黄色ブドウ球菌のプロファージは脂質利用のゲートキーパーであり、膜の可塑性、細菌のフィットネス、および抗生物質への適応を制御している


黄色ブドウ球菌のプロファージは脂質利用のゲートキーパーであり、膜の可塑性、細菌のフィットネス、および抗生物質への適応を制御している
Byang Zhou, Amit Pathania, Deepak Pant, David Halpern, Philippe Gaudu, Patrick Trieu-Cuot, View ORCID ProfileAlexandra Gruss, View ORCID ProfileKarine Gloux
doi: https://doi.org/10.1101/2022.01.27.478126
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要約
脂質は細菌膜の必須成分であり、ファージは細菌中に準常在する。ヒト病原体である黄色ブドウ球菌では、2つの共通プロファージΦ13とΦ11.1がリパーゼ遺伝子に優先的に組み込まれ、それぞれトリグリセリドリパーゼのGehとスフィンゴミエリナーゼのHlbの制御スイッチとして作用する。このリパーゼ遺伝子におけるプロファージ保存の選択を促す要因や、S. aureusのフィットネスへの影響はよくわかっていない。我々は、Φ13とΦ11.1の両方のプロファージの状態が、膜リン脂質組成と血清中の細菌増殖に影響を与えることを報告する。これらは、トリグリセリド上のGeh活性から放出される有毒なC18:2が細菌膜に取り込まれる程度を変化させる。HlbとGehリパーゼはそれぞれパルミチン酸C16とリノール酸C18:2を生成し、これらは脂肪酸キナーゼサブユニットFakB1との結合をめぐって競合する。両リパーゼが活性化すると、C16からの干渉によりFakB1を介したC18:2の取り込みが減少し、脂肪酸合成(FASII)を介した伸長が抑制される。FASII阻害剤AFN-1252の存在下では、S. aureusは外来脂肪酸に依存し、Hlbがインタクトな場合(ɸ13不在)には早く適応し、Hlbが阻害された場合には遅くなった。より速い適応は、C18:2の取り込みが少ないことと相関している。これらの知見は、膜の可塑性と環境脂質への黄色ブドウ球菌の適応を高める手段として、phi13によるHlb変換の選択的優位性を説明することに貢献する。また、Φ13の状態が抗FASII適応に影響を及ぼすことも明らかにした。プロファージの状態と宿主特異的な脂質環境は、黄色ブドウ球菌の感染リスクと新しい治療薬の有効性を正確に予測するために重要であると考えられる。

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