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低身長症の子どもの成長促す薬

米食品医薬品局(FDA)は軟骨無形成症の子どもの成長を促す薬を初めて承認した。ボソリチドと呼ばれる薬で米製薬企業バイオマリン社が開発したものだ。 5歳以上の軟骨無形成症の骨端板(成長板)が開いている小児患者において、線形成長を増加させることが示された。それが決定的なエビデンスとなり、承認された模様だ。軟骨無形成症は、軟骨から骨への変化を妨げる遺伝性の骨系統疾患。成人になった軟骨無形成症の人の身長は平均120センチほどだ。同薬を注入された子どもの身長は平均で1.57センチ伸びた。主な副作用は注射部位の反応、嘔吐(おうと)、重篤な可能性のある血圧低下だった。

低身長症

低身長症とはその名の通り低身長のまま大人になる。現代は子どもの身長が低い、あるいは身長が伸びないと保護者が心配して小児科を受診するケースが増えてきている。低身長症になる病気には軟骨無形成症のほかにも成長ホルモン分泌不全性低身長症というものがある。この病気による低身長の原因は、両親の身長が低いなどの体質によるものが約70%を占める。その他の原因は、脳腫瘍、クッシング症候群、骨・軟骨の病気、栄養不足、心理社会的な原因、ステロイド剤の長期内服などさまざまで、成長ホルモン不足によるものはわずか10%。出生時はそれほど低身長ではなく、年齢とともに標準から離れていき、年齢よりも顔つきが幼く、手足と体の均整はとれているという特徴が現れる。身長SDスコア=(現在の身長-標準身長)÷SDで計算され、低身長と定義されるのは、SDスコアが-2.0SD未満のとき。

リオネル・メッシも低身長症

アルゼンチンで天才サッカー少年と騒がれていた9歳のメッシが「成長ホルモン分泌不全性低身長症」と診断され、その後バルセロナの援助を得て治療を受けたことでも知られている。そして資金援助を受けたメッシはバルセロナでチャンピオンズリーグ優勝、バロンドール、コパアメリカ優勝と輝かしい人生を送っている。


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