健康および疾患における口腔マイクロバイオームの重要な調節因子としての補体系
健康および疾患における口腔マイクロバイオームの重要な調節因子としての補体系
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36622855/
レナータOマトス-グラナーら、Crit Rev Microbiol。2023.
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引用
要旨
本総説では、健康および疾患における補体系と宿主マイクロバイオームとの相互作用について、う蝕および歯周疾患に関連する恒常性維持に寄与する、あるいはディスバイオシスを促進することが知られている口腔内細菌に焦点をあてて論じる。口腔内環境において補体活性を調節する宿主タンパク質と口腔内組織における補体タンパク質の発現プロファイルを説明した。さらに、これまで病原性のある細菌種(または菌株)で特徴的であった補体回避や調節障害に関与する細菌タンパク質のサブセットに焦点を当て、口腔マイクロバイオームの原型となる常在菌種でさらに保存されていることを明らかにした。また、これらのタンパク質は、宿主-微生物間のホメオスタシスや、病原性の高い常在菌の出現に関与している可能性も指摘されている。最後に、口腔内バイオフィルムの複雑な微生物群集の中で、常在菌がどのように補体系を利用し、競争的あるいは協力的な相互作用を行っているのか、その例を示した。これらの問題から、口腔内や口腔外における宿主との複雑な相互作用の中で、細菌の行動や競争力に補体系がどのような影響を及ぼすかを調べる研究の必要性が強調された。
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