の前にいるうちは、生きているうちは、おこがましくたっていいから「自分なら何かできるかもしれない」と思いたい。

私が教育分野に興味があると話したとき、子供たちの居場所づくりがしたいけど急いではいないという話をした。

まずは自分がひとつの選択肢になること、自分が経済的にも精神的にも自立することを優先したい。まだ未熟なまま片足をつっこんでしまうと自分が壊れてしまい、本末転倒になってしまうと思うから。と。

そしたらその人は一拍おいて

「でも子供たちは急いでるよ。」

と言った。

間違いではない。

私が自分の成長を考えている間も、誰にもSOSを出せずにもがき苦しんでいる子供たちがたくさん居ると思う。実際に目の前に現れても、今の私には何もできない。

自分を犠牲にして他人に尽くすほど悪循環をうむものはないと思っている。大切にしたい誰かを守るために、まずは自分を大切にしなければいけないと思っている。自分すら大切にできないやつが、他人を大切にすることなんてできないと。

少しカチンときてしまったから、改めて考え直すきっかけになった。

グラスが空くとテキパキ動く20代半ばの男の人がいて、私が「すごい」と言うと、「お前が1番年下やからな」と代表に言われた。

そのときにさらっと「男に酒を注ぐ女にはなるなっめ言われて育ったからなぁ。」と言うとそのおじさんが反応した。

「じゃあキャバクラの女の人たちは?男の人に酒注いで損してる?」と。

酔っているとはいえ、論点がまったく違う。

男女が生まれる場で、女が下で当たり前という考え方は持たなくていい。同じ目線に立っていい。

という教えだったのだと思う。

気遣いや思いやりが必要ないという意味ではないし、キャバクラはそういう商売だから、サービス精神があって当たり前だと思う。

と、少しだけヒートアップした討論になった。

すると代表が間に入り、「それっぽい返しするだけでこいつまだ20歳なんですよ。自分より歳半分の子をそこまで問い詰めたらだめですって。」と笑いながら止めてくれた。

そしたら「これからいろんな経験する中で一緒に考えていこう。」と言われた。うーん。女性を「モノ」として見ているように感じて少し気分が悪かった。

でもまるで少年のようなそのおじさんは楽しそうに打ち上げ花火を広げたり、マッチングアプリに登録したりしていた。

いい夜だった。

今後について少し代表と話せたのも嬉しかった。

流れに身を任せながら、移動する暮らしをしていると、いろんな人に出会う。

いろんな人とお酒を交わす。

でも家にこもっていたら誰にも出会えない。

移動がしにくい世の中で、うしろめたさもあるけど、私は移動を制限されると死んでしまう。

今から大阪へ向かうバスに乗るけど来週どこにいるかはまだ分からない。



今は目の前にあることをただひたすらこなすのみ。常に何かに悩んでいるけど、その悩みは日々変化していっているところに成長を感じる。いい感じ。

9月もきっと長くて短い、濃い1ヶ月になると思う。20歳も残り4ヶ月ほど。歩みを止めずに少しずつでも前進し続ける。

毎日突っ走っている感じがしてとてもいい。程よくアドレナリンもでていて、最近の自分が好き。問題は尽きないけど懲りずに楽しくがんばる。

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