免疫調節生物学的製剤への曝露後の生ロタウイルスワクチン接種の免疫学的効果と安全性：カナダ予防接種研究ネットワークによる前向きコホート研究

免疫調節生物学的製剤への曝露後の生ロタウイルスワクチン接種の免疫学的効果と安全性：カナダ予防接種研究ネットワークによる前向きコホート研究

https://www.thelancet.com/journals/lanchi/article/PIIS2352-4642(23)00136-0/fulltext

Tiffany Fitzpatrick, PhD
Khaled Alsager医学博士
マニシュ・サダランガニ（Manish Sadarangani）医学博士
アン・ファム-ホイ医学博士
Luis Murguía-Favela医学博士
ショーン・K・モリス医学博士
他
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Published:June 27, 2023DOI:https://doi.org/10.1016/S2352-4642(23)00136-0
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概要
背景
炎症性疾患または自己免疫疾患を有する人は、妊娠中も免疫調節生物学的製剤を継続することが推奨されている。しかし、生物学的製剤に暴露された乳児の潜在的な免疫抑制に関する懸念から、生後6～12ヵ月間は生ワクチンを避けることが推奨されている。我々は、カナダの特別予防接種クリニック（SIC）ネットワークで評価された、生物学的製剤に曝露された乳児にロタウイルス生ワクチンを安全に投与できるかどうかを検討することを目的とした。
方法
この前向きコホート研究において、子宮内で生物学的製剤に曝露された乳児は、ロタウイルスワクチン接種の推奨のため、カナダの6つのSIC施設のいずれかに紹介された。ロタウイルスワクチン接種に他の禁忌を有する小児、または15週齢以上の小児は除外した。臨床検査は標準的なクリニカルパスに従って行われた。関連する病歴、妊娠転帰、生物学的製剤曝露歴、身体診察、小児の検査結果、ロタウイルスワクチン接種に関するSICの推奨、ロタウイルスワクチン接種シリーズ完了、接種後の有害事象に関するデータを収集した。保護者の同意後、非識別化されたデータは解析のために中央データベースに転送された。ロタウイルスワクチン接種を推奨された小児は、重症下痢、嘔吐、腸重積などの重篤な有害事象を確認するため、接種開始後8ヵ月間追跡調査された。
調査結果
2017年5月1日から2021年12月31日の間に、202人の乳児が評価され、191人の適格乳児が登録された（97人［51％］が女性、94人［49％］が男性）。複数の薬剤に曝露された乳児を含めると、乳児が曝露された最も一般的な生物学的製剤は、インフリキシマブ（191例中67例［35％］）、アダリムマブ（49例［26％］）、ウステキヌマブ（18例［9％］）、ベドリズマブ（17例［9％］）であった。生物学的製剤への曝露は、178例（93％）の乳児で妊娠第3期まで継続した。リンパ球サブセット、定量的免疫グロブリン、マイトジェン反応に臨床的に有意な異常は認められなかった。SIC評価後、191人中187人（98％）の乳児にロタウイルスワクチン接種が推奨され、全員が追跡調査を受けた。2022年8月19日の追跡終了時までに、168例（90％）の乳児がロタウイルスワクチン接種を開始し、150例（80％）が一連の接種を完了した。予防接種後の重篤な有害事象は報告されなかったが、3名（2％）の乳児が医師の診察を必要とした。1名は嘔吐と便の変化で、その後胃食道逆流症と診断された、1名は接種とは無関係の陰唇の発疹で、1名はミルクアレルギーに伴う嘔吐と下痢であった。
解釈
本研究で得られた知見から、リンパ球サブセットおよびロタウイルス生ワクチン接種の安全性は、一般的に生物学的製剤への胎内曝露による影響を受けないことが示唆された。ロタウイルスワクチンは、子宮内で抗TNF製剤に曝露された乳児にも接種可能である。
資金提供
カナダ公衆衛生局およびカナダ予防接種研究ネットワークを通じたカナダ保健研究所。

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出版 2023年6月27日
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DOI: https://doi.org/10.1016/S2352-4642(23)00136-0
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